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グループ経営理念に「安らぎの創造」を掲げ、次のステージに挑戦するキューネットグループの西川CEO

グループ経営理念に「安らぎの創造」を掲げ、次のステージに挑戦するキューネットグループの西川CEO

西川尚希(にしかわなおき):株式会社キューネット・代表取締役CEO。熊本市出身。カリフォルニア・ルーセラン大学卒業後、2002年に同社入社。2004年7月に代表取締役社長、2025年6月より代表取締役CEOに就任。

「安心・安全」、さらに「安らぎ」を提供する企業を目指す

ココクマ編集部(以下、編集部):キューネットグループの組織体制が大きく変わったと伺いました。まずは、その背景から教えていただけますか?

西川尚希CEO(以下、西川CEO):「安らぎの創造」という新たな経営理念を掲げ、事業のフィールドを拡げるとともに、私自身はグループ全体の経営に注力していく考えです。

株式会社キューネットは1971年に創業した九州警備保障から、機械警備部門が分社し1998年に誕生した会社です。以来、熊本県内を中心にトータルセキュリティーサービスを提供し、熊本県内での導入実績は常にNo.1を獲得してきました。これもお客様を担当する警備員の定期的な訪問や警備対処があった際にお客様にご説明を行う翌日訪問など、顔と顔を合わせたコミュニケーションを大切にしてきたことで、地域の信頼を積み重ねてきた結果だと考えています。ここまでやってこられたのはお客様、取引先、社員とそのご家族など、多くの方に支えられてきたからだと感謝しています。

また、熊本地震を経験し、電気・水道といったインフラが失われ、日常の暮らしがどれだけ脆いものかを思い知らされました。あの時、私たちの警備員が誰よりも早く現場に駆けつけた際には、皆さんから「あなたたちがいてくれてよかった。ありがとう」と言われた経験は、今も強く心に残っています。その時に、私たちが提供しているのは、単なる警備ではなく、地域の心を支える仕事であることを実感した瞬間でもありました。

編集部:地震の時は、何気ない日常生活の大切さに気づかれたのですね。

西川CEO:そうなんです。地震以来「警備業にとどまらず、私たちの仕事を通じて多くの人に『安らぎ』を感じていただけるような、そんな世の中をつくる企業に生まれ変わりたい」と考えていました。私が社長に就任して20年、そして会社が50周年を迎えた節目のタイミングで、あらためてこれからの私たちのあり方を考え、大きな決断に至ったわけです。

キューネットの社長は稲葉に任せ、お客様や社員のために、これまで通り一生懸命働いてもらい、私は「安らぎの創造」という新たな経営理念のもと、グループ経営に注力し事業を広げていきたいと考えています。

編集部:キューネットグループとは?

西川CEO:交通誘導警備と雑踏警備を行う九州警備保障(株)のほか、東京でも事業を行っています。タワーマンションにおけるコンシェルジュサービスを展開している(株)クオリティライフ・コンシェルジュや家事代行サービスを行う(株)シェヴなどがあります。クオリティライフ・コンシェルジュは関東を中心に約400棟のタワーマンションなどでコンシェルジュサービスを提供しています。ご要望によりミニショップやカフェなども運営しております。衣食住の「安心・安全」、あるいは「安らぎ」を感じられる空間づくりを東京でもすでに始めています。

また、グループ会社の総力を結集し、マンション内警備や家事代行サービス、家財保管サービスなど、生活にかかわる種々のサービス事業に領域を広げています。これからも歩み続けマンションライフはもちろんのこと、人が集うオフィスビル、商業施設などの資産価値の向上と過ごしやすさを高めるためのサービスを開発していきたいと考えています。

次の50年に向けて新たな一歩を踏み出すキューネットグループ

編集部:「安らぎ創造計画」とは?

西川CEO:「安らぎ創造計画」とは、警備にとどまらず、私たちが地域社会にどのように価値を提供できるかを考えたプロジェクトです。経営理念実現に向けて社会課題を解決する新しい事業づくりに挑戦していきたいと考えています。

