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 【東京で活躍する熊本出身の経営者シリーズ①】 デジタルマーケティング分野におけるアジアNo.1シェアを目指す、スターティアホールディングス株式会社の本郷社長

 【東京で活躍する熊本出身の経営者シリーズ①】 デジタルマーケティング分野におけるアジアNo.1シェアを目指す、スターティアホールディングス株式会社の本郷社長

本郷秀之(ほんごうひでゆき):スターティアホールディングス株式会社・代表取締役社長 兼 最高経営責任者。長洲町出身。東京のホテル専門学校へ進学。ホテルのボーイ、布団販売、情報機器販売の営業などを経て、1996年に有限会社テレコムネットを設立。2004年商号をスターティア株式会社に変更。05年東証マザーズ上場。15年東証一部上場。18年商号をスターティアホールディングス株式会社に変更。同年には、熊本の就学困難者に対する奨学援助を⾏う「公益財団法人ほしのわ」・熊本の起業家を支援する「一般社団法人熊本創生企業家ネットワーク」を設立、それぞれの代表理事も務める。

3年で50億円の投資、デジタルマーケティング分野におけるアジア№1のシェア獲得を目指す。

ココクマ編集部(以下、編集部)創業25周年おめでとうございます。

本郷秀之社長(以下、本郷社長)ありがとうございます。当社は1996年に現在の主力事業でもある「ITインフラ関連事業」からスタートしました。市外電話や国際電話の販売代理から、電話機・コピー機・ネットワーク環境整備やウェブサービスへと事業領域を拡大していきました。顧客から要望があれば「何とかします」と答え、それから解決策を必死で考えることで、技術や知識・ノウハウを蓄積していきました。もう一つの事業の柱が、「デジタルマーケティング関連事業」。電子ブック作成ソフト(ActiBook)、市場導入シェア国内プロバイダーNo.1のMAツールBowNow(バウナウ)や、1900社の導⼊実績を持つARアプリのCOCOAR2(ココアル)などのITツール(SaaSサービス)などを活用して企業の売上を伸ばすお手伝いを行うサービスを行っています。

編集部:「CloudCIRCUS(クラウドサーカス)」が好調だとか

本郷社長おかげさまで、弊社のITツールの大半が導入シェア国内1位か2位です。それぞれのブランド力の高いSaaSツールをワンパッケージにしたサービスが「CloudCIRCUS(クラウドサーカス)」です。企業が業績を上げるために必要となる「情報発信」「集客」「顧客体験価値向上」「見込顧客育成と顧客化」「解約防止・リピート増」を実現するためのSaaSツールが揃っています。TVCMの効果も絶大で、現在問い合わせへの対応に追われています(笑)。

編集部:中期経営計画「NEXT’S 2025」を発表されましたね

本郷社長これは私達の新たな挑戦です。デジタルマーケティング関連事業においてはSaaS型のサブスクリプションモデルに大きく舵を切り、戦略的な投資による開発体制の強化並びに、ブランド強化を推進し、中長期的な高収益化成長とデジタルマーケティング分野におけるアジア№1のシェア獲得を目指していきます。

また、ITインフラ関連事業においては商材と販売エリアのさらなる拡充を進めオーガニック成長を遂げていきます。IT業界における時代の変化に乗り遅れることなく事業やサービスにおけるDXを展開すると共に、社内業務環境においてもDXを推進し業務効率化による生産性向上に取り組み、企業価値向上に努めていきたいと考えています。

経営人材を育成し、成長し続ける組織をつくる

編集部:創業の経緯は?

本郷社長実は、もともと起業しようと思っていたわけではないのです。私は長洲町の出身で、進学塾を開いていた父からは幼い頃から勉強しろと言われて育ちました。当時は勉強にあまり興味がなく、とにかく外の世界を見てみたいという気持ちが強く、高校卒業後に上京し、ホテルの専門学校で学びながら実際にホテルのベルボーイとして働きました。ホテルマンになりたいというよりも、ホテルマンになったら海外で仕事ができると思ったからです。ですが、実際に働いているともっと厳しい世界に挑戦したいという思いが強くなり、布団の訪問販売の会社に入社して6年間営業の修行を積んだ後に、情報通信機器の販売会社に入りましたが、その会社が乱脈経営で倒産。当時の部下たちから「本郷さんが社長をやるなら、僕らはついて行きます」のこの言葉で独立を決意。「会社は絶対つぶしてはいけない」「経営者は人の道に反してはいけない」「上司は部下以上に働かないといけない」と心に決めたのが29歳のときでした。

編集部:デジタルマーケティング事業はどのようにして誕生したのですか?

