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創業150年の食品総合商社 地域密着で九州の食を支える 亀井通産株式会社の遠山社長

創業150年の食品総合商社 地域密着で九州の食を支える 亀井通産株式会社の遠山社長

遠山靖(とおやまやすし):亀井通産株式会社・代表取締役社長。氷川町出身。八代高校、熊本商科大学(現熊本学園大学)を卒業後、1992年同社に入社。主に営業畑を歩き、2011年1月フードサービス部部長、2015年1月常務執行役員、2016年4月専務執行役員、2017年3月から取締役副社長を経て2018年3月より現職。

食の流通をトータルで提案し、地方問屋の存在価値を示す

ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えて下さい。

遠山靖社長(以下、遠山社長):1869年(明治2年)に「屋号:かめや」という乾物問屋からスタートし、今年で創業151年を迎えました。現在は総合食品商社として市販用食品と業務用食品という2つの事業を中心に、九州一円のお客様に対して、商品の安定供給はもちろん、新商品の案内、売場作りのサポートなどを行っています。
市販用食品とはスーパーや量販店、ドラッグストア、百貨店などに並ぶような加工食品(調味料や麺類、缶詰など)・チルド品(豆腐や牛乳、ヨーグルトなど)・冷凍品など。また、業務用食品とは学校・病院・老健施設などへ提供する給食食材や、ホテル・居酒屋・カフェ・レストランなどの外食向け、弁当店や仕出し向けの惣菜食品となります。仕入先は全国各地の食品メーカーおよび商社約1100社、取り扱いアイテムは約35,000点、納入先は九州一円の約950社と熊本県内の食品卸売業としてトップクラスのシェアを誇っています。

現在の売上高は約190億円で5~6割が業務用食品となっています。以前は売上げの8~9割は市販用食品でしたが、約20年前に熊本地場の大手量販店2社の倒産により、県外資本の量販店やドラッグストアの県内出店が始まりました。将来を見据え、商売のあり方を根本的に見直したことが今の売上・利益の安定に繋がっています。

編集部:創業から150年続く貴社の強みは?

遠山社長:総合食品商社として「提案力」「商品力」「物流」「システム」「人材」の5つが当社の強みだと考えています。特に、自社開発のオリジナル基幹システム「AKIRES(アキレス)」と徹底した品質管理システムを備えた全温度帯対応型物流拠点により、機能的で迅速な配送を実現しています。
加えて、地域密着の総合食品商社だからこそできる、お客様への柔軟な対応と丁寧なフォローには徹底的に力を注いでいます。スーパーや量販店など、お客様の規模が大きくなれば価格競争となり、私たちのように、資本力に劣る地場中小企業は太刀打ちできません。そこで当社は、以前よりお取引を頂いている熊本・福岡県内のお客様を中心に徹底したサポートを行う戦略をとっています。食品市場は流行り廃りが激しく、目まぐるしく変化していきます。一方、地方には独特の食文化もあります。時流・マーケット・地域性・顧客事情などを熟知し、練り上げた商品提案やメニュー開発・売り方・売り場づくり・オリジナル販促企画などは、必ずお客様の売上げUPにつながると自信を持っています。「トレンド×地域密着」が当社の最大の武器であり存在価値だと考えています。

「変革と団結」から全員参加の「未来づくり」へ

編集部:社長がご就任されて3年目となりますが、現在の方針やメッセ―ジをお伺いできますか?

遠山社長:92年に新卒で入社しました。主に営業畑で執行役員を経て、2018年3月に代表取締役社長に任命されました。歴史ある会社ですから、責任の重さを実感しつつ、新しいことに果敢にチャレンジしようと「変革と団結」というスローガンを掲げてスタートしたのが3年前です。
2020年は新たに「未来を創る」というスローガンに変更しています。食品業界にも波はありますので、成長を続けるには常に新しいチャレンジが必要です。戦略や方針は経営陣が決定しますが、社員全員に危機感と経営的視点を持って欲しいと考えています。自分たちで「会社の未来を創る」ということに対して少しでも興味を持ち、やりたいという人が出てきてくれると嬉しいですね。

編集部:トップダウンではなくボトムアップ型ということですか?

