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クラウドやIoTソリューションで地元企業のビジネスの発展をサポートする。株式会社システムフォレストの富山社長

クラウドやIoTソリューションで地元企業のビジネスの発展をサポートする。株式会社システムフォレストの富山社長

富山孝治(とみやまこうじ):株式会社システムフォレスト・代表取締役。人吉市出身。福岡大学法学部法律学科を卒業後、熊本地場のシステム会社に入社。システムエンジニアとして官公庁向けのシステム開発に従事。その後通信系ベンチャー企業を経て、2004年2月有限会社システムフォレストを設立、代表取締役に就任。2007年12月株式会社システムフォレストに社名変更、現在に至る。

クラウドサービスで顧客のビジネスの成功を支援する

ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えて下さい。

富山孝治社長(以下、富山社長):クラウドソリューション事業とIoT/AIソリューション事業の2本柱で事業を展開しています。クラウドソリューション事業では、一次代理店としてクラウドサービスの導入から定着に向けた運用支援、システム開発を行うほか、業績向上や生産性向上のためのコンサルティングを行っています。取り扱っているのは、世界トップクラスの営業支援システム「Salesforce」をはじめ、「Evernote」「LINE WORKS」「Dropbox」など。2012年に「Salesforce」とVAR(付加価値再販業者)契約を、2015年には世界で2社目となる「Evernote Business」の販売代理店契約を締結しています。これまでに九州を中心として600社以上のお客様にクラウドサービスを導入していただきました。
また、これから力を入れていくのが、IoT/AIソリューション事業です。人手不足や後継者問題が顕著な第一次産業を中心に、IoTを活用した課題解決を支援しています。例えば、養豚場にセンサーを設置し、豚舎の状況をリアルタイムで把握。広大な敷地の中から水漏れなどのトラブルがあった場所をすぐに特定できるため、設備メンテナンスの効率が上がり、作業時間の短縮につながりました。ほかにも、八女の茶畑では、IoTを使って気象条件や土壌の状態などを数値化し、これまで経験や勘に頼っていた茶栽培の名人技をデータ化。生産者の高齢化や後継者不足の問題解決に寄与しています。

編集部:急成長していますね!

富山社長:クラウド事業を始めた2012年と比較すると、売上は17倍に伸び、直近の20年6月期では8億円。5年後には売上20億円を目指しています。18年に熊本県のリーディング育成企業に認定されたことで基準(10年間で20億円の売り上げ)を5年で達成しようと頑張っています。

編集部:組織のガバナンスも強化されているとか?

富山社長:親会社である「株式会社ウフル」が上場を目指しています。当社もそれに合わせて、ガバナンスを強化しています。現時点でも監査法人のチェックをうけるなどガバナンスが効いている組織運営を行っているので透明性のある会社だと思います。グループ企業として上場には、社内で認定資格者も増やさなければならないし、案件も獲得しないといけないし、社内のエンジニアの質をどうやって向上させていくか・・・などまだまだ課題は多いと感じています。

編集部:ブライト企業にも認定されていますね。

富山社長:16年にブライト企業に認定されましたし、19年には「テレワーク導入による女性活躍の推進」が評価され、ブライト企業賞を受賞しました。現在の従業員数は37名で、男女比は6:4。産前産後・育児休暇(取得率100%)、フレックスタイム制を導入など、社員が働きやすい環境を整えてきた成果だととらえています。その他、一般財団法人船井財団が主催する、社会への貢献が期待できる法人および個人を表彰する「グレートカンパニーアワード2018」において、特別賞を受賞させていただくなど、社外から評価される機会が増えているのはうれしい限りです。

プライム案件にこだわり、『CUSTOMER SUCCESS FIRST』を実現する

編集部:プライム案件にこだわられていらっしゃいますよね?

富山社長:2004年の創業当時は、下請けとして様々な企業から案件を受託するスタイルをとっていました。受注も徐々に増え経営も軌道に乗ってきた矢先のリーマンショック、企業からの依頼は完全にストップし、2期連続で赤字に陥ってしまいました。この時、下請けという立場の弱さを痛感したのです。自社で顧客を獲得しに行かなければと・・・・。
SEO対策を中心に、委託以外の事業も開始しましたが、「もっと大きな武器を持ちたい」と考えていた11年、東京で行われていたイベントでSalesforceの存在を知ったのです。すでにプログラムとして完成され、自分たちの手を加えなくても利用できる革新性に衝撃を受け、「これは企業にとって絶対にプラスになる」と確信し、12年にSalesforceのパートナーとなり、福岡にもオフィスを構え、販売体制を整えました。そんな折、派遣先の元請け業者に大切な社員を引き抜かれてしまいました。クラウド事業をスタートさせるにあたり必要不可欠な社員だっただけにショックでしたね。今後下請け仕事は一切引き受けないと決意したのです。

