熊本の未来をつくる経営者
「上質な暮らし」を突き詰める住宅メーカー 株式会社すまい工房の小山社長
小山憲治(おやまけんじ):株式会社すまい工房・代表取締役。熊本市出身。日本大学法学部卒。1996年に新産住拓株式会社へ入社、2004年すまい工房設立、現職へ。
親身に、真剣に!お客様に上質な暮らしを提案する
ココクマ編集部(以下、編集部) 事業内容を教えてください。
小山憲治社長(以下、小山社長) 「お客様に上質な暮らしを提案したい」という想いから、2004年に「すまい工房」を設立しました。現在は、木造注文住宅の設計・施工・販売を中心に、リノベーション事業やドイツのプレミアム家電ブランド「Miele」ショップをはじめセレクトショップの運営を行っています。
人が暮らし、一生を送る礎となるものが家だと思うんですね。だから私たちは、家を「住宅(ハウス)」ではなく「すまい」と呼びたいし、「メーカー」ではなく「工房」でありたいと考えて社名としました。
一組一組のお客様、一人ひとりとの出会いを大切に、一棟一棟のすまいを精魂込めてつくりあげる。住む人にとっても、働く人にとっても「この会社と出会えてよかった」と思っていただけるような存在になる。それが、私たちが目指す「すまい工房」のありたい姿です。
編集部 新社屋の狙いは?
小山社長 ドイツのプレミアム家電ブランド「Miele」のショップを併設した社屋です。2014年からMiele社と提携し、上通りで運営していた店舗を統合しました。「Miele」をはじめ、「Fritz Hansen」「louis poulsen」といったヨーロッパの高級インテリアブランドの椅子や照明器具なども展示し、すまいづくりの提案をしています。
「Miele」のような高級家電メーカーの取扱いをしている住宅メーカーは全国でも少ないと思います。「お客様に上質な暮らしを提案したい」をコンセプトにしていますから、住宅メーカーの既成概念にとらわれないチャレンジの1つなのです。
また、これは販売戦略でもあり、「Miele」製品などをきっかけに、リノベーションや新築の提案に繋げていこうと考えています。先日「Miele」ショップに来られたお客様からマンションリノベーションのご契約を頂きまた、新築のご契約も年に2~3件いただいています。
この新社屋を「上質な暮らし」の発信基地とすることで、感度の高いお客様との接点をもっと増やしていきたいと考えています。
編集部 社長にとって上質な暮らしとは・・・?
小山社長 住宅自体の素材の良さや耐震性などは当たり前。工法やデザインの違いだけではお客様は納得されないと考えています。きちんとした品質を提供したうえで、お家でどのような暮らしができるかが重要だと思うんですね。お家という箱の良し悪しだけではなく、どういう暮らしを実現したいのか?また、実現するためにどういう提案をするのか?という事を創業以来ずっと考え実践してきました。
皆さんお家が一番リラックスできる場所でありたいし、安心して過ごしたいじゃないですか?使いやすいし、自分の暮らし方に自然とマッチする、そんな家が良い家じゃないかなあと思いますし、ちょっとした落ち着く時間を自然と過ごせることが上質な暮らしだと私は考えています。
女性の場合、朝起きてバタバタと朝食を作り、ご主人や子供を見送り、洗濯や片付け買い物など家事に追われて、息つくまもなくバタバタと夕食をつくり、疲れ果てて寝るだけ…となるところを、洗い物は食洗器にまかせて、ゆっくりお風呂に入り、洗面化粧台には椅子があって、美顔器でお肌の手入れができるとか。ご主人は、お休みの日にビール片手に座り心地の良い椅子で好きな映画をプロジェクターで見るなど…。そんなゆとりが生まれる過ごし方って、良くないですか?お家づくりはそこまで考えて行うべきだと私は思います。
「高いけど良いもの」へのこだわり
編集部 販売価格は?
