平田輝雄（ひらたてるお）：グッドハート株式会社・代表取締役。熊本県上天草市出身。八代高等専門学校・情報電子工学科（現・熊本高等専門学校八代キャンパス） 卒業後、住宅メーカーなど数社を経て、2006年に同社を設立。

プロフィール

独立を考えていた平田氏は、前職で太陽光発電の営業に関わる中で、「これからの時代は太陽光事業が成長する」と直感する。同社設立時の2006年は、国からの太陽光発電に関わる補助金支給が一旦廃止された年。「設立からの3年間は売上が上がらず、本当に大変でした」と当時を振り返る。その後、09年からの補助金支給再開、電力買取価格の上昇など追い風に乗り、熊本県内におけるシェアを拡大。設立3年間の苦労を通して得た知識や経験が、同社の礎となっている。

事業の特色

太陽光発電・外装の販売・施工を手掛ける同社。熊本県内の太陽光発電業界ではトップクラスの売上高を誇る。地域に密着したアフターメンテナンスに力を入れており、既存顧客先には購入後から10年間、1年に1回定期的に訪問し機器のチェックや清掃を行う。さらに、顧客宅約670軒（2015年6月時点）の太陽光発電量を集計し、自社ホームページで発電量平均値を公開するシステムを構築。当初の発電量予測や平均値からの差を顧客とともに常時確認し、機器トラブルの早期発見に役立てている。また、工事の品質を上げるため、太陽光や足場を専門とする職人を自社採用しノウハウ・経験を社内に蓄積。コーキング剤や配管・電気メーカーのカバーには最高品質の素材を使用し、同業他社との差別化を図っている。こうした品質へのこだわり、充実したアフターメンテナンスが評判を呼び、太陽光発電の受注では半数以上がご紹介や増設（リピート）となっている。施工を実施したお客様には、交流イベントを開催し親睦を深めている。

現在社員数は社長を含め25名。設立以来、正社員退職者は1名のみで離職率は極めて低い。「20代で経験した転職の実体験から、人がどういうときに辞めるかが理解できた」と語る平田氏。「社員による週2日の自由な休日設定」「過度な残業を課さない」「同一エリア、同業界の水準を超える給与設定」など、社員を大切にした取り組みを続けている。また、会社の体制や市場環境に合わせて中核事業に経営資源を集中させる。事業拡大（仕事量増加）による業務効率の低下を防ぐと同時に、目の前のお客様に対して質の高いサービスを提供することを目的としている。結果を出すための仕組みづくりにも余念がない。社長自身や営業社員が得た知識やノウハウ、成功事例をA4書面1枚ずつに集約し、未経験の営業社員でも提案活動がスムーズに行える体制を整えている。お客様・社員・その家族・取引先など会社に関わるすべての人に対して、社名の通り「良心」を持って接し、信頼していただける会社を目指している。

• 
• 

ビジョン

「不動産仲介売買事業、それに伴うリフォーム・新築事業など建築やリフォーム分野においてワンストップサービスを提供できる会社を目指す」とビジョンを語る平田氏。2015年7月には不動産仲介売買事業に進出し、熊本市内東区・南区の一部エリアから展開を開始する予定だ。「時代の変化とともに価値観も変化する、大きな住宅ローンを抱えて新築にこだわる時代は終わる」と先を見通している。が故に「個々のニーズに対応できる小規模少人数による地域に密着した機動力のある会社が強みを発揮できる時代だ」と考える。社内には独立支援制度を用意するなど事業展開に応じて分社化も進めていく方針。住まいに関わる分野での事業多角化を進め、収益の安定化を図る考えだ。

メッセージ

「熊本に素晴らしい会社を作りたい。お客様、社員やその家族、地域に貢献できる会社にしないといけない」と力強く語る平田氏。自然豊かな環境に恵まれ、通勤も都市圏に比べて負担が少なく、生活面での利便性が熊本の魅力だと考えている。一方で、仕事面では給与水準の低さや優良企業の少なさを指摘。会社の成長による雇用の拡大や「働くことは本当に楽しいことなんだ」という発信を積極的に行い、会社として地域貢献を進めていく考えだ。

 

熊本の太陽光発電でトップクラスのシェアを誇る＜グッドハート㈱＞