熊本の未来をつくる経営者
地域に根を張り、お客様のニーズや満足を追求し続け上場を果たした、URBAN LiKE INC.の吉野社長
吉野悟(よしのさとる):URBAN LiKE INC.(アーバンライク) 代表取締役社長。福岡県出身。2008年にアーバンホーム㈱を創業後、2019年に社名をURBAN LiKE INC.に変更。2021年7月28日には東京証券取引所が開設する日本で唯一の特定取引所金融商品市場「TOKYO PRO Market(TPM)」に熊本県初、TPM史上最年少の39歳で上場、現在に至る。
理想以上の暮らしを提供するライフスタイル創造企業
ココクマ編集部(以下、編集部):まずは上場おめでとうございます。いつ頃から上場を考えていらっしゃったんですか?
吉野悟社長(以下、吉野社長):ありがとうございます。上場を意識し始めたのは5年前で、知人の上場をきっかけに、自分にもできるんじゃないか!という気持ちからでした。本格的に準備に入ったのは3年程前からになります。熊本県主催のIPOセミナーに参加してからになりますね。当時は売上が10億円を超えた頃でしたが、このまま成長し続け九州一円への拠点展開を目指すにあたって、上場することの必要性を感じました。資金調達もありますが、まずは社会的信用の獲得と人材採用へのプラス面を重要視していました。
編集部:あらためて事業内容を教えてください
吉野社長:住宅・不動産事業を中心に、福祉関連施設・コンテナ・オフィスリノベーションなど5つの事業を、熊本のほか、福岡・佐賀・沖縄の9拠点で展開しています。2008年に『住宅会社の常識を変える』という気持ちでアーバンホーム㈱を創業。「高品質な日本の材料で外国のような家を造る」というコンセプトのもと、20〜30代の若いファミリー層を中心に高い支持を頂き、瞬く間に福岡県南部、熊本県北部エリアで商圏販売棟数ナンバーワンの住宅会社となりました。2018年には「琉球アーバンホーム」という屋号で沖縄にも進出し、リゾート開発や宿泊事業にも取り組んでいます。2019年には社名をアーバンホーム㈱からURBAN LiKE INC.に変更しました。これは、私たちの企業理念である『理想以上の暮らしを舞台に人々の素敵なドラマをつくる』ことに立ち返ろうというメッセージです。住宅会社の枠を超え、建築や不動産を軸としたライフスタイル創造企業として、暮らしに関わる分野でリアルな価値を提供し、地域社会に無くてはならない会社になりたいという想いを込めています。
編集部:毎年売上昨対30%UPを続けられているとか…
吉野社長:21年10月決算は売上37億円で、前年比46.5%UPとなりました。事業計画をしっかり立て、目標を達成するための拠点展開と採用・商品開発が予定通りに進んでいます。2020年に佐賀店、21年に熊本北部店を新たにオープン、商品のバリエーションもこの数年でかなり増えました。お客様のニーズは地域ごとに全く異なります。拠点が増えれば、その地域のお客様のニーズに合った商品が必要になってきます。そのため、付帯工事込みで980万円から建てられるローコスト住宅やアーバンアーキテクト(1級建築士事務所)によるハイブランド住宅、海沿いの別荘地をイメージしたリゾートスタイルの住宅、機能性重視やライフスタイル重視など・・・。拠点展開を行いながら、ノウハウを蓄積し、商品カテゴリーが増えていっているような状況です。出店した地域にこだわってお客様の期待に応えたいと真面目に取り組んでいます。その地域に根付いて事業をおこなうことで、お客様に求められているもの・ニーズが見え、商品やノウハウが増え、さらに別の拠点で展開するといったいい流れができていると感じています。今後も市場の拡大とともに、地域にあった自分たちのソリューションを開発し続けていきたいですね。
プランニング力と誠実な対応で紹介率は驚異の56%
編集部:成約のうち56%が紹介というのはすごいですね
吉野社長:業界平均が約14%ですから、とてもありがたいし嬉しい数字です。デザイン・価格・対応・性能、全てにおいてお客様が満足されない限り「人に勧めたい」とは思わないじゃないですか!そういう意味では、自信にもつながりますし、新たなお客様にも最高のご満足を与えよう!という品質の安定化にも繋がっています。
編集部:その秘訣は何なのでしょか?
