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国内トップシェアを誇る救急絆創膏のOEMメーカー さらなる海外展開で高みを目指す 阿蘇製薬株式会社の久木社長

国内トップシェアを誇る救急絆創膏のOEMメーカー さらなる海外展開で高みを目指す 阿蘇製薬株式会社の久木社長

久木康裕(くきやすひろ):阿蘇製薬株式会社・代表取締役社長。熊本市出身。アメリカ・ニューベリー大学卒業後、2000年12月に現職就任。趣味はゴルフ。好きな本は「史跡・城郭・戦国武将に関する書籍」。座右の銘は「人は城、人は石垣」。

全責任をもって成長を推し進める

ココクマ編集部(以下、編集部)救急絆創膏の分野では国内生産量のトップシェアだと伺っています。

久木康裕社長(以下、久木社長)ありがとうございます。OEMメーカーとして表舞台に出ることは少ないですが、絆創膏の国内メーカーとして有数の地位を占めています。当社は1950年に外用薬「デルモーゲン」を主力製品として設立しました。医療衛生用品の総合メーカーとして、国内外に4つの生産拠点を有し、30カ国以上で製品を販売しています。

国内販売部門では、ドラッグストアやコンビニ、量販店向けに相手先ブランド商品のOEM供給や自社ブランド商品を販売。売上全体の約40%を占める絆創膏と共に、主力商品として期待されてきたのがハイドロコロイド製品「クイックパッド」です。2008年の販売開始以来、シェアの伸びが堅調で、売上の17%を占めるに至りました。

生産部門の大きな特徴として、各種製品をつくる製造機械をグループ会社・阿蘇精機㈱にて開発・製作しています。オリジナルのデザイン・設計・製造を通して、ユーザーや販売先のニーズにより細かく対応した商品製造を行い、研究開発を基盤に製品の幅を広げていく方針です。

編集部 本社工場の移転も進められているとか・・・。

久木社長 熊本地震を機に菊池市泗水町の田島工業団地内に新設移転、新しいシンボリックな製造拠点として生まれ変わります。敷地面積は約4万2千㎡、工場2棟と事務管理棟を建設の予定です。交通アクセスが良いことに加え、製造ラインも最新設備を導入する予定ですので、生産効率も飛躍的に向上するのではないかと期待しています。来年には着工し、2020年の稼働を目指しています。

実は私事ですが、2014年3月に先代社長である父が亡くなりまして・・・。晩年は事業に直接関わってはいませんでしたが、父が亡くなったことで改めて、私の仕事に対する感覚や責任の持ちように大きな変化がありました。これまで父がいたことでできなかったことも、100%自分の思い通りにやれるようになった反面、何があっても全て自分の責任であると、再認識したのです。

当社がこれから先の時代も生き残り、成長していくためには今以上のものを創っていく必要があります。本社工場の移転もその一つ。改めて社長として全責任をもって、推し進めたい心構えです。今後5年で総売上を3割程度増やしたいと考えています。

熊本の阿蘇製薬として海外へ

編集部 いち早く海外に目を向けられましたよね。

久木社長 「日本で製造した商品を海外でも本格的に販売したい」との思いから、1991年に米国フロリダ工場を開設、その後フィリピン・セブ、メキシコに工場を開設しました。海外に生産拠点を持つことにより、「外国とのタイムリーな情報交換」「海外進出のノウハウ獲得」「生産拠点の分散化による天災リスクの軽減」というメリットが生まれました。また、日本で製造できない商品は海外で、海外で製造できない商品は日本で製造するというように、国内と海外拠点の相互補完的な効果にも繋がりました。

今後は、人口減少等の影響で日本市場のシュリンクは目に見えていますので、これから益々海外戦略に力を入れることになるかと思います。アジア・北米・欧州の三極体制で新たな海外事業展開を構想しています。世界中に展開している阿蘇製薬グループの総合力とグループ内競争により、世の中から必要とされる会社に成長していきたいと考えています。

編集部 新商品の開発についてはいかがですか?

久木社長 一つの山を高くするには、まずすそ野を広げることが必要であると思っています。新市場・新分野の開拓、新商品の開発に注力し、すそ野を広げることにスピード感をもって取り組んできました。衛生材関連・医療関連という軸から大きく離れることはありませんが、その中で新しい事業を立ち上げるべく部署を設立したり、人材を採用したりと体制を強化しています。新商品の開発に関しては、当社がメインで展開している絆創膏以外の「肌に貼るもの」で幅が拡げられないかと・・・。まだ花は開いていませんが、来年の1~2月頃には成果が出てくるのではと期待しています。

会社の変化を社員にも感じて欲しい

編集部 社長の熱量に対し社員のみなさんの反応はいかがですか?

久木社長 社員のモチベーションアップに繋げたい反面、口だけで言ってもなかなか伝わらない現状はあります。会社として本気で変わって行くということをきちんと見せて行くことが必要です。例えば、先日4年がかりで自社開発した製造機械を製造ラインに設置しました。前々から社員にも発信していましたが、実際社員も目の当たりにすることで会社の変化や本気度を感じ取ってもらえる出来事だったと思います。

機械も当然大切ですが、何事も成し遂げるには、やはり「人」です。新しい部署を作ったことによって社員も「次の展開はどうなるんだろう」とわくわくしてくれる部分もあるでしょうし、なるべく会社の変化が見えるように、一歩一歩進んでいる過程を見せていきたいですね。

編集部 求める人材像を教えてください。

久木社長 ベースには元気の良さ、コミュニケーション能力のある人が良いですね。当社の社員160名と仕事を共にしていく上で、仲間とのコミュニケーションが取れることが社会人として大切なスキルだと考えます。また今後、新市場への進出、新商品の開発にも注力していきますので、創造力のある人や、私たちが持っていない知識やスキルを持っている人は大歓迎です。営業に関しては阿蘇製薬の既存の商品に染まっていないまっさらな人も良いですね。

社内では、私の方から積極的にコミュニケーションをとっています。会社全体での意思疎通を深めていきながら、提案や行動がしやすい雰囲気づくりを進めています。会社一丸となり、「商品を作る力、売る力、市場ニーズをつかむ力」をバランスよく高め、国内の基盤強化と海外進出を進めていきます。

編集部 趣味を教えてください。

久木社長 ゴルフですね。最近は忙しくて回数は減っていますが、それでも月に2回は行っています。社員から誘われることが多く、ほぼ社員と行ってますね。ただ最近は結婚したり子供が生まれたりと、若干誘ってくれる社員が減ったかなと・・・。喜ばしい反面、少し寂しいですね(笑)。

最近は若手の出産も多く、この2か月で4人の社員から嬉しい報告を聞きました。工場では女性社員が多いのですが、産休後に復帰してくれる社員も増え嬉しい限りです。社員が働きやすい環境づくりを今後も行っていきたいですね。

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