遠山社長:そうです。私1人のアイデアよりも、200人のアイデアの方が良いに決まっているし、決まったことをやらされるよりも、自分で考え行動できた方が楽しいじゃないですか!…。社員の意見やアイデアが、どんどん上がってくる風通しの良い会社にしていきたいと考えています。皆で考え、決めたことを何としても達成する企業文化を創りたいですね。
実際に、中期経営計画の作成を一部の社員に任せています。私自身も15年くらい前に、中期経営計画の作成を経験したことが今につながっていると実感しています。当時、経営の事は全く分かりませんでしたが、真剣に考えることで、モノの見方や考え方が変化した体験をしました。

社員には、会社の経営に関わる機会をこちらから与えることで、当事者意識が少しずつ芽生えるのでは?…と期待しています。経営計画を会議で発表することにより、参加した人たちがよく考え、新しい発想がうまれます。また、参加した人たちが各部署に戻ってメンバーに共有するようになると、メンバーの中から次の経営計画の作成を任せられる人が出てくる・・・という好循環が生まれるのではないかと考えています。最終的には中長期経営計画の作成も「私がやります!」といった社員が出てきて、全く口を出さずに任せられるようになるのが理想ですね。

編集部:「未来を創る」ために取組んでいることは?

遠山社長:一つは南九州エリアの展開です。20年8月には南九州エリアに向けて、よりスピーディーで細やかなサービスの提供のため、鹿児島市内に営業担当者の駐在所を開設しました。また長年培ってきた食のプロとしてのノウハウや商品発掘力を活かし、プライベートブランド(PB)商品の開発を強化します。「下関直送の磯かま」や「極上チーズちくわ」、「カキフライ」など、食の宝庫九州を中心に、安全・安心・品質に優れた食材を探し出し、素材を活かした商品を提供していきたいと考えています。

仕事の始まりは「好奇心」がすべて

編集部: 営業スタイルにも変化があるのでしょうか?

遠山社長:そうですね。私の営業マン時代は、1人当たりの売上・件数目標はかなり多かったですね。今はシステム入力など付帯作業が増えているので、私からすると大変そうです…(笑)。また、価格面に関するお客様からの要望が増え、プレッシャーは大きくなっているかもしれません。
一方で今でも変わらない当社の営業の魅力は、営業担当者に裁量があることです。年齢や経験年数に関わらず、担当顧客を任された時から、亀井通産の代表としてお客様と接することになります。そのため、お客様を一番熟知している営業担当者に任せた方が、お客様のお役に立てると考えているからです。お客様のために一緒に考えて事業発展につなげる事ができる、やりがいも大きい仕事であることは間違いありません。

編集部:提案力・仕掛けが大事になってきますね。

遠山社長:大事ですね!当社では、取引メーカーと協力して旬やトレンド、売れ筋・おすすめの商品などを一堂に集めた独自の提案会を年に3回開催しています。もちろん日々の情報提供も行っていますが、提案会に来場いただくことで新たな課題や要望を頂くことも少なくありません。
また、最近は店舗運営に関する相談を受けることも増えています。例えば、人手不足に関するご相談の場合は、少人数で店舗を回すために店内調理が不要な「自然解凍のお惣菜」などを提案します。また、廃棄物処理に関する課題に対しては、ゴミにならない「土に還る食品トレー」をご紹介するなど・・・、食材にとどまらず、消費財・システムなど提案できる商材も多岐におよびます。まずは、そこまで対応していることを知っていただくことも大切ですね。

編集部:求める人物像を教えてください。

遠山社長:一番は好奇心旺盛な人ですね。私は、仕事の始まりは好奇心が全てだと思っています。新卒でも中途でも、食に関心を持ち仕事や会社を好きになろうとする人はすぐに結果を出します。いろんな事に関心を持ち、仕事に落とし込めるような人材が良いですね。

編集部:休日は何をされていますか?

遠山社長:愛車に乗って阿蘇や天草へドライブしています。運転が上手なわけではありませんが好きですね。仕事柄もありますが、遠出して美味しいものを食べて情報収集しています。去年は鹿児島に何度も行きましたが、地元の方が教えてくれる居酒屋やラーメン店など足を運びました。

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