小山社長 1棟あたりの平均単価は約3,000万円くらいです。5年前と比較すると500万円ほど上がっています。当社の提案がお客様に届いていることと、上質なすまいのブランドが浸透してきているのだと思います。
年間着工棟数は約30棟。1棟1棟精魂込めて作りますから、このペースですし、増やすつもりはありません。これまで約450棟のお引き渡しをしており、毎年2回はホームオーナー様と会社の交流会も行っています。
編集部 高価格帯の住宅メーカーは熊本では珍しいですよね?
小山社長 高価格帯にマーケティングを絞っている地場の住宅メーカーはまだまだ少ないと思います。
今まで高価格帯の住宅は、積水ハウスや住友林業、三井ホームなど、信頼や情報量の多さなど安心感を強みとした大手ハウスメーカーの独壇場でした。
弊社では自然素材をベースに、標準採用している「Miele」の食洗器を活用したオーダーキッチンの提案やオーダー家具の提案などソフト面を強化し、高品質の住宅を最適な価格で提供できる取り組みを実践しています。構造、設備仕様などを考えると大手住宅メーカーに負けないコストパフォーマンスが実現できていると自負しています。
編集部 「高いけど良いもの」のために大事していることは何ですか?
小山社長 お客様の日常生活を紐解き、今後どういうことをしたいのかを読み取り、やりたいことができる家を提案することです。住宅業界の当たり前をお客様に押し付けるのではなく、型にはまらず暮らしに密着した家づくりをしたいと思っています。まずは当社の取り組み姿勢に共感して頂き初めて、家づくりの計画をスタートさせます。「親身に、真剣に。」という企業理念にも、お客様と本音で折衝ができるような会社でありたいとの思いが込められています。
「正直者で、感激屋で、成長好き」な集団でありたい
編集部 社員教育ではどのようなことに力を入れていますか?
小山社長 熊本最高級ブランドを目指す会社として、お客様に対して満足のいくサービスを提供するために、一流の基準を知っておく必要があります。そのため研修の一環として一流のサービスや芸術に触れる『本物を知る会』を実施しています。一流ホテルでの宿泊や一流レストランでの接客を体験し、感性を磨いています。直近では歌舞伎やミュージカルを観劇しました。また社員全員でミラノサローネに行く計画もあります。ミラノに行く前には事前学習としてインテリアの研修も行います。外部講師を招いての技術研修もありますし、成長の機会は多く設けています。
編集部 社内で新しい取り組みはありますか?
小山社長 初年度の給与を県内の住宅業界の中で最も高く設定できる会社を目指したいと思っています。先ずは、今年からみなし残業を7時間減らし23時間とし、来年は15時間、その後は毎年5時間減らしていき、みなし残業を廃止する予定です。社員の働きやすさを重視していきます。入社後は年齢や社歴に関係なく、能動的に学び、アウトプットする社員を評価します。社員同士競争できる環境の中で成長していってほしいですね。
また新社屋になりフリーアドレスを導入しました。これまで話す機会が少なかった社員とのコミュニケーションが生まれていると聞いています。社員同士の良い刺激になることを期待しています。
編集部 求める人物像を教えてください。
小山社長 当社で目指しているのは「正直者で、感激屋で、成長好き」な集団です。お客様にも仲間にも自分にも正直であれと常に指導しています。また人として成長することも望んでいます。損得でなく、善悪で行動できる人、3人称で考えられる人は大歓迎です。
私たちのお引渡しの際には約7割のお客様が感動の涙を流され、その姿を拝見しほぼ100%社員も感激し泣きます。お客様にとって一生に一度のすまいづくりのプロセスを一緒に楽しむことができる、一生を賭けるに足る素晴らしい仕事だと思います。たくさんのお客様と一生のつながりができることも魅力の一つですね。
編集部 休日の過ごし方を教えてください。
小山社長 ほぼ休みはありませんが…(笑)。休日ができたら1人でも海外旅行に行きます。昨年は焼き肉が食べたくて弾丸で韓国に行きました(笑)。サムギョプサルの美味しいお店があるんですよ。お酒は辞めたので美味しいものを食べ歩きます。また海外の様々な文化に触れると刺激にもなりますし日本人でよかったと感謝の気持ちもわいてきます、なんといっても一番はリフレッシュできることですね。
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