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生活コストはどっちが低い? 東京と熊本の家計調査を比較
地方で働く魅力として、「東京と比較して生活コストが低い」という声をよく聞きます。では、実際に数字の上ではどれほど差があるのでしょうか。総務省の家計調査(2017年)をもとに、東京23区と熊本市の生活コストを比較しました。
消費支出の差は5万円近く
まず、1世帯あたりの世帯人員は東京23区が2.18人、熊本市が2.08人。働いている人の数は、東京23区で1世帯あたり1.06人、熊本市で0.87人。世帯人員にそこまで大きな差はありませんが、働いている人の数は東京23区の方が多い結果となりました。東京23区の共働きの多さや、熊本市の高齢者率の高さが要因であると考えられます。
1世帯あたりの消費支出は、東京23区が27万1655円、熊本市が22万3677円。熊本市の方が5万円近く少なくなっています。
最も差が大きいのは食費!月に約2万円の差
消費支出の内訳を見ると、「食料」の項目で最も差が開き、東京23区が7万809円、熊本市が5万1494円と、約2万円の差があります。エンゲル係数も(消費支出に占める食費の割合)は東京23区が26.1%、熊本市が23.0%と、東京23区の方が高い傾向にあります。
「住居」の項目を見ると、東京23区が2万8399円、熊本市が1万9899円と、1万円ほど熊本市が低い水準にあります。これは持ち家など住居費のかからない世帯も含めた数字ですので、賃貸相場などより低い数字になっていますが、全体的に見て住居にかかるコストが熊本の方が少ないことを表しています。
「光熱・水道」については、東京23区が1万6228円、熊本市が1万6602円と、近い水準となっています。
「被服及び履物」は東京23区が1万3050円、熊本市が7761円。「保険医療」は東京23区が1万3470円、熊本市が9281円。「教育」は東京23区が1万2515円、熊本市が6632円。「教養娯楽」は東京23区が3万806円、熊本市が2万3044円。これらの項目については、熊本市の方が低いことが分かります。
自動車等関係費は熊本の方が高くつく
気をつけなければならないのが、「自動車等関係費」。東京23区の8239円に対し、熊本市は12082円にのぼります。車社会の熊本では、買い物やレジャー、子供の送り迎えなどで、車を使用するのが一般的。一家に1台にとどまらず、家族のうち成人全員が車を所有しているケースもあります。特に、熊本市中心部以外に居住したり、一人暮らしであるケースを除き、車が必要になってくる可能性は高くなると考えておいた方がよいでしょう。
とはいえ、それ以外の多くの項目で、熊本市の方が東京23区より低くなっています。同じ家族構成であれば、総合的には、熊本の方が低いコストで生活できる可能性が高いでしょう。ぜひ参考にされてください。