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創業100年100億を視野に「幸福度ナンバーワン企業」を目指す白鷺電気工業株式会社の沼田社長

創業100年100億を視野に「幸福度ナンバーワン企業」を目指す白鷺電気工業株式会社の沼田社長

沼田幸広(ぬまたゆきひろ):白鷺電気工業株式会社・代表取締役社長。熊本市出身。熊本高校、日本大学大学院生産工学研究科電気工学専攻博士前期課程修了。2001年4月から10年6月まで東海旅客鉄道㈱勤務。同年7月白鷺電気工業㈱に入社、9月上席執行役員、11年9月から常務取締役を務める。14年8月現職就任。

社員の生活を守ることは、熊本の生活を守ること

ココクマ編集部(以下、編集部) 電力という社会インフラ整備を手掛けていらっしゃいますよね。

沼田幸広社長(以下、沼田社長) 私たちは、変圧器の修理から事業をスタートさせ事業を拡大してきました。売上の約6割は九州電力のインフラ整備に関するものですが、情報通信設備、新電気エネルギー、省エネルギー関連、EV充電器、またメガソーラーを保有するなど、周辺領域も手がけるようになり、皆さまの暮らしとの密接度が増しています。

総合技術商品である「しらさぎ 電気エネルギー総合システム(SEES)」は、今まで培ってきた発変電、送電工事の技術を基盤に、電気設備の新設・補修工事や太陽光・風力発電等の新電気エネルギー導入のご提案、現在の経済環境には不可欠な省エネルギー、省コストの実現、さらに、快適なオール電化のご提案、ビルや事業所の保守・メンテナンスを行い、皆さまのくらしと産業をサポートする体制を構築しています。

「幸福度ナンバーワン企業」を目指して

編集部 2018年2月に移転された新社屋は「日本初」のシステムが導入されているとか…。

沼田社長 この新社屋には、①災害に強いビル、②ZEB「ネット・ゼロ・エネルギービル」の導入、③働き方改革という3つのコンセプトがあります。本社社屋の改修・移転を検討する中で、災害に強く、さらには環境に優しい、震災復興の象徴として位置づけたい気持ちがありました。そこで結び付いたのがZEBです。省エネと再生可能エネルギーで環境に配慮した次世代型の設計で、様々な最先端技術を取り入れています。「直流配電+直流給電照明」は、民間オフィスビルでは日本初です。また、災害の際には、社員の家族もこの新社屋に避難できるよう非常食等を常備しています。

新社屋ではフリーアドレスやカフェスペース・集中デスクなどを導入しました。社内で働く場所を選ぶことができ、ほかの部署の人と交流できると好評です。いずれは在宅勤務が可能な環境を整え、女性が産休・育休の間のテレワークで働くことができるようにしたいと思っています。

編集部 最近は新聞や雑誌でSDGsに関する御社の取り組みが取り上げられていますね。

沼田社長 当社では2018年から本格的にSDGsへの取り組みを始めました。取り組みを始めるまでは当社のような中小企業にはハードルが高いと思っていましたが、まず当社の活動をSDGsの項目に当てはめてみることから始めました。これまで何気なく行っていた活動の多くがSDGsに繋がっていることが明確になり、自信を持って発信することにしたのです。2018年の忘年会の際にチャレンジした食べ残しをなくすための「3010運動」が成功したことがきっかけで、その後のお花見や夏の社員旅行など、機会を見つけては社員から「今回もやりましょう!」と言ってくれています。一人ひとりの当事者意識が高まり、社員から他社の取り組みを調べて「うちでもやりたい」と提案してくれるようになりました。SDGsへの取り組みが社員の成長にも繋がっていると感じます。SDGsの担当社員など数名はSDGs関連の外部研修にも参加し、他社や他市町村の取り組みを積極的に学んでいます。

SDGsへの取り組みや社屋の省エネシステムが評価され、2019年10月にしらさぎホールディングスへのDBJ環境格付融資に結びつけることができました。熊本県内企業で初、電気工事業では全国で初めてとなります。

