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目指すは『熊本で最も給料が高く、最も休みが多く、労働時間が短い会社』。 価格競争力を高め、事業をより成長させながら社員の幸福度を追求する株式会社エムロードの三角社長

目指すは『熊本で最も給料が高く、最も休みが多く、労働時間が短い会社』。 価格競争力を高め、事業をより成長させながら社員の幸福度を追求する株式会社エムロードの三角社長

三角雄介(みすみゆうすけ):株式会社エムロード・代表取締役社長。1976年12月生まれ。熊本県熊本市出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、日石三菱株式会社(現在のENEOS株式会社)へ入社。2006年7月株式会社エムロード社長室長として入社。2009年6月代表取締役副社長、2019年3月代表取締役社長就任。

多角化による「トータルカーライフサポート事業」で着実に成長。

ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えてください。

三角雄介社長(以下、三角社長):ENEOSのガソリンスタンド運営を中心に、整備工場・鈑金工場・自動車販売など石油製品と自動車に関する事業をメインに行っています。
組織としては5事業部で構成されており、売り上げ規模が最も大きいのがSS事業部です。SS事業部はENEOSのSS(サービスステーション)を熊本県内に17店舗を運営し、熊本県下にあるENEOSの特約店の中で、店舗数はトップとなっています。
2つ目がカービジネス部。新車・中古車販売店舗「カーリンク」を1店舗、鈑金塗装を行う「カーバンケンズ」鈑金工場を1店舗運営。車の買取・販売、個人・法人向けカーリース、損害保険(自動車保険、火災保険など)や各種生命保険を取り扱っています。
3つ目が販売部。販売課と直売課があり、販売課では熊本県内約40カ所の系列販売店様にガソリン・石油製品を卸しています。この販売店数は熊本県のENEOS特約店の中でトップです。直売課は官公庁・法人・工場・大学・病院・ゴルフ場などに燃料や潤滑油などを直接販売しています。
4つ目が不動産や有価証券などを活用して財務を強化することを目的とした財務・投資部、5つ目が総務や経理、人事を担当する管理部となっています。

これまで熊本に根付き、熊本県内で事業を展開してきましたが、福岡への進出も開始しました。社員の一人が福岡へ移住したのをきっかけに、その社員の営業力を活かして福岡でも事業展開していこうと、2025年4月に福岡支店をオープンします。これを皮切りに、事業エリアも少しずつ広げていく予定です。

編集部:2027年に創業120年を迎えますね。

三角社長:明治40年に富合で雑貨屋を営んでいたのが当社のスタートです(記録があるのがこのあたりからなので、それ以前も商売をしていたかもしれません…)。当時は米穀・肥料・呉服・雑貨・植物油など暮らしに必要なものを販売していたようです。そこから三角(現在の宇城市)に移動して、船用の油も販売を開始、一時期は映画館なども運営していたそうです。祖父の代あたりから自動車が走り始め、時代のニーズにあわせてガソリンスタンドを展開してきた、という歴史です。1999年、当社(当時:三角石油株式会社)はくまもと日石株式会社と経営統合。社名を株式会社エムロードとし、熊本県最大の石油販売会社として新たなスタートを切りました。

編集部:業界の現状と、その中で取り組まれたことなどを教えてください。

三角社長:ガソリンスタンド数は1994年の60,421か所でピークを迎えました。そこから少子高齢化やハイブリッド車の台頭などによる燃費の向上、消防法の改正によるコスト負担の増などにより、2023年度末には27,414か所と、ピーク時の半分以下まで減少しています。

業界としては右肩下がりの中、当社は地域に密着し、ガソリン販売を中心に車の販売事業や鈑金業、保険事業など「トータルカーライフサポート」で経営を多角化し、次代を見据えてガソリンスタンドの大型化、セルフ化にも取り組んだことで成長を続けてきました。ですが、厳しくなる環境の中で、この先は更なる価格競争ができる基盤がないと勝ち抜くことができません。そのためにも価格競争に耐えうる会社を作ることが必須です。そこで石油関連以外の大きな収益の柱をつくろうと、6年前に財務・投資部を立ち上げて、不動産投資を中心とした財務基盤の強化を始めました。

ガソリンスタンド事業の競争力強化のため、不動産事業に進出。安定収益を確保し、さらなる成長へ。

編集部:これまでとは全く違う分野ですね。なぜ不動産事業に?

三角社長:石油業界はより厳しくなっていくことが想定されるため、既存事業を補うローリスクの事業を探していました。その中で、人手がかからず、リスクが低い事業を、という観点から始めたのが不動産投資でした。話題の高層マンションなどではなく、安定収益を確実に生む不動産物件(アパートなど)が中心です。ただ、不動産事業はあくまでも「手段」ですので、既存事業を補うローリスクであればこだわりはありません。

編集部:安定収益を確保し、既存事業を成長させていくということですね。

三角社長:不動産事業による安定収益により、ガソリンスタンドの価格競争力を高めながら、事業全体を変革させ、成長させることに楽しさを感じているところです。

また、ガソリン価格以外の要素としては、立地・店舗の清潔さ・社員教育が大事です。特に社員教育には力を入れ、危険物取扱資格は当然ながら、自動車整備士資格の取得を推奨し、社内で勉強会を実施。資格取得者には手当を支給し、キャリアアップの機会を提供しています。
社員の多能工化を進め、様々な業務に対応できる体制も構築しているところで、これにより人事異動の柔軟性が高まり、事業全体の効率化へとつながっています。

