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コンクリート二次製品の総合メーカー 時流を捉え常に進化する 株式会社ヤマックスの茂森社長

コンクリート二次製品の総合メーカー 時流を捉え常に進化する 株式会社ヤマックスの茂森社長

茂森拓(しげもりたく):株式会社ヤマックス・代表取締役社長。東京都出身。日本大学農獣医学部卒業。1995年4月株式会社ヤマックス入社。2014年4月代表取締役社長就任。

熊本地震の復旧・復興~東京オリンピックまで

ココクマ編集部(以下、編集部)事業内容について教えて頂けますか?

茂森拓社長(以下、茂森社長)当社は高水準の技術と厳格な品質管理から生み出されるコンクリート二次製品を主軸に扱う創業55年の会社です。関東及び西日本エリアにおいて東京・福岡・沖縄の3支店、及び8カ所の営業所、8カ所の工場を有しており、土木用・建築用コンクリート二次製品の製造及び販売、また木造住宅・店舗等の施工販売を行っております。1995年11月、日本証券業協会に株式を店頭登録いたしました。

コンクリート二次製品とは、生コンクリートを原材料として成型した製品のことです。道路の縁石から高層ビルの外壁材まで、その用途や形状は様々・・・。生活基盤を支える道路・河川・下水道などの土木分野から、オフィスビル・マンションなどのビル建築分野まで、幅広い分野で当社の製品をご使用頂いています。

今年は東京オリンピックの選手村4000戸の共同住宅で使用される床板やバレーボール会場となる有明アリーナの部材を納入したほか、オリンピックを目前にマンションやホテルの建設需要が増えている首都圏では、当社のPC(プレキャスト)工法によるコンクリート二次製品の売上が好調です。熊本地震の復旧・復興についても阿蘇地域の道路や橋梁など、インフラ復旧工事のための製品供給にも注力しています。

編集部 コンクリート二次製品において国内で高いシェアを誇っていらっしゃいますよね。

茂森社長 当社の強みは、地面から下の「土木」、地面から上の「建築」で使用するコンクリート二次製品を両方製造しているということです。側溝、「ボックスカルバート」という下水管、ビルの外壁板、バルコニーなど全て当社で用意することができます。土木用・建築用とどちらも取り扱っている会社は日本全国でもほとんどありません。

元々は土木用のコンクリート二次製品だけを製造していたのですが、約30年前に長洲工場を新設してから建築用のコンクリート二次製品にも着手しました。当時は大阪を中心にビル建設のラッシュで、外壁板や床板、バルコニー、階段などの製品を設置していくだけ、という工事が非常に多かったのですが、それらの製品を供給できる工場が少なかったのです。そこで長洲の工場を建築用コンクリート二次製品の工場として稼働させたのです。熊本で作った製品を船や陸路で大阪まで運び、梅田スカイビルなど、シンボリックな建物も含めて大阪で多くのビル建設に携わりました。

「我々が開発する!」というスピリット

編集部 建設業界は潤いを見せているように思いますが、今後の展望は?

茂森社長 いまは災害復旧・復興や東京オリンピックの影響で需要も高い水準を保っていますが、公共工事に関しては、1998年頃の国家予算が14兆円だったのに対し今や6兆円・・・。公共工事のみならず、建設業自体のマーケットのシュリンクが予想されています。

そんな中、業界内では近年、合従連衡の動きが加速しています。もちろん当社としても慎重かつ積極的に、スピード感を持って同業他社との連携を推進していく考えです。場合によっては大同団結の可能性もありますし、素晴らしい技術を持っているのに後継者がいないという企業様と協力させて頂くということも視野に入れています。補完関係を築きながらこれからの時代を生き残っていこうと、業界内は水面下で様々なうねりを見せています。

編集部 会社として今後も生き残っていくために注力していることは?

茂森社長 新たな製品開発・素材開発、そして人手不足による工場体制の見直しです。特に製品・素材開発には注力しています。他社に比べ開発研究にかけるコストも断然多いです。九州大学や熊本大学などとの共同開発も多く、素材研究や製品を作るときの構造計算などもご協力頂いています。我々はメーカーですので、研究開発が心臓部分。他社に先駆けて「我々が開発する!」というスピリットを大切に、常にチャレンジする必要があると思っています。

最近は超高強度コンクリートの開発に力を入れています。超高強度かつ弾力性もあり、とにかく強く、割れにくいというものです。これから日本国内では数千~数万カ所の老朽化した橋の掛け直しが見込まれていますので、仕掛けていきたいですね。

編集部 工場体制の見直しについては?

茂森社長 同業界もご多分にもれず人手不足が深刻化しており、省人化を余儀なくされている状況ではあります。人への投資はもちろんですが、設備投資による省力化に取り組んでいます。生産性を追求するために、これからも積極的に投資していきたいと考えています。

その一方、丁寧に一品一品、コンクリート製品を手掛けていく職人技も大切にしたいと考えています。泥臭い仕事は、特に若い方には敬遠されがちですが、「匠の工場」と名付け、「匠専用の制服」を用意するなどしてイメージアップに繋げたいと思っています。

最近は3Dプリンターを応用した「3Dコンクリート」というものが開発されています。海外では実際に一般サイズの住宅が2~3日で出来上がる実験が行われています。そういう時代になったのだと、大変驚きました。熟練の技は残しつつ、最新のテクノロジーとの融合も図り、新しい時代の製造体制を構築して行きたいですね。

時代遅れのものを大胆に否定する

編集部 どのような人材を求めていらっしゃいますか?

茂森社長 創業して55年、過去の諸先輩が残してきた思いや努力の結晶を今後も継承していきたい反面、時代は常に変化して行きますので、過去に敬意を払いながらも時代遅れのものを大胆に否定することが必要になります。入社して頂く方には、今までの我々の歴史・スピリットを吸収して頂き、一方で「ここは違うのでは?」と積極的に意見して頂きたいです。そのための風通しの良い環境づくりも行っています。

当社には「創意工夫賞」という制度があります。3か月に1回ですが、社員から業務改善や新商品開発など、あらゆる側面の意見・提案を募るもので、「これは良い!」と思ったら即日改善・実行するようにしています。我々現場から離れている人間は、どうしても現場の社員と感覚が離れてしまいがちです。しかし、答えは現場にある。「そういう視点もあるのか!」と我々では思いつかないようなことを、現場の社員が教えてくれます。特に女性社員の意識の高さを感じますね。中には厳しい意見もありますが、どんな意見でも受け入れるようにしています。

これからもこの会社を進化させていくための、原動力となってくれる人に来て頂きたいですね。

編集部 趣味を教えてください。

茂森社長 ゴルフと読書です。ゴルフは月に4~5回程度行きます。付き合いで行くことが多いのですが、そこから仕事に繋がることも多いですし、何より良い運動になりますね。最近は有難いことに建設業界はみんな活気づいていますので、とにかく元気ですよ(笑)。読書については趣味、と呼べるほどではないかもしれないですが、ベストセラーや流行っている本はなるべく読むようにしています。時代の変化を常に察知していくためにも、その時々で流行っているものに積極的に触れるようにしています。

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