熊本の未来をつくる経営者
関わる全ての人たちが自己実現と幸せな人生を実現できる会社を目指す サクセスリンク株式会社の山田社長
山田千鶴子(やまだちづこ):サクセスリンク株式会社・代表取締役社長。宮崎県出身。熊本大学医療技術大学部衛生技術科を卒業後、10年間臨床検査技師として勤務。1994年に同社入社。出産、子育てによる休職を経て、2005年専務として復帰。2018年より現職。
子どもの教育産業と健康教育産業で幸せを応援する
ココクマ編集部(以下、編集部):事業内容を教えて下さい。
山田千鶴子社長(以下、山田社長): 当社の主な事業は、個別指導の学習塾「明光義塾」および「ほねつぎ鍼灸接骨院」の運営です。1994年、「明光義塾」の帯山、健軍、武蔵ヶ丘の3教室同時オープンでスタートを切りました。当時の社長である山田浩之(現取締役会長)は、「日本の未来を創るのは次世代の子どもたちであり、世の中を変えていく根幹は子どもたちの教育だ」という想いで、創業立ち上げに教育事業を選んだそうです。
編集部:千鶴子社長のご入社もその頃で?
山田社長:はい、私も創業時のメンバーで、健軍教室の初代教室長を務めました。実は、それ以前は臨床検査技師だったのですが、心理学を学びたいと夜間の職業訓練校に通っていました。その繋がりで山田(浩之)に出会い、その人柄、創業の想いに感銘を受け、入社を決意しました。それまで教育の経験は全くなく、人を育てるというより「人が幸せになることを応援したい」という気持ちでしたね。
編集部:スタート後は順調でしたか?
山田社長:そうですね。当時は個別指導の先駆けで知名度も低かったのですが、私自身とスタッフの強みを活かし異例の紹介率により半年で生徒数が100人になり、全国表彰もいただきました。当社は創業時から「感性論哲学」を経営哲学にしています。「感性」を基本原理とすることは人生や人間の生き方において非常に大事なものだと考えています。教育とは「やったー!」という喜びと感動を味わわせること。長所をしっかり伸ばして、一緒に喜ぶ。そうすることで子どもたちがどんどん楽しく勉強するようになり、成績も伸びる。その姿に保護者もすごく喜んでくださって。一見、保護者は成績や志望校合格といった結果を求めているようですが、しっかり話を聞くと、みなさん共通して「子どもに幸せになってほしい」という願いに行き着きます。この思いに応え続けたことが、評判につながっていったと感じています。今では熊本県内で13教室を運営し、1000人ほどの生徒数規模になっています。
編集部:「ほねつぎ鍼灸接骨院」はどういった想いで始められたのですか?
山田社長:予防医学や東洋医学との統合医療による、健康教育や生活習慣の見直しによって健康な身体づくりを実現するためにスタートし、今年で8年目を迎えます。現在、長嶺・平成けやき通り・須屋の3院を運営しています。健康教育とは、健康になることがゴールではなく、健康になったあとの「やりたい」ことを考える、自己実現や前向きな生涯の過ごし方について教育していくことを目的としています。ベースは同じく、幸せになることの応援です。「感性論哲学」には、「健康」「成功」「幸せ」という3つの目標があるので、それを子どもの教育産業と健康教育産業の両方でしっかり叶えていきたいと思っています。
日本一の「人物教育実践塾」を目指す
編集部:10年のブランクがあって復帰されていますね。
山田社長:結婚を機に休職し、出産・子育てを経て復帰しました。実はその頃、会社がうまくいっているとは言い難い状況でした。当初は順調で教室数も増えていったのですが、会社が大きくなっていくと、当時の社長の意や理念を汲み取る組織ではなくなってきており、社員や講師が疲弊し、社内にはネガティブな発言が蔓延し、講師は人手不足、生徒数も激減。そんな状況をなんとか変えなければと強く思い、復帰しました。
復帰後まずしたことは、「聞く」こと。社員や主任講師と徹底的に向き合う中で、やるべき2つの大きな役割に気が付きました。1つ目は、経営理念やビジョンに込められた、創業者の教育にかける想い、その教育を実現させられる会社でありたいという想いをしっかり代弁して社員や講師に伝えていきたいということ。そして、それができるのは創業メンバーである私しかいないと思い、社長(当時)と社員のつなぎ役になろうと決めました。2つ目は、社員やアルバイト講師がここで働けて良かったと思えるような環境にするため、働く人の幸せも実現できる会社づくりをしていきたいということ。その2つでした。
編集部:経営理念やビジョンが浸透すると会社は変わりましたか?
山田社長:驚くほど変わりましたね。当社の経営理念は、『自己実現と感謝』。会社にも社員にも感謝する、関わるすべての人を顧客として捉え、社員の自己実現も支援する。そのために、社員の長所や強みを引き出すようにしました。私が大切にしたのは成功事例の発表。なぜ成功したのかプロセスを共有し、みんなで称賛しました。会議では小学生の発表のように思いっきり挙手し合いましたね。そしてみんなで拍手。もう一つは、社員同士ニックネームで呼び合うこと。これがきっかけで上司・部下の関係性は大きく変わり、日頃の報連相がスムーズになり、話しやすい関係性が作られてきました。
編集部:「人物教育実践塾」とは何ですか?
