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グループ連携を強化し、新たな価値を生み出す 野田市兵衞商店の野田社長

グループ連携を強化し、新たな価値を生み出す 野田市兵衞商店の野田社長

野田和宏(のだかずひろ):株式会社野田市兵衞商店 代表取締役社長。熊本市出身。東海大学卒業後、2014年に広島の環境調査会社に就職。2016年熊本震災を機に、㈱野田市兵衞商店に代表取締役専務として入社。2021年8月代表取締役社長就任(㈱野田市電子の代表取締役専務も兼任)。

お客様との信頼関係もこれからも大切に

ココクマ編集部(以下、編集部) 社長就任おめでとうございます。

野田和宏社長(以下、野田社長 ありがとうございます。2021年8月2日付けで㈱野田市兵衞商店の5代目社長を仰せつかりました。これまで5年間、専務という立場で社員と接してきましたので、特別何かが変わるわけではありません・・・責任の重さは感じていますが気負いはありません。

編集部 経営方針は?

野田社長 まずは信頼構築です。「我が社はお客様の満足を第一とし、創造的な企業活動でお客様の未来を拡げ、豊かな社会の発展に貢献することを使命とする」という社是があります。これにはお客様との信頼関係を第一に考えて仕事をしましょうという意味が込められているのですが、お客様に商品・サービスを提供し、得るものは利益じゃなく信頼を得ましょうという経営理念でもあります。信頼を得られた結果、利益がついてくるといった基本的な考え方は、私の代でも継続していきたいです。社是は毎朝朝礼で唱和するようにもしているので、社員にも浸透していると思います。長く続いている会社だからこそ、基本となる考え方は変えることなく大切にしていきたいと考えています。

また、時代に合わせて変化していく事も大切です。創業以来143年続けられているのも、チャレンジし変化し続けてきたからだと思います。野田市グループとして現在5つの事業を展開していますが、これからも新しいことに果敢にチャレンジし、次なる事業の柱をつくっていき、よりお客様のニーズに応えられる会社にしていきたいと考えています。

野田市兵衛商店

編集部 あらためて事業内容を教えてください

野田社長 西南戦争翌年の1878年に、創業者の野田市兵衞が馬具商からスタートした会社です。その後、履物の卸売業や醤油醸造業、石鹸製造など事業の幅を拡げ現在に至ります。時代に合わせて事業を変化させてきた歴史があります。現在の野田市グループは、㈱野田市兵衞商店と㈱野田市電子の2社で5つの事業を展開しています。㈱野田市兵衞商店では建設資材事業、㈱野田市電子では半導体事業、環境分析事業、ITソリューション事業、人材ソリューション事業を行っています。

編集部 必要に応じて事業が増えていく感じですかね?

野田社長 まさに、お客様からの要望に応じて変化しているイメージです。例えば㈱野田市電子は、三菱電機㈱が熊本へ進出するタイミングで、その協力工場として立ち上げた事業部です。また半導体工場内の作業環境測定や派遣社員の確保などを外注から内製に切り替え事業化したのが、環境分析事業や人材ソリューション事業といった具合です。

グループ連携を通してお客様に新たな価値を提供する

編集部 チャレンジする社風が強みなのですね?

野田社長 良い意味で「わりと自由な会社」だと思います。やりたいことを、やりたいようにやれる社風ですね。自分でやろうと思ったことに対しては社員も責任を持って動きますから信頼して任せます。先代の社長もそうであったように、チャレンジを妨害するようなことや命令をするようなことは一切ないですね。

社員には自身の得意な分野で仕事をして欲しいと思っています。環境分析事業は、もともと社員が作業環境測定を実施するために作業環境測定士の資格を取得したことがきっかけで拡がった事業ですし、半導体事業も、もともと3代目社長がメッキ関係の仕事をしたいという想いから始まった事業です。当グループは事業内容も幅広く、事業部によって社員のカラーも様々ですから、社員の個性を活かせるような選択肢もたくさんあると思います。また、希望に応じてグループ間の人事異動も行います。これからも、自身の強みを発揮できる環境を提供できるようにしていきたいですね。

編集部 新たな価値を生み出す取り組みとして着手されていることはありますか?

