熊本の未来をつくる経営者
目指すは「九州No.1のシンクタンク」 熊本の経済を下支えする九州トップクラスの税理士法人 さくら優和パートナーズの岡野代表
岡野訓(おかのさとる):税理士法人さくら優和パートナーズ・代表社員税理士。天草郡苓北町出身。天草高校・大阪教育大学を卒業後、肥後銀行・会計事務所勤務を経て2001年11月税理士登録。2002年6月岡野会計事務所開設。2008年11月宮部税理士事務所(熊本市)と合併し税理士法人熊和(ゆうわ)パートナーズを設立、代表社員就任。2015年さくら優和パートナーズへ組織名を変更。2019年10月には熊本駅前(熊本市西区二本木)に現在の新事務所を開設。
経営者の課題解決のパートナー
ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えて頂けますか?
岡野訓代表(以下、岡野代表):一般税務・会計・相続業務支援のほか、グループ会社(㈱優和コンサルティング)にてM&A・事業承継支援・黒字化支援・資産防衛支援の3本柱を軸に中小企業の経営支援に取り組んでいます。九州最大規模の税理士法人として九州全域をカバー、従業員数は100名以上(うち税理士が14名、会計士1名、中小企業診断士3名)が在籍しています。お客様からのご紹介を中心に、顧問先も毎年50社ペースで増加、現時点で2700件を超えています。
さくら優和グループは、税務・会計・相続とどまらず、経営改革・M&A・事業承継・資産活用・企業再生など、各分野における知識・実績を有した専門家集団であることが強み。経営者の課題解決のパートナーとしてトータルサポートする体制を構築しています。目指すは「九州No.1のシンクタンク」。これからも人材採用を積極的に行うことで強い組織をつくり、スピーディーかつ的確なご助言がワンストップでできるよう、さらに体制を強化していきたいと考えています。
編集部:起業のきっかけは?
岡野代表:大学を卒業して地元の銀行に就職しました。中小企業の経営者へ金融サービスを提供する渉外担当として、お客様の役に立ちたくて一生懸命提案するのですが、最終的には「わかりました、顧問の税理士に聞いてみます。」という返事ばかり・・・。中小企業経営者の役に立ちたいなら銀行員よりも税理士になった方が早い!と思ったんです。それからは早かったですね(笑)。1年半務めた銀行を辞め、アルバイトをしながら、税理士試験の勉強に取り掛かりました。もちろん起業するつもりでした。
編集部:九州トップクラスの規模を誇るまでに成長された原動力は何なのですか?
岡野代表:独立前に会計事務所で修行させてもらっていたのですが、とあるお客様が駆け込みでいらっしゃったんです。「東京の会計事務所に会社分割の依頼をしたが失敗した。その上、何も責任を取ってくれないと・・・」と困られていたのです。契約書には「当社は責任を負いません」と書いてあるんですね。無責任さを感じつつ、東京の事務所に負けない、熊本の企業を守れるような事務所を創ろう!と火が付きましたね(笑)。元々困った人を放っておけない性分なので、クライアントの依頼に、よりよい質・スピードでもってお応えし続けてきた結果ですね。
専門家集団としてお客様の黒字化100%を目指す
編集部:どのようなご相談が多いですか?
岡野代表:お客様からの要望が多いのは事業承継支援ですね。また、コロナの影響もあり資金繰り関係の経営支援、最近は上場に向けたストックオプションの発行依頼なども増えてきています。また、有り難いことに同業でもある税理士の先生から事業承継やM&Aなどで悩まれている経営者様のご紹介をいただくことも多くなりました。
編集部:このような連携は多いのですか?