編集部:クラウド1本とは・・・よく決断できましたね。

富山社長:必死で営業しましたよ。2年目くらいから、ようやく売上も安定し、ギリギリの状態から脱却することができた。裏切られたときは怒りも悔しさも味わいました。でも会社をたたむ訳にはいかないし、社員を食べさせていかなければいけない。本当はもっと論理的に動かなければならないのかもしれないけど、感情で動いた結果が今のシステムフォレストにつながっていると信じています。あんな強烈な体験がなければ、思い切った業態転換は出来なかったと思います。私の決断についてきてくれて、クラウドのことを一生懸命勉強してくれた社員にも感謝しています。

編集部:『CUSTOMER SUCCESS FIRST(カスタマーサクセスファースト)』の意味するところは?

富山社長: 私は、システムやクラウドサービスは経営変革のためのツールだと思っています。『カスタマーサクセスファースト』は、ITツールを使ってお客様のビジネスがどう変わるか。つまり顧客のビジネスの成功を第一に考えることが私たちの使命だと思っています。

そのため組織体制も少し変わっていると思います。IT企業ですが、当社では営業部門やマーケティング部門に所属する社員が半数を占めています。また、エンジニアが所属しているシステム部門は、3つに細分化され、役割分担がはっきりと定められているのも特徴です。顧客から要望をヒアリングしながら基本設計をするメンバー、システム開発や実装するメンバー、そしてカスタマーサクセスマネージメント(CSM)と呼ばれる問い合わせ対応や顧客企業の社員へのクラウド教育など、サービスを長期間に渡って利用してもらうために欠かせない伴走者です。
ITツールは活用してもらわなければ導入した意味がありません。顧客とのコミュニケーションが図れていなかったりするだけで、プロジェクトが失敗してしまうこともあります。だから手間暇かけることを怠らず、非効率の中から生まれる感動を大切にしたい。水鳥のように優雅に泳いでいるように見えても、実は水面下で必死に足を動かしている・・・、システムフォレストはそんな会社だと思います。

『IT×地方創生』で地域貢献を目指す

編集部: 人吉は大変でしたね・・・

富山社長:今は水害の対応に追われています。平日は行政と協力しながら被災者管理のシステム構築を行い、土日は被災地のボランティアに参加しています。人吉で創業して以来16年、ようやく恩返しができているかなと思っています。それ以外にも、人吉では「osoto Hitoyoshi(くまりばコワーキングスペース)」の運営支援なども行っていて、行政と連携した地域活性化に取り組んでいます。

当社は、地域密着型サポートにこだわっています。企業側のデジタル経営、DXなど、ITの力で地元企業の変革をお手伝いしたいという想いが強く、今年はより一層そのことを意識してやっていきたいですね。『IT×地方創生』、全く違うことのように思えて、やってみるとシナジーを感じます。地元企業が成功することで、経済の好循環と雇用を創出し、地方を輝かせていきたいですね。

編集部:求める人物像を教えてください。

富山社長:『カスタマーサクセスファースト』をミッションに掲げていますので、お客様のことをどれだけ考えてくれるかがすごく大事になってきます。そのため、「オレがオレが」と主張する人よりも、お客様のことを思いやれる人は、たとえスキルがなくても入社してもらうことが多いです。また10のCoreValue(価値感)のもとに企業活動を行っていますので、『カスタマーサクセスファースト』とあわせて、共感いただける方に入社していただきたいと思っています。

また、「1-1-1モデル」を導入し、社会貢献活動を行っています。これは、製品の1%、株式の1%、就業時間の1%を使って行う社会貢献モデルのことで、当社は、就業時間の1%を使って各団体に向けたクラウド導入支援に取り組んでいます。当社で働く社員には、心から地域のことを好きであってほしいですね。

編集部:地方創生に力を注ぐということですか?

富山社長:私はこの会社を正しい後継者に正しく引き継いでいきたいと思っています。社内からでも社外からでも、社員みんなが納得できる人がいいですね。
当社はミドルマネージャーがいなくて、若い世代の人たちと、私くらいの世代の人たちで構成されているので、早い段階で若い人たちがキャリアアップしていかなければならない。そこは意識しています。つまり、みんなが経営幹部になり得るチャンスがあるということです。会社をリーディングしていける人がいれば、任せたいという気持ちが強いですね。この会社で働きたいという一生懸命さを持っていてくれればうれしいです。

また、我々の役割は、当社の発展だけでなく、熊本のIT市場の開拓だと考えています。熊本県内のほかのIT企業さんとも協力して、啓蒙活動や導入事例を増やしていって、クラウドやIoTのことを知ってもらいたい。世の中はどんどん変わってきているので、その中で当社がどう存在意義を出していくか、しっかり考えていきたいと思っています。

クラウドやIoTソリューションで地元企業のビジネスの発展をサポートする。株式会社システムフォレストの富山社長

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