「代々続く老舗企業」の未来。「楽しい会社」を作っていきます。

編集部:「代々続く老舗企業」への思いをお聞かせください。

三角社長:私は幼い時から「あなたは会社を継ぐんだから」と言われ、それが当然のことと思って育ちました。小学校の卒業アルバムにも「社長になったら、世界一のガソリンスタンドにする」と書いていたんですよ。でも20歳頃にそれを見返した時に「自分の意思ではなく周りの期待に沿っているだけなのでは」と思うようになりました。大学時代、周囲が自由に就職活動をする中、自分の進路が決まっていることに違和感を覚え、ENEOS株式会社の東京本社に入社するも「なぜ自分で人生を選べないのか」と葛藤しましたね。
ENEOSに6年3か月勤務後、熊本に戻り、エムロードに入社しました。当初はモチベーションも沸かず、仕事を淡々とこなす毎日。次第に業務も忙しくなり、多くの社員と仕事を共にする中で頑張る社員の姿を見て「自分も頑張らなければ」と意識は変化。こうして頑張ってくれる社員のおかげでこの会社の成長があるんだということに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そうなると、「楽しく生きたい」という、私の本来の価値観が開花。経営にも主体的に関わるようになり、社員への思いや接し方も変わりました。
私はたまたまこの家に生まれ、恵まれた立場にいるだけ、ということを改めて自覚し、社員のためにお金を使うべきだと考えるようになりました。
私の現在のテーマは「社員をいかに裕福にできるか」。そして目標は「楽しい会社を作ること」です。

編集部:「楽しい会社」とは、具体的にどんな会社ですか?

三角社長:「単純に楽しい」「風通しが良い」ということだけでなく、仕事でも達成感を味わえるような会社ですね。私は本気で『熊本で最も給料が高く、最も休みが多く、労働時間が短い会社』にしたいと考えています。そのためには考えてほしいのです。どうしたら給与が上がるのか?休みが増えるのか?既成概念にとらわれず、考えチャレンジした結果、自分たちで勝ち取るのです。そのために会社としては内部留保を増やすことよりも、利益をできるだけ社員に還元しようと考えています。これから50年・100年続く会社を創ることも大切ですが、いま頑張ってくれている社員が出した利益を、いまの社員に還元して、みんなを豊かにしたいのです。

頑張る社員たちが豊かに・幸せになることが私のミッション。

編集部:具体的な目標や取り組みなどを教えてください。

三角社長:社員の年収を1.5倍にし、熊本でトップクラスの給与水準に、と考えています。同時に、ガソリンスタンドの働き方を見直し、より魅力的な職場にするための改革を考えているところです。「夏は暑い・冬は寒い・汚れる外の仕事」を、“仕方ない”では片付けたくない。そもそもそんな概念を変える必要があると思っています。
そのためにも社員それぞれにアイディアを出して欲しいです。「ガソリンスタンドの仕事とはそもそもこういうもの」みたいな誰が考えたのか分からない昔からある既成概念はいらないので、皆で新しい価値観や働き方を作っていきたいです。それこそがまさに私のイメージする「楽しい会社」だと思います。
社員と皆で作ったエムロードオリジナルの働き方で労働環境を向上させるとともに、給与も上げることで優秀な人材を集めることができると考えています。

当社は熊本でいち早く店休日を導入したり、ノーサービスデーと当社で呼んでいるサービスをミニマム化することで出社人数を絞って営業を行う日を設け、従業員が休める仕組みを構築してきました。その一方で、12月30・31日は本社も総出でガソリンスタンドを手伝う慣習があり、多くの方が洗車をされるいちばんの繁忙期を全社員一緒に手がけることで達成感や私たちの事業の意義を感じてきました。大切なことではありますが、それがほんとうに正しいのか、社員やその家族にとって幸せなのか?とも思っており、将来的には年末年始に全員が休める会社にしたいという我々の業界では普通考えられないことにも挑戦したいと思っています。
最終的な目標は、ガソリンスタンド業界では有り得ない、最需要期の年末から年始にかけて社員の家族もつれてみんなでハワイに行けるような会社にすること(笑)。単なる労働の達成感ではなく、チャレンジする楽しさを社員と共有していく風土でありたいのです。
「そんなことをして失敗したらどうするのか」という声もありますが、挑戦して、もしダメなら戻せばいい。挑戦しないままあきらめることはしたくありません。やるリスクとやらないリスクを天秤にかけて良い方を選択することが大事だと思っています。目指すは「自分の子供を入れたいと思える自慢できる会社」。10年後を見据えた新しい仕組みを社員と一緒につくっていきます。
私個人としては「我が生涯に一片の悔いなし」と最期に言える人生にしたいですね。

目指すは『熊本で最も給料が高く、最も休みが多く、労働時間が短い会社』。 価格競争力を高め、事業をより成長させながら社員の幸福度を追求する株式会社エムロードの三角社長

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