熊本の未来をつくる経営者
入社3年で社長に抜擢!「任せる」風土で新たな事業と人材を育成する 株式会社利他フーズの猪本社長
猪本真也(いのもとまさや):株式会社利他フーズ代表取締役社長。熊本市出身。熊本学園大学卒業後、映像制作会社に入社。その後独立し、ダブルワークで2016年同社にアルバイトとしてジョイン、17年に部長、18年に取締役を経て19年5月に現職。
チャレンジできる環境の中で次の経営者を育てたい
ココクマ編集部(以下、編集部) 社長就任おめでとうございます。スピード就任という印象を受けますが、経歴を教えていただけますか?
猪本真也社長(以下、猪本社長) ありがとうございます。僕は大学生の頃から「社長になりたい」と思っていたのですが、自分の描いていた道とは別の形で実現となりました。
もともと新卒で映像制作会社に就職しました。実は大学4年生の頃からアルバイトとして働いていた会社なんですよ。卒論を書く時間がないくらい仕事をしていました(笑)。映像制作の仕事をしながら空いた時間でWEBの勉強をしたいと思っていた頃、たまたま利他フーズのことを知りました。当時の倉崎社長(現会長)に無理やり会わせてもらい、何か仕事をさせてもらえないか直接交渉したんですよね。あとから聞いた話ですが、倉崎以外、私の入社を反対していたらしいのですが(笑)、2016年から特別にアルバイトとして関わらせてもらえるようになりました。
アルバイト入社の私に「新規事業をやってみないか?」と倉崎から言われ、即答でしたね。新規事業は馬肉ドッグフードの商品化と販売。新規事業と言ってもメンバーは私1人だったので、本や論文を読み漁りました。実際に売られているペットフードを購入してレシピの研究から、ブランディング、工場探し、販路開拓まで…。ゼロからスタートした新規事業を立ち上げた実績が今に繋がっていると思います。新規事業をまかせてもらえた倉崎の経営者としての器の大きさに魅力を感じました。
編集部 ビビりませんでしたか?
猪本社長 責任と同時に権限をもらって、僕自身楽しみながら自由にやらせてもらいましたね。
現在ドッグフード事業は2名、入社1-2年目の新卒コンビが事業を牽引しています。新商品の企画なども彼女たちが考えているんですよ。社員には早いタイミングでたくさんの経験を積んで欲しいと思っています。私みたいに新規事業に大胆にチャレンジできるよう、会社として挑戦できる環境を用意していきたいですね。
社員には役割を明確に提示して、結果を評価する方針にしています。プロセスにはあまり口出ししませんし、シンプルな人事評価です。レイヤーごとに、責任は変化しますが、責任に応じて権限を渡しています。権限があるからこそ責任感が生まれています。担当ごとの収益など数字は包み隠さず、皆が見ることができるようにしているので、社内でも良い意味で競争が生まれています。
編集部 任せることで社員が成長するということですね。
猪本社長 新卒採用向けの会社説明会でも、「他社では5年いないと経験できないことも、うちでは2年で経験させます。」というメッセージを意図的に発信しています。前社長の倉崎からバトンを受け継いだ段階で、私も次のバトンを渡していけるような人材を早く育てたいと考えています。
私はもともと自分で会社をつくろうと思っていたので、自分以外の誰かが創業した会社で社長になれるというのは新しい気づきでした。熊本にもそんな懐の深い会社があるというのも知って欲しいですね。
「答えはお客様の中にある」
編集部 馬肉ドッグフードの反響はいかがですか?
猪本社長 馬肉ドッグフード事業は大変好調で、前年同月比4~5倍の売上に成長しており全体売上の20%を占めるようになりました。まさに今が勝負所、積極的に投資をしていきたいと考えています。
編集部 競合商品も多いと思うのですが何故売上が伸びているのですか?