野田社長 ITツールを活用した業務効率化とグループ連携を進めています。特にグループ連携には力を入れています。5つの事業部間で情報共有の場を設けて、お客様の困りごとをグループ全体で解決していこうという取り組みです。事業部間連携から新しい商品やサービスを生み出し、仕事の幅を拡げていきたいと考えています。

ITツールの活用などで業務効率化すると同時に、研修や会議・グループ懇親会など直接コミュニケ―ションをとる機会を増やしています。他事業部の内容やスタッフ一人一人の顔や性格まで把握することで、「この案件はあの事業部に相談しよう」「別の事業部でお役に立てそうです」という様に、視野を広くしてお客様の課題に向き合うことができるようになると考えています。グループ研修の中では、野田市グループ全体の説明をするロールプレイングなども行っています。これまで他事業部の仕事内容や社員のことを全く知らないという状態でしたから、こういった交流は、社員にとって刺激になるし、グループ全体のことを知るきっかけにもなるので良い効果をもたらすのではないかと期待しています。実際にお客様の方からお声掛けいただくこともあるんですよ。その時すぐに他事業部に連絡しお客様の元へ駆けつけられることで、お客様の信頼もより厚くなると思います。

編集部 事業部ごとに雰囲気も違うのですか?

野田社長 半導体事業部は特に元気が良いですね。おそろいのユニフォームを作ってマラソン大会に出場したりしていました。環境分析事業部は几帳面な人が多いかな…(笑)。

事業部によっては若手だけを集めてアイデアミーティングを実施し、実際に動き出していることもありますよ。社歴は特に関係なく、若手が発信する機会は多いと思います。私が入社してからは、グループ連携会議に出席するメンバーに若手を選出するようになりました。元々は部長クラスが参加する会議でしたが、若手が会議に参加することで主体性が生まれるのではないかと考えたからです。業界や経済、会社の方針を知ることで、仕事を自分事として捉え、色んな「やりたい」が生まれてきたら嬉しいですね。

自由に任せる社風で社員が定着 

編集部 採用にも力を入れているようですね。

野田社長 特に、新卒採用に力を入れています。グループ連携の動きに合わせて、新卒採用もグループ採用に変えました。一つの事業部だけでなく全ての事業部を知ることで、気持ちが変わっていく学生もいます。学生の志向に合わせて職場を提示できるし、入社後のミスマッチも防げると考えています。

私は、関東の大学に進学したので熊本の会社のことを全然知りませんでした。当社もそうですが100年以上続いている歴史ある会社もありますし、良い会社はたくさんあります。学生さんには一生懸命調べて欲しいですし、私たちも知ってもらうために、ホームページのリニューアルや会社説明会を県外で開くなど努力をしているつもりですが…。

編集部 次世代を担う社員の採用ですね

野田社長 私の立場で言うのもなんですが、会社の雰囲気もすごく良いですし、働きやすい環境だと思います。私が5年前に入社した際も温かく受け入れてくれて、ほんとありがたかったですね。幼少のころ、社員旅行に一緒に行ったり、事務所に遊びに行ったりしていたこともあり、私の小さい頃を知っている社員も結構いるんですよ。実際、長く働いてくれる社員が多く、グループ全体では勤続20年以上の方が100名近くいます。平均年齢も44歳と高く、先輩ばかりです(笑)。

逆に、20代・30代の社員が少ないのが課題です。私も今年31歳ですので、これから一緒に会社を支えてくれる次世代の採用には力を入れています。

編集部 どんな会社にしたいですか?

野田社長 仕事を通して成長を実感できる会社にしたいと考えています。そのためには目標設定とフィードバックが管理職の最優先事項であることを伝えたところです。目標管理シートを導入し、上司と相談しながら目標設定を行い、半期に1度フィードバック面談を設けることで、出来ている事と改善が必要なことが見えてくると思います。小さな成功体験を積み重ね、自信をつけて欲しいと思います。

また、今期から人事管理育成課を立上げました。採用だけでなく、社員教育や人事評価・賃金制度の改定にも着手する予定です。これからの時代に合わせつつ、全社員の納得感を得られるような制度を構築したいと考えています。

編集部 求める人材像を教えて下さい。

野田社長 理念経営を行っていますので、まずは弊社の「社是・社訓」に共感いただけることが第一ですね。また、長い歴史の中で変化してきた会社ですので、新しいことにも意欲的に取り組める人、能動的に動ける人がいいですね。中途採用では建築(建材)関係や環境関連の会社で営業経験のある方、特にUターン希望の方は大歓迎です。

編集部 素敵な空間で素敵なお話が伺えました。

野田社長 ありがとうございます。皆さんも一度はご覧になられたことがあるのではないかと思いますが、肥後銀行本店の横、電車通り沿いにある築100年以上になる二階建ての木造建築物が本社です。地震で被災後、2018年の年末に工事が完了しました。この場所では、会社説明会や来客時の応接室、会議室として活用していますが、社外向けの広報材料でもあると考えています。SAKURA MACHIなど近隣にも新しい建物が次々に建設される中で、歴史的な建物は当社を象徴するものになると思うのです。今後は一般に開放してイベントや展示会など…様々な活用をしていきたいと思っています。

※写真撮影時のみマスクを外しています。

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