熊本の未来をつくる経営者
測量・土木設計・許認可手続きまでをワンストップで提供。 全国展開中の株式会社環境と開発の田邉社長
田邉陽介(たなべようすけ):株式会社環境と開発・代表取締役。熊本市出身。熊本大学理学部卒業後、GIS/航空写真測量の㈱パスコ(東京都)を経て、2001年に同社に入社。06年に専務、07年に社長就任。
民間企業向けに特化した全国でも珍しい会社
ココクマ編集部(以下、編集部) 事業内容を教えてください。
田邉陽介社長(以下、田邉社長) 「環境」と「開発」に関わる総合コンサルティングを手掛けています。具体的には「廃棄物関連」「災害廃棄物処理」「宅地等開発」「再生可能エネルギー開発」の4つの支援事業を展開。測量・土木設計・許認可手続きを一貫して行える会社は少なく、他社との差別化につながっていると思っていますし、民間企業に特化している会社は全国的にも珍しいと思います。また、行政書士や環境カウンセラーなど社内の有資格者が、法律に基づいた設計や仕事の進め方を助言しながらクライアントの事業展開を支えており、社内でのワンストップの対応力が強みにつながっていると考えています。
編集部 ビジネスのフィールドは熊本中心ですか?
田邉社長 クライアントは全国展開の大手企業から熊本地場のディベロッパー・病院・福祉施設まで幅広く、年間約80~100件の開発を手掛けています。特に再生可能エネルギー開発の現場は全国ですね。福島・茨城・栃木・北海道・兵庫・大阪…、熊本・九州で培ったノウハウが強みですね。東京支社は営業拠点、設計や報告書の作成などの技術部隊は熊本と位置付けています。
売上は約2億6,000万円で、環境関連事業が60%、開発関連事業が40%となっています。最近では環境面への配慮・取り組みが必要な工場開発など、開発事業と環境事業を組み合わせた受注が増加傾向にあります。
編集部 具体的にはどのようなサービスになるのですか
田邉社長 例えば、廃棄物関連支援事業であれば、廃棄物処理施設建設に関するコンサルティングや各種手続きの代行、ビジネスが軌道に乗るまでの支援を行っています。一時期ほどは増えていませんが、施設の拡張や機械の入れ替えなどのご相談は多くあります。また、再生可能エネルギー開発は、土地利用の観点からの事業の可能性調査、測量、土木設計や林地開発許可手続きなどを含めた一貫したサポートを行っています。
編集部 今後の事業の方向性を教えてください
田邉社長 「測量、設計、関連許認可手続きを通してお客様の新しい事業に貢献する」という大きな方針は変わりません。今後は、災害廃棄物処理に力を入れていきたいと考えています。
東日本大震災や熊本地震の教訓を生かし、日本初のサービスを構築
編集部 災害廃棄物処理支援事業は日本初のサービスだとか…
田邉社長 日本初というとおこがましいですが、民間企業向けのサービスを行っている会社は他にはないと思います。というか、これまでマーケットがなかった分野にチャレンジしているところです。災害廃棄物処理支援事業とは、災害発生後の廃棄物のすみやかな処理を行うためのコンサルティングサービスです。具体的には、各地方自治体と災害協定を締結している各県にある産業資源循環協会に対して、要請窓口や役割分担の明確化、現場作業で必要な各種帳票類の整理などを集約した災害対応マニュアルを作成したり、作成したマニュアル通りに協会員が動けるように、勉強会を開催し、いざという時に自治体からの要請を受け迅速に動ける体制づくりをお手伝いしています。東日本大震災・熊本地震・岡山の水害で災害廃棄物処理をさせていただいた経験やノウハウを全国で役立ててほしいと考えています。
編集部 ネットワークの拡がりを感じますね
田邉社長 そうなんです。災害廃棄物処理支援事業を進めることで知名度が高まり、「廃棄物関連」や「再生可能エネルギー開発」に繋がっていけばよいなあと考えています。現在、「廃棄物関連」では新規参入する事業者はさほど多くありません。既存施設の拡張や新しい機械の導入という話が多いですね。ですから、全国の産業廃棄物関連事業者さんとネットワークを確立することはとても重要なのです。再生可能事業エネルギーに関しては、太陽光発電がメインですが、最近では小水力発電やバイオマス発電事業者さんなどからも相談を頂けるようになりました。
仕事を任せ、裁量を与え、自律型の組織へ
編集部 社員さんは何名ですか?
田邉社長 現在スタッフは20名(役員除く)です。年齢構成は60代3人、50代3人、40代8人、30代4人、20代2人、資格保有者も40代以上が多いですね。なので世代交代も考えなければなりません。30代や40代の即戦力(有資格者)の採用に力を入れていますし、20代であれば資格が無くても大丈夫。資格取得のための勉強会を開催したり、受験費用も負担していますし、資格取得後は手当もつけています。技能継承にも時間やお金を割いています。ベテランの技術者がたくさんいますから、蓄積された知識やノウハウをマニュアルに落とし込んでます。若い人にとってはとても勉強になるし、チャンスだと思います。また、女性の活躍も欠かせません。女性スタッフは7人で管理職も2名います。男女の差別なく、できる人にはポジションを与えてます。熊本にいながら東京の仕事ができるのも魅力ではないかと思います。その分いろんな経験をさせてあげられ、やろうと思えばいろんな経験ができて楽しいのではないかと思います。
編集部 自主性が大事だということですか?
田邉社長 新しいことにチャレンジして欲しいと思っています。同じような現場でも、少しずつ条件が違ったりしてその都度試行錯誤が求められるじゃないですか。そういうことを楽しみながら、新たな知識を習得しながら経験を積んでいける人には、どんどんチャンスを与えていきたいと考えています。これまではトップダウン型の組織でしたが、仕事を任せ、裁量を与え、自律型の組織にしていきたいと考えています。
弊社の社員は割とやってくれてる方だと思います。先日入社した方は、一生懸命CAD覚えてくれて、分譲地の図面を引いていたかと思えば、今は店舗をやってたり、ドローンをやってみたり、何にでも楽しそうに取り組んでいる姿を見ると頼もしいなあと思いますよね。
編集部 働き方改革にもいち早く着手されているとか・・・
田邉社長 有給休暇の義務化に関して、昨年からいち早く「計画有給休暇」を導入しています。また、本社移転のタイミングで朝残業制度を始めました。プライベートや家庭の事情もあるでしょうし、朝型・夜型などタイプはそれぞれでしょうから…。残業0は業務上難しいのですが、スタッフを増やしましたので、だいたい19時頃には皆帰っていますね。固定費は上がりますが、全社員が生産性を上げようと意識してくれているので利益もしっかり出ています。ですから、ここ数年連続で決算賞与も出せるようになりました。
編集部 プライベートはどのように過ごされていますか?
田邉社長 趣味と言えるほどのものはないのですが、子供と過ごす時間が何よりですね。結婚14年目に授かったこともあり、まだ小さいんです。週末にはショッピングモールの遊具があるところや公園に行ったり・・・そういう時間が一番楽しいかな。お薦めは、熊本城二の丸公園や熊本市動植物園ですね。特に動植物園には、ちょっとした遊園地みたいなのもあるじゃないですか・・・飽きずに2-3時間は過ごせますね。
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