山田社長:「人物教育」とは、能力だけでなく、人間力も育んでいく教育です。成績を上げる、勉強を教えて能力を伸ばすだけでなく、学習を通して様々な人間力を育てていきます。生徒の長所・努力を自ら認め、自己効力感と自己肯定感を高め、意志の力、愛の力、未来志向力を身に着けて自己実現できる人物に育てます。まずは、生徒を必ず名前で呼んで挨拶することを徹底。これは存在承認という、行動承認や結果承認よりも一番手前の存在そのものを承認するというものです。これからも大事にしていきたいことですね。また、関わる全ての人に対するホスピタリティ力を極めていくため、感性論哲学の「しつけ4か条」である、挨拶・返事・感謝・謝罪について、スタッフの実践も大切にしてきました。
「人物教育」を実践していくと、生徒の感動が生まれ、成長や態度変容が見られる。それを見た保護者の喜びも高まる。そうして、生徒数も売上も伸びるという好循環が生まれます。結果、私が復帰した4年後には、明光義塾本部において、グループNo1(MVG)の表彰を頂くことができ、全国のオーナーや教室長の方々の見学希望が殺到した時がありましたね。次は日本初の「人物教育実践塾(会社)」を目指そうと、社員一丸となって取り組んでいるところです。
編集部:教育事業における今後の展開は?
山田社長:この春から既存の4教室を「自立学習RED」という新たなスタイルの塾に転換します。教育ITを活用し、子どもたちが「自分から勉強する力」を育てる「自立学習塾」という新しい形態をスタートします。ITを使うことで効果的な学習ができ能力を育てると同時に、教室長による人間力も育てる「人物教育」にも力を入れます。学習状況も教室長にタイムリーに情報が入ってくるシステムですので、一緒に喜んであげて生徒たちのやる気を引き出すことができます。「AI+人間力」は、教育事業においては大きな変化です。新しい時代に合わせて商材はものすごいスピードで変わっていきますが、「人物教育」を全国に拡げ、幸せを増やしたいという根本の想いは変わっていません。能力だけではなく「人間力」をしっかりと磨く教育。そしてどんな環境や境遇であっても誰もが幸せになれると伝えたい。まずは熊本での教育のイノベーションを起こしたいですね。
社員の自己実現も叶える会社でありたい
編集部:「ほねつぎ鍼灸接骨院」も、社内改革されたのですか?
山田社長:「ほねつぎ鍼灸接骨院」も同様に、まずは社員面談や「愛の実力アップ」研修を行い、会議体系を構築していきまいた。今では驚くほど離職率が低くなり、みなさんキラキラと働いてくれています。これは、社員が当社の中で主体的に夢を叶えたり、成長できているからだと思いますので嬉しいですね。また、社員たちは国家資格を持つ専門家ですから、独立志向が高いと感じます。その想いを応援するため、「グループ内独立」制度を設けていきます。これから、グループとしてどう繋がっていくか、どう支援するかの形は「夢会議」という場で、社員自らが意見や案を出し、みんなでブラッシュアップしながらこれから形にしていきます。実際今年7月に、グループ内独立が1名決定しています。
編集部:今後の事業展開は?
山田社長:「ほねつぎ鍼灸接骨院」では、院内での治療はもちろんですが、スポーツトレーナー事業の確立を目指しています。この事業は、1人の社員(現 取締役部長)の夢がきっかけで始まった事業です。現在、再春館製薬バトミントン部や土屋ホームスキー部の専属ケアトレーナー、地元ではバスケットのボルターズや火の国サラマンダーズの選手たちのケアを担当していますが、社員の自己実現を果たすためにより強化していきたいです。また、今年の夏から美容・健康関連のウェルネス事業を開始します。「ウェルネス」とは、より健康に美しく輝く人生を志向している状態。筋膜リリースやエステなど、スポーツ選手から女性まで幅広く生かせるようなものを取り入れていく予定です。
編集部:求める人物像を教えてください
山田社長:子どもたちへの教育事業も健康教育事業でも、まず一番に、自分自身と周りの人たちの幸せを願い、人の役に立つことを喜びとする人ですね。そして、不完全性を謙虚に受け止め、より以上を目指す成長意欲のある人。ホスピタリティ業にも重要な「しつけ4か条」を大切にし実践する行動力がある人などです。また、感性論哲学で「人生とは意志と愛のドラマ」だとあります。1年に一度、社員みんなで選ぶ表彰制度があり、理念に賛同し、人間関係の「愛」の力や、自己実現の「意志」の力などを評価した、「成長賞」、「意志賞」、「愛賞」、そしてそれらを総合した「人物教育実践者賞」を設けています。当社は、社員同士で磨き合いながら成長できる環境があります。それらの賞を目指して成長できる人もいいですね。また、自己実現のために独立したい人もウェルカムです!人生の目標を共有し、応援し合える人物を求めます。
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