今後も熊本の企業を代表して牽引できる様、SDGsに繋がる取り組みを継続させていきたいと思っています。現在は新しくEV(電気)バスの実証運行に取り組んでいます。EVバスは走行時にCO2を出さないクリーンなエネルギーなので、環境に配慮したバスとして、企業や自治体への実証運行を打診しています。SDGsやESGに関心がある自治体や企業へのお手伝いができれば幸いです。

編集部 100年企業に向けた礎づくりの年になりますね。

沼田社長 電力小売りの全面自由化や送配電分離など変化への対応が求められる中、新規ビジネスの構築を図るとともに「幸福度ナンバーワン企業」を目指して頑張っています。社員はもちろん、その家族も幸せを感じることのできる会社でありたいという思いを長年持ち続けています。例えば、社員旅行や忘年会には社員のご家族にも参加して頂き、入社式には親御さんも招待しています。社員の息子さんが入社されるケースもありますよ。子供が「お父さんやお母さんの会社に入りたい!」と思えるような、魅力ある会社を目指しています。

また、「日本中の誰もが知っている会社にする」「売上げ100億円達成」も目標に掲げています。中期経営計画については社員教育も兼ねて、長年若手社員を中核に据えています。当社は工業高校出身の社員が多いので、早いうちから経営に触れ、経営感覚を身に着けてほしいという思いからこの体制をとっています。この計画の中で、新規事業のアイデアが続々生まれています。

農業法人「しらさぎファーム」の設立もその一つ。現在は植木農場と菊陽農場の二つがあり、にんにくを栽培しています。いまはまだ土壌を作っている段階ですが、将来的には水と空気、そしてそこで使う電気エネルギーも熊本産という付加価値を付けて広く展開したいと考えています。現在は今年の夏に予定している黒にんにくの販売に向けて準備を進めています。自社農場で収穫したにんにくを乾燥、熟成させ、黒にんにくにして販売します。現在旧本社社屋の隣に食品加工場を建設中で、食品衛生法に関する諸手続きが整い次第本格的に稼働させる予定です。将来は、天候や災害に左右されない安定した供給を実現できるよう、電気だけでなく、食のインフラも整えたいですね。また作付けや加工を障がい者支援施設に業務委託するなど、障がいを持った方々が安心して働ける環境の構築を考えております。

時代の変化に立ち向かうチャレンジ精神溢れた方を募集

編集部 人材採用も積極的ですね。

沼田社長 チャレンジ精神があり、何事にも強い意志を持って、諦めずにやり遂げようと行動できる人です。当社は100周年に向けて、さらに前へ進んで行く必要があります。現状維持に満足せず、変えていこうと新しいことにチャレンジする人に対しては、惜しみなく支援します。

大卒・高卒関係なく募集しており、大卒の技術系は学部不問にしています。電気会社ですと理系の方を求める会社も多いですが、当社では文系出身でピカイチの現場代理人になっている人もいます。文系の方でも活躍できるフィールドがありますよ。

今後はグループ経営を目指して2年以内に経営戦略部門を立ち上げたいと思っています。経営戦略の一つとしてITの活用に力を入れていくためも、ホールディングスとしての仕組み・人事制度を活用して優秀な人材を採用したいと考えています。

編集部 人材育成で力を入れていることを教えて下さい。

沼田社長 私が目指すボトムアップ型の経営をしていくため、研修には力を入れています。これまでは上司からの指示には絶対的に従うという組織風土がありましたが、社員には主体的に行動してほしいと思っています。学ぶ機会を増やすことで、自ら考える癖づけをしてほしいのです。社内研修の他、他流試合という宿泊付きの外部研修にも参加してもらっています。全国の様々な企業から集まるため異業種交流にもなり、視野が広がるきっかけにもなっています。受講後は運営側から必ずフィードバックをもらい、実務や次の研修に活かすようにしています。

編集部 休日はどのように過ごされていますか?

沼田社長 プライベートは家族と過ごすことが多いですね。特に娘と一緒に買い物行ったり、コンサートに行ったり、子供との時間を大切にしています。家族で何か共有したいと思い、娘が幼稚園の頃から家族皆で書道に通っていました。娘の字も少しは上達したかな(笑)。未来の子供たちのために、電気工事会社としていま何ができるのかということをよく考えます。環境の先進企業として熊本から未来を変えるために、日々挑戦し続けていきたいですね。

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