本郷社長2006年くらいからモノを所有する時代ではなくなる、ストックビジネス(今でいうサブスクリプションやSaaSモデル)に変わっていくのでは?と…。当時、ITインフラ事業がなくなるとは思っていませんでしたが、この事業を駆逐してしまうような新たな商品やサービスが台頭するのであれば、それは自分たちでありたいと考えたのです。そこで抜擢したのが新卒で入社した若手社員。私たちの成功体験とは全く異なる事業で権限を与えて任せ立ち上げたのが電子ブック作成ソフト(ActiBook)。ここからデジタルマーケティング事業がスタートしました。

編集部:若手社員にも場や機会を与えるのですね

本郷社長「仕事の報酬は仕事」だと考えています。チャレンジングな仕事やポストを与えて続ける、そのためにも企業は成長させないといけないのです。これからアジアでNo.1のITサービスを創る。そしてアジアを舞台にした、これからの事業を担う経営陣を育てることが、僕の最後のミッションです。各事業部を株式会社化し、次のリーダーたちに実際に企業を経営してもらいます。それが、一番の経営人材の育成になるからです。自分のことを振り返っても、一番成長したのは、誰も助けてくれない環境で、腹をくくって仕事をしたときです。神輿はかつぐ人間が増えると、必ず全力を出さない人間が現れます。それが大企業病です。でも弊社は、どんなに社員が増えても、一人ひとりの社員が覚悟を持った、ベンチャー精神を失いたくない。そのためにも責任と権限を委譲し、組織を細分化していくことが大事です。1万人の大企業をつくるより、社員100人の会社を100個つくることを目指しています。

「雇用と納税」で熊本の復興を進めていきたい

編集部:熊本創生企業家ネットワーク設立の経緯は?

本郷社長:ちょうど50歳の時に熊本地震が起きました。交流があった熊本の経営者に、かなり深刻な状況であることを聞き、熊本に帰ってみたんですね。飛行機から熊本の街並みを見下ろした時の屋根にかかったブルーシートの数にびっくり、そして崩壊した熊本城ですね‥‥。ふるさと納税をしたり義援金を送ったりする中で、これでは根本的な解決にならない、起業家にしかできない事は何か?を本気で考えました。

いきついたのが「雇用と納税」です。これまで私が学んだこと、失敗してきたことを共有することで、熊本の経営者を育て、熊本の企業の売上を増加させ、雇用も増やしていくこと、そして納税額も増加させていくことで経済的に良い循環を作っていくことだと考え、「熊本創生企業家ネットワーク」を立ち上げたのです。ネットワークが目標に掲げているのが「100・10・1プロジェクト(会員数100社・会員100社が10人の雇用を生み出す・1社1億の利益を増やす)」です。これにより熊本県に1000人の雇用と100億の事業収入をもたらしたいと考えています。

編集部:「公益財団法人ほしのわ」も設立されましたね

本郷社長熊本県の高等専門学校(4年生以上)、専修学校及び大学に在籍する学生で、工学・情報学に関する分野を専攻する経済的理由により就学継続が困難な学生に対し、返済不要の奨学金援助を行うことを目的として設立いたしました。熊本の事を勉強していくと、震災以前より高卒の4割、大卒の6割が県外で就職し、少子高齢化が深刻化していく事を知り驚きました。2年前から熊本大学との共同研究をスタート、また客員教授として講座も担当しています。講義ではIT業界の話を中心に、世の中でどういうことが起きているのか?DXとは?グローバル化とは?など、経営者目線で学生たちに刺激を与えています。一方で熊本にも面白いベンチャー企業や魅力的な経営者がたくさんいることも伝えています。

編集部:素晴らしい活動ですね

本郷社長最終的には、「熊本創生企業家ネットワーク」の経営者と学生のマッチング出来たらなあと…。経営者が「5年後10年後、こんなサービスで世の中を変えるんだ!」と未来を語り、優秀な学生がビジョンに共感し、企業をストレッチさせるような展開になればいいなあと考えています。事実、弊社の躍進を支えてくれたのは、間違いなく新卒です。業界に先駆けて新卒採用を実施し、どんなに厳しい時でも採用し続けてきました。新卒が会社のカルチャーを受け継ぎ、新たなチャレンジを生み出しています。電子ブックもITツールも優秀な若手社員を採用し続けたから今があるのです。

編集部:熊本に拠点を開設されますね

本郷社長2021年2月に熊本市と立地協定を締結しました。オフィスの地方分散を図った事業活動の強化と障害者の雇用促進を目的に、熊本市中央区に事業所を新設します。22年3月期の従業員数は5名(うち障害者3名)、24年3月期には15名(うち障害者10名)への拡充を計画しています。障害者の業務は、当グループの委託業務のみならず、RPAやAI-OCRを活用して過去の紙文書をデータ化するなどBPO業務の受託活動を行い、企業のペーパレスを推進します。採用は熊本県内を中心に行い、地域の雇用創出に貢献するとともに、県外からのU・Iターンの採用も積極的に行い、熊本の発展に貢献したいと考えています。

編集部:熊本どうですか?

本郷社長「こんな田舎から早く出たい」と18歳で上京しましたが、熊本いいですね!(笑)。熊本には素晴らしい経営者やコンテンツのある老舗の店舗、自然豊かで水もキレイで米もおいしい。

でも、この恵まれた環境にあぐらをかいてはいけないと思います。起業家が「雇用と納税」という社会的責任を果たすことを最大のミッションとして頑張らなくてはいけないと思いますね。雇用を守るというよりは雇用を増やす。利益を増やして納税額を増やしていくということが、起業家ができる最大の復興支援・使命だと思って勇気をもってDX化を進めて頂きたいと思いますし、そのお手伝いができればと思っています。DXを上手く活用して、新しい事業モデルや収益構造を構築し、現状維持ではなく、成長していくと。攻めていくという発想になってもらえたらいいなとすごく思います。

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