熊本の未来をつくる経営者
「熊本を日本一健康で笑顔あふれるまちに」株式会社えがおの北野社長
北野忠男(きたのただお):株式会社えがお・代表取締役社長。熊本市出身。1990年株式会社ロフティ設立、代表取締役就任。2008年株式会社えがおに社名変更。14年12月に新社屋完成・本社移転。
健康革命で熊本をさらに元気なまちへ
ココクマ編集部(以下、編集部) 健康食品業界に参入されたきっかけを教えて下さい。
北野忠男社長(以下、北野社長) 当時から「健康」というキーワードを意識していました。アメリカではすでに健康食品ブームが起きていましたので、間違いなく日本でもブームが起こるだろうと思ったのが参入のきっかけです。また、健康食品はリピート率が高く、ビジネスとしても有望だと考えていました。
最近では健康食品を手掛ける一流企業も増えてきましたが、以前は中小企業が多く胡散臭いイメージもありました。「健康食品って大丈夫?」と心配されることもありましたよ(笑)。健康志向の高まりを背景に、普段の食事を補うものと認められるようになったことなども重なり、健康食品を摂取することが当たり前の世の中になりました。それと共に我々も成長を遂げることができたのです。
編集部 当時の想いと今の想いでは何か変わったことはありますか?
北野社長 「熊本を日本一健康で笑顔があふれる街」にしたいという想いが強くなりました。誰しも健康で豊かな生活を送りたいという願望があると思います。病気になる前に丈夫な体をつくる。そんな願いを叶えるために、良い商品をお客様に届けたい。健康を通して世の中に貢献していきたいと考えています。
また、業界的には成長の余地が充分あると感じています。これまで健康食品のユーザーと言えば高齢者のイメージがあるかもしれませんが、昨今では若い人も健康食品を口にするようになりました。健康志向の流れと共にユーザーの幅も拡がっており、これからも成長する見込みが十分にある市場だと思っています。
編集部 新しいユーザーを獲得するために取り組まれていることはありますか?
北野社長 「健康革命」をおこすことですね。健康に対しての意識を高めることが私たちの使命だと社員にも伝えています。熊本城マラソンの支援や「えがお健康スタジアム」のネーミングライツ取得も健康革命の一環です。まだまだ健康に対しての意識が低い人も多いですが、「健康になる」という意識の醸成を促し、熊本を日本一健康で笑顔あふれるまちにしたいと思っています。
人の成長=企業の成長
編集部 人材育成に力を入れていらっしゃるとお伺いしました。
北野社長 「人の成長=企業の成長、100年先も輝き続ける企業づくり」という長期的ビジョンを見据えています。会社の成長には社員の成長が欠かせません。そのためにもまずは社員にとって、仕事や会社のことが「自分ごと」になる必要があります。
当社では管理職クラスのためのコーチング研修も行っています。社員を成長させるためには、指導する側の教育も大切です。「教える指導」ではなく「考えさせる指導」で社員の主体性を育み、社員自ら「自分でこの会社をつくっていく」という気持ちを持って、徹底的にやり切って欲しいですね。
そのほか、社員のスキルアップを支援する教育プログラム「えがお大学院」や、私が直接社員に志や想いを伝える「社長志塾」なども年に50回ほど開催しています。
編集部 人材に対してはどのような部分を重視されますか?
北野社長 人間力(徳)と仕事力(才)ですね。特に人間力に関して重視します。仕事に関しては入社してから現場で身に着けることもできますが、人間力に関してはすぐに身に着けられるものではありません。どれだけ世のため人のために尽くせるか、人間力を持って仕事力で結果を出せる人を育てていきたいと思っています。
仕事力の面でいうと結果を出せる人です。「人はなりたい自分になれる」と私は思います。だから、こうなりたいと明確にイメージし、何かを成し遂げたい!と思う人にぜひ来て頂きたいですね。社員の提案は私も大歓迎ですし、会社としても意欲のある人材はしっかり育てていきます。
社員が活躍できる環境づくり
編集部 働き方改革を進められていると伺っています。
北野社長 私たちが若いころは「寝る間も惜しんで働く」というのが普通でした。しかし労働時間で結果を出す時代から、効率性で結果を出す時代に変わりました。時代の変化と共に自分たちも変化する必要があると思い、働き方改革に取り組み始めました。
最近では社員に「残業ゼロ」を呼び掛けていますが、効率と生産性を上げて自分の時間を増やし、自己を成長させる時間に充てて欲しいという思いが根底にあります。自己を成長させることで結果を出せるようになり、さらには仕事の効率も上がるという好循環が生まれます。
また当社は女性比率が高いので、子供のいる従業員向けに企業内保育園の開設や、学童保育を行っているほか、「ひとり親支援プロジェクト」にも取り組んでいます。性別や境遇に関係なく社員が活躍できるよう、働く環境を整えてあげるのが私たちの役割だと思っています。熊本でも一流の仕事や暮らしができる環境を作りたいですね。そうすれば一度県外へ出て行った方も、熊本へUターンしたいと思うのではないでしょうか。
編集部 休日の過ごし方を教えてください。
北野社長 海に行くのが好きです。魚釣りをしたり読書をしたりします。なかなか頻繁に行くのは難しいですが、とにかく海にいることが好きなので、できる限り足を運んでいますよ。車で1時間も行けば天草ですからね。