阿蘇製薬株式会社

次世代リーダーが語る「熊本未来論」

久木康裕(くきやすひろ):阿蘇製薬株式会社・代表取締役社長。熊本市出身。アメリカ・ニューベリー大学卒業後、2000年10月に現職就任。趣味はゴルフ(社員から毎週のように誘われる)。好きな本は「史跡・城郭・戦国武将に関する書籍」。座右の銘は「人は城、人は石垣」。

プロフィール

1950年に外用薬「デルモーゲン」を主力製品として設立された同社。医療衛生用品の総合メーカーとして、国内外に4つの生産拠点を有し、50カ国以上で同社の製品が使用されている。OEMメーカーとして表舞台に出ることは少ないが、絆創膏の国内製造部門では約30%(推定)のシェアを占め、国内トップクラスの地位を確立している。アメリカ留学後に27歳で社長に就任した久木氏が、同社の事業内容や海外展開に至る歴史について語る。

事業の特色

国内販売部門では、ドラッグストアやコンビニ、量販店向けに相手先ブランド商品のOEM供給や自社ブランド商品を販売。売上全体の約40%を占める絆創膏と共に、次世代の主力商品として期待されているのがハイドロコロイド製品「クイックパッド」だ。2008年の販売開始以来、シェアの伸びが好調で、売上の15%を占めている。傷口を完全に密封することにより、人が持つ自然治癒力を最大限に引き出して、傷口・肌の再生を促す。今後、消費者への周知が進む中で、需要の広がりを見込んでいる。一方、生産部門の大きな特徴として、各種製品をつくる製造機械をグループ会社・阿蘇精機㈱にて開発・製作している。オリジナルのデザイン・設計・製造を通して、ユーザーや販売先のニーズにより細かく対応した商品製造を行い、研究開発を基盤に製品の幅を広げていく方針だ。

「日本で製造した商品を海外でも本格的に販売したい」との思いから、1991年に米国フロリダ工場を開設、その後フィリピン・セブ、メキシコに工場を開設。海外に生産拠点を持つことにより、「外国とのタイムリーな情報交換」「海外進出のノウハウ獲得」「生産拠点の分散化による天災リスクの軽減」というメリットが生まれた。日本で製造できない商品は海外で、海外で製造できない商品は日本で製造するというように、国内と海外拠点の相互補完的な効果も出ている。今後、国内の内需縮小を見据えて、中国・中東・アフリカ地域方面への積極的な海外事業展開を構想している。

社内では、社長自ら社員とコミュニケーションを積極的に図るなど、経営陣や社員間の距離感が近い。「失敗はやってもいい。人間関係が密になっていれば、どこかで失敗しそうなときに、まわりの社員が助けてくれる」と久木氏。会社全体での意思疎通を深めていきながら、提案や行動がしやすい雰囲気づくりを進めている。会社一丸となり、「商品を作る力、売る力、市場ニーズをつかむ力」をバランスよく高め、国内の基盤強化と海外進出を進めていく。

  • 事業の特色写真
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ビジョン

売上全体に占める海外の割合は約7割。今後も海外戦略を強化し売上の伸びを見込む。「肌に貼るものを中心にやってきたので、肌に関連した新製品を開発していくことを一番考えている」「市場性や利用者のニーズを踏まえた商品開発、市場投入を進めていく」と、今後のビジョンを語る久木氏。求める人材像については「新しい分野の商品開発では、その分野の知識をもっている人」「営業では売るノウハウや商品知識が必要」と語る。

メッセージ

「緑や自然があり、水・川・海すべてが揃っている。農業がさかんで独立しても自給自足ができる」と熊本の魅力を語る。会社としては、「営業を含めて社員の90%近くが熊本県内の出身者で占めている」「海外での収益の一部は、熊本県にも入ってきている」と、雇用と納税の面での貢献が大きい。また、熊本県製薬協会の会長として、県内で作られた薬のPRや情報提供を進めている。熊本の今後については、「鹿児島本線高架化により、西地区が発展していくのでは」と、さらなる活性化を期待している。

 

熊本の医療衛生用品総合メーカー<阿蘇製薬㈱>

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