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「金融サービスの深化」と「地域価値共創事業の探索」で九州の発展を担う。九州フィナンシャルグループの縄田執行役員

「金融サービスの深化」と「地域価値共創事業の探索」で九州の発展を担う。九州フィナンシャルグループの縄田執行役員

縄田聡子(なわたさとこ):株式会社九州フィナンシャルグループ・執行役員/人事・総務部長。熊本県熊本市出身。熊本県立大学卒業後、1991年4月株式会社肥後銀行入社。2015年6月株式会社肥後銀行 総務部総務・企画グループ企画役、2019年10月株式会社九州フィナンシャルグループ 広報・IR部長就任、2021年4月株式会社肥後銀行 総務部長就任、2022年4月株式会社肥後銀行 阿蘇ブロック統括店長兼宮地支店長、2023年4月株式会社九州フィナンシャルグループ 執行役員 人事・総務部長就任。

10年・20年先を見据えた経営統合。

ココクマ編集部(以下、編集部):九州フィナンシャルグループについて、教えてください。

縄田聡子執行役員(以下、縄田執行役員):九州フィナンシャルグループ(以下KFG)は、肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合し、銀行持株会社として2015年に誕生しました。経営基盤が盤石な健全行である熊本県と鹿児島県のトップバンクの統合とあって、全国的にも注目されましたが、これは10年先・20年先を見据えた取り組みなのです。

21年にスタートした第3次グループ中期経営計画は、2030年度を見据えた「共創ビジョン」として「お客様、地域、社員とともに、より良い未来を創造する『地域価値共創グループ』への進化」を掲げ、KFGが有する『総合的な金融サービスの更なる深化』とともに、地域とKFGのより良い未来を創造する『地域価値共創事業の探索』という両輪に取り組んできました。最終年である24年3月期の経常収益は2,225億円(前年度より81億円の増加)、当期純利益は前年度比17億円増の263億円となり、過去最高益(統合初年度の特殊要因を除く)を記録しました。

編集部:最高益を更新した具体的な取り組みを教えてください。

縄田執行役員:『金融サービスの深化』では、TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)の進出が大きいですね。22年1月に肥後銀行で半導体プロジェクトチームを発足していましたが、さらなる拡大を見据えて23年4月には「半導体クラスター推進室」へと昇格させました。TSMCにとどまらず、半導体関連の進出企業への直接的な金融支援と、そこに付随する住宅や宿泊施設の建設といった支援まで幅を広げました。その結果、TSMC関連における融資実績は24年3月末時点で約1,450億円まで拡大しました。

『地域価値共創事業の探索』においても幅広い取り組みを行い、それぞれが成果を出し、大きく成長しています。例えば、「資金はあるが人材が不足している」というお客様には、グループ会社の肥銀オフィスビジネス株式会社が人材紹介や派遣などのサービスを提供しています。22年7月に業務を開始した九州みらいインベストメンツ株式会社ではアセットマネジメント業務を手がけ、初年度から黒字化を達成しています。デジタル投資やDX推進は、お問合せが急増している分野ですが、これはグループ会社である九州デジタルソリューションズ株式会社が担い、顧客ごとに異なる環境・ニーズにきめ細やかに対応し、事業運営・職場環境の改革の支援を行っています。23年4月には、地域事業者の国内・海外販路の拡大支援を担う株式会社九州みらい Creationを設立しました。EC サイト「よかもーる」を立ち上げ、熊本・鹿児島の海の幸・山の幸・工芸品など地元の特産物を日本から世界へと販売し、地域商社の役割を担う存在へと成長しているところです。

これらの取り組みすべては、地域の産業・科学技術の成長、教育・文化の向上といった地域の価値を高めていくこと、最終的には地元の事業者が自律的に成長し、九州全体の経済効果もあげていくことが目標です。
目先の利益だけを追うのではなく、長期にわたり発展していけるよう、今後も継続的に支援を続けていきます。

「意志のある未来」を切り開き、『地域価値共創グループ』への進化を目指す。

編集部: これからのKFGについて、教えてください。

縄田執行役員:24年4月「躍進」をスローガンに掲げ、第4次グループ中期経営計画がスタートしました。これまでの「協働」「融合」「改革」の取り組みの成果やTMSC進出による地域経済の拡大をふまえ、「地域価値共創事業」のグループ連結当期純利益の当初目標を400億円から500億円へと上方修正しています。この高い目標を掲げた背景には、「成り行きの未来」から「意志のある未来」を切り開いていこうという強い志があります。

地方銀行を取り巻く環境は、決して楽観できるものではありません。出生率の低下、少子高齢化、地方経済の縮小など地方の現状は厳しい状態にあります。しかし、私たちは「日本は地方にこそ可能性がある」と考えています。
KFGの地元、熊本・鹿児島・宮崎には豊かな自然、文化、人の心の温かさがあり、東京など大都市圏と比べ、お金だけでは換算できない価値、ここにしかない価値と無限の可能性があります。厳しい環境に嘆いて何もしなければ地方経済は確実に衰退していく、それは「成り行きの未来」というものです。それに対し、KFGが目指すのは「意志のある未来」です。

人口が少ないのであれば、それだけ環境負荷の低い社会を築くことができますし、DX化で補うこともできます。新たな産業を創生できれば、街・地域が活性化し、生活水準を保ちながら暮らすことができるでしょう。豊かな自然と暮らしやすい環境、そして仕事が整えば、そこに魅力を感じた人が移住し、人口減少という課題も解決していけます。

いま、KFG内では、地域の発展のための新規事業が続々と立ち上がっています。新しいことをどんどん仕掛けており、それをカタチにするスピードも早くなっていますので、ますます拡大・挑戦していくKFGに期待して欲しいと考えています。

挑戦する人に任せる風土。はたらきがいの向上と女性の活躍を推進する。

編集部: KFGにおいて求められる人材とは?