編集部:もう少し具体的に教えてください。

西川CEO:大きく3つのことに取り組んでいます。1つ目は「安心カメラプロジェクト」です。これまでお客様毎に提供してきたオーダーメイドの安心サービスのノウハウを、自治体や地域社会全体へ広域展開することを目指しています。2019年からスタートし地域住民や行政と協力して、防犯カメラ設置台数の増加を通じて災害時の状況把握や犯罪抑止力の向上につなげる取り組みで、熊本市帯山地区では意見交換会やハザードマップ作成を経て自社資金で8台の防犯カメラを設置しました。さらには2020年から菊陽町内の鉄道駅にもクラウド型防犯カメラを設置し、遠隔監視や効率的なデータ管理を実現しています。今後は収集した映像データの解析による異常予兆検知など、最新技術を活用した安全安心な街づくりに貢献したい考えです。キューネットが管理する約8,000件の警備先も地域インフラの一部と捉え、自治体だけでなくお客様と連携してカメラネットワークを広げることで、熊本全体を見守る仕組み作りを進めていきたい考えです。
2つ目はグループとしての取組みでもある「一人ひとりが活躍できる社会の実現」です。障がいを持つ方々にも展開し、活躍できる雇用の場を創出するプロジェクトを計画しています。私たちも企業規模が大きくなり社会的責任を果たすステージに来たと思っています。働く場所があることで、本人も家族も安心できる。それもまた、安らぎと思います。
3つ目は「ペロブスカイト太陽電池」、「蓄電池」の活用にも注目しています。これは、塗るだけで設置できる次世代の太陽電池で、地域のエネルギー問題に貢献できる可能性があります。これまで築いてきたお客様との繋がりを基盤として、多様な建物へサービス提供ができますし、長年にわたり蓄積してきたビルメンテナンスの知識や技術を活かし、施工からメンテナンスまで一貫した対応ができます。今は構想段階であっても、その芽を絶やさずに育てていきたいと考えています。私たちは常に新しいことを学び、挑戦し続けます。

「安らぎ」は場所でもモノでもなく、人の営みの中にあるものです。だからこそ、あらゆる事業の中心に「人」が存在する。その哲学を軸に、キューネットグループは次の50年に向けて新たな一歩を踏み出しています。

人材に関する話や組織風土、西川CEOの想い

編集部:「ミライブ プロジェクト」とは何ですか?

西川CEO:「ミライブ プロジェクト」とは、「家族の未来」と「街の未来」を守ることを目指すプロジェクトです。具体的には、警備やセキュリティのサービスを通じて、地域に住む人々が安心して生活し、生涯にわたって活躍できる環境を整えることを目的としています。これらを達成することで、人々の心に「安らぎ」を届けることを目指しています。

編集部:TVCMの働き方もその一環ですか?

西川CEO:そうですね。彼は10年以上勤務していた社員で、営業も管理もできるスタッフでした。ある日「実家の農業を継がなければならない、会社は好きだけど辞めざるを得ない」と相談がありました。しかも、その集落には高齢者しかおらず、お父さんが最後の一人という状況だったんですね。本人や地域の事情も分かるし、であれば「半分は農業、半分は警備の仕事」という仕組みをつくるのでやってみないかと提案しました。

その他にも、社員の多様な生き方を尊重するため、地域の事情に応じた柔軟な勤務体系も積極的に導入しています。特に、阿蘇や水俣、天草などの過疎地域では、警備専属スタッフの地元採用、常駐警備と機械警備とのハイブリッドな働き方、本社からの応援体制の強化など、持続可能な働き方を模索しています。これにより、地元での雇用維持とサービス提供の両立が可能になりました。ダブルワークや二拠点勤務といった柔軟な働き方も、地域を守る企業だからこそできる選択肢だと思っています。

編集部:働き方改革への取り組みは、何かありますか?

西川CEO:4年前から従業員満足度を数値化するeNPSを導入し、社員の声に真摯に向き合ってきました。この3年間で7回の賃上げを実施し、今では定着率も大幅に改善しました。教育面でも、現場リーダーを中心とした育成体制を整え、若手の定着と成長を支えています。新人向けには、勤務時間の一部を自己研鑽に充てる制度も導入しています。さらに、警察OBによるメンター制度も設け、業務だけでなく私生活の相談にも対応できる環境をつくっています。

また、表彰制度や職場単位での評価も行い、現場で頑張っている社員のモチベーション向上を図っています。現場主導で進められているこの取り組みは、現場と経営層の距離を縮める効果もあり、社員の一体感を生み出しています。

私たちのビジネスは、単なる警備にとどまりません。「安らぎ」を創造するという大きなビジョンのもと、地域社会に貢献する多彩なフィールドがあります。自分らしい働き方を実現しながら、人の役に立ちたいという想いを持つ方と、ぜひ一緒にこの未来を築いていきたいと思っています。

編集部:これからのキューネットグループが求める人物像について教えてください。

西川CEO:第一に「幸動力」。自分の幸せを追求するために他人の幸せを想い行動がとれる人。私たちの仕事は、決して派手ではありません。でも、地域の方々の暮らしを支え、安心を届ける重要な仕事です。「ありがとう」と言ってもらえるその瞬間に、やりがいを感じられる人と一緒に働きたいですね。

創業50周年を機に掲げた新たな経営理念「『安らぎ』の創造を追求し、多くの幸せを実現する」に沿って、これからは警備業だけでなく地域の人々の暮らしを守るためにできることは何でも挑戦していく考えです。

グループ経営理念に「安らぎの創造」を掲げ、次のステージに挑戦するキューネットグループの西川CEO

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