濵田醤油株式会社

次世代リーダーが語る「熊本未来論」

濵田康成(はまだやすなり):濵田醤油株式会社・代表取締役社長。熊本市出身。青山学院大学経済学部卒業後、㈱ダイエーを経て、1989年同社に入社。趣味はゴルフ、マラソン(熊本城マラソンには初回から参加し、すべて完走)。

プロフィール

1818年(文政元年)小島町に「浜屋」の屋号で穀物商として創業し、まもなく200年を迎える同社。西南戦争を機に1887年(明治20年)、醤油業に転業した。江戸時代から続く醤油蔵は、国の登録有形文化財に指定。その蔵で今も醸造され続ける醤油をベースとした、ハンドメイドの醤油に強みをもつ。「本店の蔵に足を運んでいただき、お客様に驚きや感動をお伝えしたい」と濵田氏。同社の伝統や空気を感じていただきながら、商品をご購入いただく工夫として、「蔵カフェ」や「竹の広場」など情緒豊かな空間を演出している。

事業の特色

醤油メーカーとして醤油・だし・ドレッシングなど約200種類の商品を取り扱う。レストラン・病院・学校給食など業務店向けが売上の80%、エンドユーザー向けの直接販売(通販や店頭販売)が20%を占める。同社の強みは「ユーザーのニーズに応えて、手作りの醤油を作ること」。これまで約300店の飲食店の要望に応え、数々のブレンド醤油を開発。同社HPでは22の事例を商品の成分や特徴をふまえてわかりやすく紹介している。卸売での代表商品は「卵かけごはんにかける醤油」。北海道日高産の天然昆布を手詰めで一つ一つ容器に入れて醤油を熟成させることにより旨みを凝縮。子どもから高齢者まで幅広い年齢層から支持を受けている。今後は店頭販売を強化していく方針で、店内では目玉商品として「ママ蔵商品」を販売。12種類のハンドメイド調味料を取り揃えている。

「“昔ながら”という物にこだわらず、新しい物にどんどんチャレンジしていくスタイルです」と同社の特色を語る濵田氏。「醤油を主役の座にしたい」という思いから生まれたのは、醤油を利用した和菓子。さらに、青みかんとぽん酢を利用した「青みかんぽん酢」や青みかんの苦味を活かしたノンアルコール飲料「熊本フリー」を商品化。「濵田なら何かやってくれる」という評判が広がり、商品企画の依頼が増えつつある。減塩醤油も九州で初めて展開した歴史があり、商品開発にかけるチャレンジ精神は同社のDNAとして引き継がれている。

売上拡大を追い求めることはせず、新商品を一つ開発した場合は取扱商品を一つ減らすサイクルを繰り返す。伝統の醤油を最新の技術と組み合わせながら生まれ変わらせる。これを濵田氏は「変えないために変わり続ける」と表現する。社内では外注部分の内製化を進めており、デザインやディレクションなど一芸に秀でたクリエイティブな人材が求められている。多様な人材を迎え、会社全体の活性化やブランディングにつなげていく方針だ。「1000年続く会社の礎を築き、文化的な会社を目指したい」と次代を見つめる。

  • 事業の特色写真
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ビジョン

「『おいしさで響きあおう』という企業理念を新たに定めた。その実現のための行動指針を『は・げ・あ・た・ま』に策定した」とユニークに語る濵田氏。お客様への納期を意識したスピーディーな対応や積極的な行動が同社の価値基準だ。「おいしさ」を通して同社の考える世界観や文化をお客様にお伝えし、社員が誇りに感じることのできる会社づくりを進めていく。商品開発の面では、贈り物としてのお醤油開発や素材のよさを組み合わせた食品プロデュースにも力を入れていく考えだ。

メッセージ

本店のあるこの小島地域を元気にできなければ、熊本市や県を盛り上げることはできない。自社の商売に加えて、若者によるクリエイティブな活動や店舗運営が盛んになれば地域活性化につながると考える濵田氏。2009年からは醤油蔵をメイン会場に小島の町並みや文化を活かした「蔵祭り」を実施。「蔵を大事にしながら次の時代につなげていきたい」と、その想いを語る。また若者を熊本に戻す取り組みとして熊本経済同友会の有志を中心に映画制作を検討している。「若者や熊本が元気になるような活動にしていきたい」と青写真を描いている。

 

創業200年を迎える熊本の醤油メーカー<濵田醤油㈱>

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