岡野代表:企業や経営者が抱える「課題」は多種多様で時代とともに変化しており、税務申告を主にされている個人の税理士事務所では手に負えなくなっているのです。例えば、お客様のところで相続税の申告をお願いしますとなった時に、ご子息に譲られる場合には財産評価もしなくてはいけません。また、M&Aによる株式譲渡や株式の上場などのご相談が出てきた場合には、複雑な課題を一つずつ解決していかなければならず時間がかかってしまいます。
その点、当社では65名のスタッフが不動産、相続、M&A、事業承継・・・など、11の専門チームに分かれていて、幅広い依頼に高い専門性で応えることができます。お客様にスピーディーかつ高いサービス品質を提供できるため任せていただけるのです。この専門性は当社の最大の強みでもあり、社員にとっても適性に合った分野の業務に専門特化できるため、能力とモチベーションの向上にもつながっています。
編集部:企業の黒字化にも注力していますね
岡野代表:当社のクライアントの黒字化率が8割程度です。全国平均が3割程度ですので現時点でも非常に高い数値ではありますが、満足はしていません。現在、産学連携でESG投資の評価指標作成にも取り組んでいます。これは経営支援のためのチェックリストでもあります。経営状況を数値化することで何から着手するのか?などが分かりやすく示せるのです。また、顧問先のSDGsの達成に向けた経営支援もおこなっています。とある研究所の調査報告書によると、SDGsに取り組んでいる企業は取り組んでいない企業より黒字化率が高いと報告されています。ちなみに当社でもSDGsへの取り組みは積極的におこなっており、熊本県SDGs登録制度の第1期登録事業者にも認定されました。
専門性の深さと幅を広げ、さらに強固な組織へ
編集部:九州全域で業務を展開されていますが、今後目指すところを教えてください。
岡野代表:福岡と鹿児島にも拠点を設け、従業員125名の組織に成長できたことは、かなりのインパクトがあるのでは?と思います。今後は拠点を展開していくというよりは、専門領域を拡大・深化させたいと考えています。創業の想いである「経営者のお困りごとをワンストップで解決しよう」の実現です。お客様のご要望がある限り、例えば人材領域やIT領域など様々なニーズに対応できる幅を広げていきたいと考えています。
また、熊本の雇用創出にも積極的に取り組んで行きたいですね。特に課題として捉えているのは学生の県外流出です。県内就職を増やすためにも雇用の場を拡大していく必要があります。企業の原資となる収益・利益がないと採用の枠は増えないわけですので、企業には儲かっていただかないといけません。顧問先の黒字100%を目指しているのもそのためです。雇用の受け皿を増やし、県内企業が成長し、消費が増えることで経済が回る。その結果、さらに雇用が増え、県内就職が増えるといった好循環をつくっていきたいと考えています。そのため、当社のテーマはやはり地方創生です。熊本をいかに発展させ、衰退しないように下支えするのか。それは民間企業だけでなく、官公庁も含めたところでお手伝いしようと考え、甲佐町のふるさと納税のコンサルティングもグループ会社で携わっています。
編集部:求める人材像を教えてください。
岡野代表:世の中に貢献したいとか、中小企業を応援したいという強い想いを持っている人は大歓迎です。OJTを中心として教育もおこなっていますので、資格は無くても大丈夫。広い視野で企業経営をサポートしていく、チャレンジ精神と気概のある人がいいですね。
私たちは熊本の経済を陰ながら支える役割を担っています。例えば、医療領域の担当をしているスタッフの場合、クリニックの経営状況や組織体制を把握した上で、会計・税務面等のサポートを行います。また、自治体から観光施設をつくるにあたって事業資金の相談を頂くこともあります。直接的に経営や、施設の建設に関わるわけではありませんが、民間企業や自治体、熊本という地域の活性化につながるような仕事に携わることができます。将来、観光施設ができた際に、「あれを手伝ったのはパパなんだよ」と子供に話ができれば自慢にもなりますよね。
私たちの仕事というのは表に出ることはありませんが、熊本県内で起こっている出来事にダイナミズムに関われる面白さが実はあるんです。民間企業や自治体の様々なプロジェクトに携わっているため、熊本経済の裏側を見れるようなイメージです。そういった当社の役割に興味を持っていただける方にはぜひ来て欲しいですね。
編集部:もっと知って欲しいですよね。
岡野代表:そうなんですよ。仕事柄、陰で支える存在なので、特に新卒採用においては大学生の方々には中々認知いただけませんので、手を変え、品を変え当社の事を理解して頂こうと試行錯誤しています(笑)。今年から、阿蘇にある1棟貸切ロッジで、2泊3日のインターンシップも行っています。日中はワークショップ、夜は庭でBBQをして楽しんでいただこうかと・・・。福利厚生の整備にも力を入れていて、男性の育休取得も積極的で、これまで3名が利用していますし、女性の取得率は100%です。社員の平均年齢は35歳、そして社員の半数以上は女性で、時短勤務や時間休暇取得など圧倒的な働き方改革を実践しています。もっと、多くの方に当社の魅力を知っていただき、一緒に熊本の経済の発展、雇用の創出につなげていきたいですね。
※写真撮影時のみマスクを外しています。