株式会社永井製作所

次世代リーダーが語る「熊本未来論」

永井毅(ながいたけし):株式会社永井製作所・代表取締役社長。熊本市出身。熊本大学工学部生産機械工学科卒業後、1984年に同社入社。営業、工場管理を経て、89年工務部長、91年常務、93年社長就任。

プロフィール

1957(昭和32)年に熊本市世安町で建築向け鉄骨加工を生業として創業した同社。「創業当初は立ち上げに苦労したと聞いている。“地方の会社”ということで認めてもらえない時期があった」と語る永井氏。その後、高度経済成長の波に乗り、県外からの受注が増加。1980年代の熊本市庁舎、熊本県立劇場の工事をターニングポイントとして大手ゼネコンや設計事務所からの信頼を厚くした。バブル期以降は九州への自動車・IT関連工場進出をメインに対応。コーポレートスローガン「真面目に鉄骨」に込められた想いを語る。

事業の特色

建築用鉄骨の設計・製作・施工を手掛ける同社。鉄骨製作のプロフェッショナル集団として、大手ゼネコンからの鉄骨受注に対応している。本社工場と八代工場を合わせて、年間25,000~30,000tの製品を生産。売上約60億円(H25実績)のうち九州管内が70%、関東・関西方面が30%を占める。主な施工実績では、博多駅ビルや種子島宇宙センターのロケット発射台など九州内のシンボリックな大型建築物を多数手がけており、業界内での信頼は厚い。同社の強みは、社員約270名全員が正社員であること。勤続20年以上のベテラン社員が70名を超えている。雇用の安定により仕事に没頭できることで技術や技能・ノウハウなどがしっかり蓄積されるのである。業界では設計や加工業務を外注することが多い中、同社では内製化を積極的に進めており、内製化率では国内でもトップクラスを誇る。毎年新卒を採用することで、年齢層の偏りがなく組織のバランスが整えられている。技術や技能・ノウハウの継承も円滑にすすめられる体制が整っている。

コーポレートスローガンには「真面目に鉄骨」を掲げる。「きちっとしておかなければならないという社風がある。品質・納期・安全について決して妥協しないというメッセージを込めている」と永井氏。「鉄骨という直接的に目には見えにくい部分で、『永井製作所さんなら大丈夫』という信頼関係が構築できている」とも語る。阪神淡路大震災や東日本大震災以降、建築構造体の見直しにともない増加してきた免震構造の建築物にも対応を進めている。建築の現場では職人の人手不足が慢性化しており、工場で製作し現場で組み立てる鉄骨の工法は、現場の負担を軽減するメリットがあり、今後ニーズの高まりが期待されている。「私たちの生活の中で最も使われている資源は鉄。比較的安価で頑丈で扱いやすい。鉄のニーズがあるところに、これまで培ってきた技術力を結集していきたい」。鉄にかける熱い想いがある会社だ。

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ビジョン

アベノミクス効果や東京オリンピック開催などを背景に設備投資が好調な中で、関東・関西を中心とする大都市圏での受注に対応していく方針の同社。永井氏はさらにその先を見据える。「人口減や工場の海外移転で建築業界は縮小傾向にある。鉄骨がどう生き残っていくのかを考えなければならない」。将来的には「鉄を加工する技術者・技能集団」として、「建築」という枠にとらわれずにさまざまな分野や海外輸出にも進出する可能性を示唆する。

メッセージ

「他県から来られた方とお話すると、『こんないいところはないよ』と言われることがよくある」と永井氏。出張などで他県を訪れた際に、改めて食の豊かさや人の優しさを感じるという。熊本の産品や魅力をアピールし、県外の方に熊本への理解を深めてほしいと考えている。その一環として同社では「くまモンマグネットシール」を製作し、出荷に際して鉄骨に貼り付けている。「通行人やドライバーの方々に楽しんでいただきたい」と、熊本のアピールに一役買っている。

 

「真面目に鉄骨」 熊本の金属製品製造会社<㈱永井製作所>

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