縄田執行役員:KFGは、グループ全体を管理・統括する役割を担っています。肥後銀行・鹿児島銀行の監査部・市場リスク管理からグループ各社・グループ全体における各種企画、広報、採用も当社が手がけています。そんな当社が求めるのは、専門性の高い人材です。リスク管理、事業企画、広報、人事などの経験やスキルがある方を求めています。これらの専門的な知識や経験があれば金融業界経験については問いません。もちろん金融やDX、セキュリティに関わる業務の経験があり、金融業界で活躍したい方も大歓迎です。グループの中に多彩な業務・ポジションがありますので、スキルを活かせる場をご紹介することができます。そしてなにより、「地域の発展」に貢献したい、この想いのある方に来て頂きたいですね。

編集部: 仕事をするうえで、大切にされていることは?

縄田執行役員:「その地域にどんな金融機関があるかで、その地域の未来が変わる。」と考えています。私たちの仕事は地域を発展させること。民間の企業ですので、何をするにしても収益というのは当然意識しなければなりませんが、目先の数字ばかりを追求したのでは意味がありません。「私たちは、お客様や地域の皆様とともに、お客様の資産や事業、地域の産業や自然・文化を育て、守り、引き継ぐことで、地域の未来を創造していくために存在している」という「自分の存在意義(パーパス)」を心に刻み、取り組んでいます。一本筋の通った信念・行動指針があれば、どの部門・仕事においても「『地域価値共創グループ』への進化」につながっていくはずですから。

編集部: 意思疎通や想いの共有に力を入れられているとか…

縄田執行役員:日頃からコミュニケーションは活発ですが、それに加え、定期的な座談会などコミュニケーションの場も設けています。また、動画配信にも力を入れています。私が広報担当時に肥後銀行内に放送局を開設し、動画のニュース配信を始め、同時に取材・撮影・編集等のノウハウを蓄積しました。視覚情報に訴える動画による広報活動は、かなり定着しました。KFGでも昨年、本社内に「KFGグリーンスタジオ」を新設し、年頭挨拶、中期経営計画会議や支店長会議などの収録・編集・配信も行い、スピーディーな情報発信やコミュニケーションツールとして活用しています。本社・本部からの通達・配信だけでなく、相互でコミュニケーションを行うことで、よりよい仕事・風土を生み出していると思います。

編集部: ベースアップや福利厚生の充実など、働きやすさへの改革にも取り組まれているんですね。

縄田執行役員:待遇面では、物価上昇など社会状況への対応、従業員のエンゲージメント向上、優秀な人材を確保していくために定期昇給及びベースアップを行っています。2024年度は5%以上の賃上げを実施し、2024年度も5%以上の賃上げを決定しています。ファイナンシャル・ウェルネスに向けた取り組みとしては、従業員持株会制度、選択型 DC、財形貯蓄制度なども用意しており、生産性向上に向けては時差勤務制度や健康維持のためのインターバル勤務、テレワークの体制も整備しています。健康診断・人間ドック費用補助やメンタルヘルスケアなど健康増進にも力を入れています。また有給休暇促進により2023年度平均有給休暇取得日数は15日以上となりました。

編集部: 女性が活躍し続けられる環境づくりにも力をいれているそうですね。

縄田執行役員: すべての女性が意欲を持ち、キャリアの継続と能力の発揮を可能とする職場環境の実現に向け、グループをあげて取り組んでいます。賃金・待遇での男女差ありませんが、オフィスカジュアルを導入し、これまで女性のみに支給されていた事務服は廃止しました。結婚し、子どもを持っても安心して働けるよう肥後銀行・鹿児島銀行では事業所内に保育園を設置。不安なく育休を取得し、復帰できるよう育休者懇談会なども開催しており、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」として「プラチナくるみん」にも認定されました。現在、女性管理職の比率は、肥後銀行で14.9%、鹿児島銀行で10.5%。女性リーダー候補者の計画的な育成・異動・配置を行うことで、比率も年々アップしており、実際にグループ内で女性社長も誕生しています。

私自身のお話をすると、入社してからこれまで、女性だからと壁を感じたことはあまりありません。親の介護が必要になった時、仕事も忙しく両立は厳しいかも、と思ったのですが、職場の先輩や同僚がサポートしてくれたので乗り切ることができました。一昨年には支店長を務めたのですが、現場経験もなかった私は発令が出た時に「絶対無理です」と上司に弱音を吐いたくらい不安でした。でも実際に赴任してみたらすべての経験が新鮮で得ることが多く、こんな機会を与えられたことにとても感謝しています。

「挑戦したい人に任せよう」と社長もいつも言われていますが、その一方で私の支店長経験のように、他人から与えられたチャンスも、自分自身が大きく変われるチャンスです。KFGに入ったからには新しい世界にどんどんチャレンジしてほしいですし、そのためのサポートは惜しみません。

「金融サービスの深化」と「地域価値共創事業の探索」で九州の発展を担う。九州フィナンシャルグループの縄田執行役員

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