吉野社長:家づくりのパートナーとしてお客様との関係構築に徹底的にこだわっているからだと思います。当社では営業スタッフがお客様の専任担当となり、初期対応から図面作成やプランニング、お引き渡しまで携わります。もちろん設計士はいますが、全営業スタッフは図面やプランニングができるよう教育研修を行っています。お客様の理想をその場で可視化できるとイマージも湧きやすいと思います。また、家づくりのプロセスで窓口が変わることがないので安心感がありますし、施工の途中においてもお客様の要望から外れることなく進行できます。
加えて提案力にも自信を持っています。お客様の要望であっても、家づくりに関しては素人ですし、言葉で伝えることが難しい場合もありますよね。私たちがプロとしてしっかりと時間をかけてヒアリングを行い、真の要望を引き出します。ヒアリングする内容は現在の家族構成や将来の家族計画、趣味や休日の過ごし方まで…。「そんなことまで?」と驚かれるかもしれませんが、お客様の理想を超える提案のためには、ヒアリングの量と質が大切なのです。ヒアリングを基に経験に裏打ちされた提案をすることで、理想を超える住宅を実現できているのだと思います。
編集部:徹底してますね
吉野社長:これは私の実体験でもあるのです。お客様との打ち合わせの際に、自分で図面を作成し、積極的に提案するようにすると、お客様からの信頼も得て、業績を伸ばすことができました。単なる「家づくり」ではなく、お客様にとっての一生に一度の貴重な経験を総合的にプロデュースするイメージですね。また、お引き渡し後のお客様訪問は控えるのが当時の常識でしたが、お客様に満足いただけているのか、自分の目で確認したかったので必ず足を運んでいました。そうするとさらに喜んでいただけます。それがお客様の感動に繋がりご紹介頂けているのだと思います。
編集部:今後の事業展開を教えてください
吉野社長:九州一円への拠点展開と新規事業でもある福祉関連施設事業に力を入れていきたいと考えています。基本的には各地域に根付いた地方都市の会社になりたいと考えています。新たに出店した地域の人たちを雇用して、その方たちの家をつくるというのがゴールだと思っています。
福祉関連施設事業は、全国で障がいをお持ちの方は年々増加しているのに対し、障がい者向けのグループホームが全く足りていないという社会的問題を解決したいと思いからスタートしました。福祉事業者の設備投資が課題であることがわかり、建築・不動産のプロとして培った技術・知識を生かしお役に立てるのではと考えたのです。具体的には遊休地をお持ちの地主様にオーナーとなっていただき、障がい者向けグループホームを弊社で設計・建築、運営主体となる福祉事業者をマッチングするビジネスモデルです。
早期に成果を出し一人前になれる仕組みづくりと、アーバンライクらしさの浸透
編集部:人材の育成などはどのようなことに取り組まれていますか?
吉野社長:社員教育や研修においてはDX化も進めており、マニュアルではなく動画やアプリケーションを使って学び・フィードバックできるように切り替えています。今までチェックできていなかったことが動画で確認できるようになったと社内でも好評です。その結果、新入社員の戦力化もかなり早くなりましたね。これまでは1年くらいかかっていたところが、今は半年くらいで一人前になってくれています。
また、教育体制を強化し一人一人の社員がいち早く成果を出せるような環境を作ったことが、社員の方のモチベーションUPと定着にもつながっているようです。どの仕事でもミスばっかりしていると面白くないんですよね。一生懸命仕事してお客様に喜んでいただいて、ありがとうって言われると「また頑張ろう!」と思えますよね。仕事の仕方を正しく教える。そして最終的に成果を出させてやりがいを感じてもらう。というのが一番早く成長につながりますし、会社にとっても早く結果を出していただけるので嬉しいですよね。新卒採用を始めて今年は3期目になりますがこれまで20名採用し、退職者は1名のみとなっています。2022年の4月には13名の新入社員(4期目)が入社する予定です。
編集部:求める人物像を教えてください
吉野社長:私の考えや想い、会社のミッション・ビジョンバリューに共感してくれる人が良いですね。朝礼時の理念唱和などはしていませんが、価値観や考え方・行動の摺り合わせは大切にしています。最近は社員も増えましたから、アプリを使いクイズ形式で理解度をチェックしています。そうすると、私の中では当たり前に感じていることでも、結構回答にばらつきがあるんですよ。自分の考えや想いは伝え続けていかないといけないなあと感じましたね。
また社名である「アーバンライク」のライクは「らしさ」というという意味で、社内ではそれぞれの「らしさ」を追求してもらっています。「らしさ」の定義は色々と決めてはいますが、当社では「素敵と思える」ということを大事にしています。素敵というのも「なんか良い」や「半歩進んでいる」といった表現や言葉のニュアンスかなあ‥と感じています。「らしさ」を明確化することで、想いやビジョンに共有できる仲間を今後も増やしていきたいですね。
※写真撮影時のみマスクを外しています。
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