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失敗を恐れず、やりたいときにやる方が悔いはない。24歳で化粧品通販に挑戦する。 株式会社revenの澤村社長

失敗を恐れず、やりたいときにやる方が悔いはない。24歳で化粧品通販に挑戦する。 株式会社revenの澤村社長

澤村俊哉(さわむらしゅんや):株式会社reven(レーヴン)・代表取締役。熊本市出身。2015年立命館アジア太平洋大学に入学。2017年1月個人事業主としてGENSOを創業し、デザイン事業、ホームページ制作事業を手掛ける。2020年6月株式会社revenを設立し、代表取締役に就任。同年9月大学を卒業、現在に至る。

2020年10月化粧品事業を開始

ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えて下さい。

澤村俊哉社長(以下、澤村社長):大学在学中の2017年から、個人事業主としてデザインやWeb開発などに携わってきました。「固定的な概念や先入観はすべて捨てる。世界のあらゆる考え方や意見を取り入れつつ、デザインとマーケティングを駆使して、新たな価値創造を。」というビジョンを持って、今年6月に会社を設立。行政関連、学校法人、監査法人、中小企業など、案件の取引先は多岐に渡り、顧客に寄り添うことを強みとして、チラシやWebデザインの受託制作を行っています。

また、10月には化粧品ブランド「BAGUE(バーグ)」を立ち上げ、化粧品事業に参入しました。「BAGUE」のブランドコンセプトは、「自分らしさを失わず、自由に生きる」。人種や性別、文化やこれまでの偏った価値観にとらわれることのない、新しい美容文化の創造を目指しています。

編集部:なぜ化粧品事業に?

澤村社長高校生の頃、肌荒れをしたことがきっかけでスキンケアをするようになり、姉の勧めで韓国のスキンケア化粧品を使用してみるなど、以前から興味は持っていました。化粧品を使うことによって、美意識が高まり、気持ちの面からも美しくなれるという良さがある反面、お金も時間もかかって大変だということに気づきました。ここで言う「時間」には、単純に化粧品を使う時間に加えて、化粧品に対する情報収集の時間も含まれます。そこで、自分が得た情報や知識を共有することで、少しでも誰かの役に立てるのではないかと思ったことが、化粧品ブランドを始めたきっかけの一つですね。

編集部:商品の特徴を教えてください。

澤村社長 現在、商品ラインアップは化粧水と乳液の2種類で、自社のECサイトで販売しています。性別を問わず使えるようにシンプルなデザインのボトルを採用。無香料、無着色、アルコールフリーで、天然由来成分にもこだわって独自に配合しています。さっぱりとした使い心地で、使用後はベタつきません。私自身、スキンケアをしたあとに手がベタつくことが嫌いで、使用感にもこだわりました。また、商品のコンセプトは「肌あれ防止スキンケア」です。素肌をきれいにする、それによって自分に自信がつく、それが毎日の生活の活力につながる・・・内側から元気のみなぎる人になってもらいたいという想いで作りました。

また、日本人はもちろん、ハーフやクオーターの方、外国人の方など、人種や性別を問わず多くの方に使って頂きたいですね。今は化粧水と乳液の2商品だけですが、いずれはラインアップも増やしていきたいと思っています。

2人のメンターとの出会いが起業へのスイッチとなる

編集部:外国人の方もターゲットにしたのはなぜですか?

澤村社長学生時代から外国人の方との交流は多かったと思います。姉が韓国好きで、韓国人の友人をよく自宅に招いていましたので、両親を含めた家族ぐるみで国際交流をしていました。また、進学も必由館高校の国際コースから、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)に進みました。APUは、学生の半数近くを国際学生が占め、教員も約半数が外国籍という多文化共生キャンパスです。大学での多くの出会いも、今の自分に大きな影響を与えています。

APUでは、何か一つでも大学に還元したいと思い、コスメの専門サークルを立ち上げ、多いときには50人規模の大きなサークルに成長させました。「コスメ」を選んだのは、この頃から漠然と化粧品事業をやってみたいと思っていたからです。コスメサークルを立ち上げることで知識が深められ自分自身のプラスになると思った一方で、美容について情報共有する場ができることで、サークルの仲間にとってもプラスになるかもしれないと思いました。

サークルを立ち上げて気づいたことが大きく2つ。まず1つ目に、サークルへの勧誘活動をしていると、女性は好意的に受け入れてくれたのですが、男性はコスメと言うと遠慮しがちで、サークルにもなかなか興味を持ってもらえず、「美容は女性のためのもの」だという価値観が植え付けられていると感じたことです。2つ目に、外国人にもそれぞれ肌悩みがあって、肌質や肌の色の違いに対して悲観的に感じている人が多く、その肌悩みをメイクなどで隠している人が多いこと。私個人的には、美容は性別を超えたものだと思いますし、美容は隠すためではなくて、個人の美を引き出すものだと思っているので、違和感を覚えました。2つの価値観を変えたいという想いがあったので、「BAGUE」のブランドコンセプトに「らしさ」や「自由」というメッセージを込めました。

編集部:大学以外でも積極的に活動されていたそうですね?