猪本社長 たしかにドッグフード業界は戦国時代で、新規プレイヤーの参入も相次いでいます。そのような中で当社のようなベンチャー企業の商品に注目が集まっているのは、「馬肉」という希少性があったからだと思います。馬刺しの通販で提供している人が食べる馬肉を原料として使用していますので、愛犬に安心して食べさせることができます。
実は、馬肉ドッグフードはお客様目線から生まれた商品なのです。安全で栄養化の高い食事を与えたいけど、生肉はコストもかかるし…保存も大変で解凍など手間もかかる…。そこで着想したのが、馬肉のドライフードでした。
また、1件の注文への感謝の気持ちを忘れないよう社員に徹底しています。インターネットで購入できる便利な時代だからこそ、ホームページの向こう側に、お電話の向こう側に、メールの向こう側に常に、お客様がいらっしゃることを第一に心掛けているところも、業績を伸ばせているポイントだと思います。
編集部 熊本県からも注目されているとか・・・
猪本社長 熊本県からご相談をいただいたところがきっかけでジビエにも注目しています。ジビエは高たんぱく低カロリーで馬肉に近く、犬にとって最適なお肉なので愛犬家たちに喜んでもらえるのではないかと思います。
熊本も害獣の農作物への被害が深刻化していると聞き、何とか力になりたいと思い商品開発に着手しました。お客様に喜んでもらえるだけでなく農作物への被害も軽減でき、地域貢献にも繋がる事業ですので力を入れていきたいですね。
社員には「答えはお客様の中にある」といつも伝えています。「この商品売れると思います!」みたいに、どうしても自分目線で考えがちですが、お客様の悩みを解決できる商品開発をこれからも心がけていきます。
会社を成長させ個人の成長に還元したい
編集部 今後力を入れていきたいのはどのような所ですか?
猪本社長 企業文化の構築に力を入れていきます。そのためにまず着手したのが企業理念の再構築です。「ITと食で豊かな一日をつくる」というビジョンを新たに掲げ、まずは社内に浸透させていきたいと考えています。社員には自分の会社を自慢できるようになって欲しいですね。そのためにも「所属意識」が必要だと思います。
会社が成長することで所属することの価値が高まりますし、個人の成長にも還元できる。また、個人が成長することで会社も成長できると思います。良い循環を作っていきたいですね。
編集部 新社屋はいいですね。
猪本社長 今年の9月に完成した新築のビル(SDK熊本ビル)です。並木坂の突き当りでロケーションも良く、デザイン・設備は熊本の中でも最高ではないでしょうか。リクルーティングの面でも効果があるのではないかと期待しています。働く場所もとても重要ですよね。RITA GROUPの価値を高めるために、市街地中心部への移転を決めました。
本来であればWEBの会社なので、情報の多い東京に本社を置いてもいいのですが、熊本に本社を置いている意味は「地方でもやれるぞ」という発信をしたいところが大きいです。あと単純に熊本がいいところだからですね。私も前職で東京にいましたが、熊本は改めて生活しやすいと実感しました。満員電車に乗っている時なんか、早く帰りたいと思っていました(笑)。
編集部 求める人材像を教えて下さい。
猪本社長 チャレンジ精神や成長意欲が高い方に来て欲しいです。WEB系人材の確保には特に力を入れたいですね。WEBマーケティングなどのエキスパートも重要ですが、これからWEBを学びたいという積極的な方も求めています。特にWEB業界はトレンドが早いので、「新しいことが好き」という感性も大事な要件かもしれないですね。
全員に成長のチャンスがある面白い会社だと思います。実際私のように入社して数年で社長になっているケースもありますから。
編集部 プライベートの過ごし方を教えて下さい。
猪本社長 映像関係の仕事をしていたくらいなので映画が好きです。SAKURA MACHIの映画館に早く行きたいですね。読書も大学時代から好きです。大学時代から社長になりたくて、色々本を買い込んで読んだりしました。その頃アルバイトでお金を貯めて50万円くらいのCD付きの教材を買ったこともあります(笑)。身銭を切ってきた経験が今につながっているのかもしれません(笑)。
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