澤村社長大学入学当初から起業したいという気持ちはありました。その頃に、知り合った1歳年上の先輩が在学中にカクトク株式会社という営業特化型クラウドソーシングの運営会社を起業し、私も立ち上げのタイミングでWebのフレームワークを作るお手伝いをさせて頂きました。その参画がきっかけで、自分の起業に対する思いも高まったと思います。

また、その先輩の紹介で、大分県指定創業支援施設「アライアンスタワーZ」のことを知り、ビル内にあるシェアオフィスに通うようになりました。大学1年生の夏のことです。そこには、様々な業界の起業家たちがいて、それぞれが思いを持って事業をやられていました。シェアオフィスの会員同士でよく飲みにもいき、語り合う時間も楽しいものでした。シェアオフィスには、長年起業創業支援に携わるインキュベーションマネージャーの方が常駐していて、相談に乗ってもらったりアドバイスを頂いたり、一人で仕事をしていても一人じゃないという感覚になるような良い環境でした。年齢の近い起業家の先輩とマネージャーは私にとってのメンターで、お二人との出会いがあったからこそ、在学中の起業を決断できたのです。

ブランド認知度と顧客満足度を高める

編集部: 就職するという選択肢はありませんでしたか?

澤村社長そうですね・・・でも両親には反対されましたよ(笑)起業することに対して、「なぜ今なのか?」という話には何度もなりました。でも、「今だからこそやりたい」という気持ちがあって。24歳の今、チャレンジしてたとえ失敗しても30代40代でもう一度チャレンジできるのではないかと考えました。最初から失敗することを考えているなんて・・・と思われるかもしれませんが、失敗しても立ち上がれる計画を考えておきたかったのです。

コスメ商品の準備は大変で、アイディアから製品化まで2年以上かかりました。その間は1円にもならないわけですが、この期間折れずにやってこれたのは、パッションがあったからだと思っています。ただ、お金を稼ぐためだけではなく、楽しいからやっていたので一度も辞めようと思ったことはありませんでした。もしこれで失敗しても身に付いたことはたくさんありますし、得たものは計り知れないなと。起業家としては失格かもしれませんが(笑)

編集部:今後の事業展開は?

澤村社長まずはブランドの認知度を上げていきたいです。一からブランドを立ち上げる際の最大の課題だと感じています。広告を見ただけでは、全く知らないブランドの商品を買ってみようとは思いません。購買意欲を高めるためには、ブランドの認知度を高めることや、口コミを増やしていくことが必要です。自社サイトの充実や、SNSを利用した情報発信などでファンを増やしていきたいと思います。

ブランドを好きになってくれた方、購入してくれた方にお返しできるような方法も考えています。現在、自社ECサイトでは、実店舗レベルの接客を提供するため、美容部員による1回15分の無料オンライン美容相談を行っています。化粧品は、売り手と買い手との間に情報の非対称性が起こりやすい分野です。特にオンラインでは、お客様による一方的な買い物になりやすいため、商品や美容に関する相談ができる機会になればと思いサービスを開始しました。また、肌悩みは、なかなか尽きることがありません。いずれは、市場全体ではなく、当社の商品を使ってくれている方々の悩みに合わせた商品を販売したいと考えています。アンケートをとるなどして、ご利用頂ける方々の課題をもっと的確に解決できるような形で提供できたらいいですね。利用者の満足度を高めていきたいです。

また、海外への思いはやはり強く、いずれは海外進出を視野に入れています。学生時代にアジア、オセアニア、ヨーロッパなど15か国へ行った際、小さな経済規模の国であっても楽しそうに商売をされている様子が印象的で、日本に比べて自由度が高いと感じました。海外のような自由な環境で仕事をしてみたいという気持ちがあります。一方で、日本にはまだまだ「社会に馴染んでいる方がよい」という価値観があるように思えます。そういった意味では、起業家はまだまだ異端児です。もっと「らしく」生きていいのではないか。日本人に対しても、ブランドコンセプトを通して「自分らしさを失わず、自由に生きること」を伝えていきたいですし、共感してくれる方がいたらうれしいです。1人の声は小さくても、複数集まれば大きな声になると思うので。ブランドを通して、多くの方の価値観を変えていきたいです。

失敗を恐れず、やりたいときにやる方が悔いはない。24歳で化粧品通販に挑戦する。 株式会社revenの澤村社長

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