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【連載・働き方改革/株式会社鶴屋百貨店】これからも愛される地域一番店であるために 社員の働く意識を変える鶴屋の働き方改革

【連載・働き方改革/株式会社鶴屋百貨店】これからも愛される地域一番店であるために 社員の働く意識を変える鶴屋の働き方改革

昨今、盛んに叫ばれる「働き方改革」。本連載では、熊本県内の企業における労働環境の改善や、労働者のキャリアアップを促進する企業を紹介。従業員満足度の向上や、業務効率化の取り組みを紹介していきます。

第3回の本稿では、2017年に創業65周年を迎えた熊本の老舗デパート「株式会社鶴屋百貨店」の人事部長 倉田正博氏(以下、倉田部長)に、同社が取り組む働き方改革についてお伺いしました。(聞き手:株式会社パーソナル・マネジメント 桝永健夫)

経営陣の本気が社員に伝わる。

­社員主体の企業づくりに取り組まれていますが、何かきっかけがあったのでしょうか?

倉田部長 創業から65年以上にわたり地域に愛される百貨店として、おかげさまで業績も好調です。これは6年前から取り組んできた、社員の意識改革のための様々な取り組みが、実を結び始めたのではないかとも考えています。

現社長である久我は、社長就任前から強い危機感を抱いていました。郊外型の大型ショッピングセンターの台頭、インターネット通販の普及など、消費者をとりまく環境は劇的に変化しているなか、百貨店ビジネスも未来永劫安泰とは考えていませんでした。「この先50年、100年と事業を継続するために今何ができるのか」「そもそも地域の百貨店とはどうあるべきか」。

たどり着いたのは、全社的な意識改革。自由闊達でアイデアが溢れる鶴屋づくりだったのです。自律的に意識改革を続けていくような組織、常に新しい切り口で考え成長を目指そうとする企業の文化をつくりたい。そのために、まずは、組織を構成する「人」づくりが重要だと考えたのでした。

-6年前からですか!・・・何から着手されたのですか?

倉田部長 まずは「鶴屋イノベーション・プロジェクト」をスタートさせました。まず最初に、全従業員を対象にしたアンケートを実施しました。会社に対する率直な思いや不満、改善点などを従業員から聞くことで、意識改革の阻害要因を明らかにすることが狙いでした。提出されたのは110件、集まったさまざまな改善提案・課題意識のすべてを経営会議にかけ、一つひとつに対する所感と今後の対応方針を報告書としてまとめ、社員に手渡しで配布したのです。

これまで、自分の意見に対する反応を直接感じる機会に恵まれなかった社員も少なくなかったと思いますが、今回は自らの意見が確実に上層部まで届き、さらには報告書として結果を示されたことで、社員にも会社の本気度が伝わったと思います。ちなみに4年目に実施したアンケートは1,000件以上に増え、「自分の意見を言っても無駄」という悪い意識や風習が徐々に消えていったのではないかと感じましたね。

社員からの発案は宝の山

-意見を受け止めてくれるって社員はうれしいですよね。

倉田部長 そうだと思います。自分の意見に反応があるからこそ、仕事に能動的になれるのです。次に着手したのが、新しいアイデアを生む人材を育成する勉強会「鶴ゼミ」です。参加者を社内公募したところ約50名が手をあげてくれました。この「鶴ゼミ」では、外部講師の指導の下、1年間徹底的にアイデア発想に取り組みました。

ゼミの中では、メンバーが5つのグループに分かれ議論を重ね、アイデアを練り、上層部にプレゼンを行ったことがありました。このとき生まれたのが、「人とモノのものがたり」です。鶴屋の従業員が実際に購入し使用したことがある思い出の商品と、それにまつわる「ものがたり」を展示会で紹介するというもの。大変好評で書籍化し、グッドデザイン賞を受賞、「カンヌライオンズ」にもエントリーしました。なんとこれは、当時入社2年目のチームが提案したアイデアだったこともあり、その後の各種プロジェクト活性化に弾みを付ける大変印象深い出来事でした。

-成功事例ができると、連鎖しますよね。

倉田部長 その後も、この鶴ゼミ卒業生が各種プロジェクトメンバーとなり、柔軟な発想の中に新しい提案を行い、会社に採用されています。年末のチャリティ企画「サンタオールスターズ」、お客様同士の新たな繋がりを目指す「おさがり倶楽部」、大好評の「ハッピーレシートキャンペーン」等が代表的な例です。現在では、「営業企画委員会」「鶴屋ラララ大学」「つるッピー活性化」「屋上イベント」「食品ロスを考える」「スポーツ世界大会」「まちなかコレクション」「レストランメニュー開発」の計8つのプロジェクトが進行しています。

プロジェクトのスパンは半年から1年。一つのアイデアが形になると一度解散して、また新しいメンバーでプロジェクトを立ち上げます。原則として公募制なので、最近では入社1年目でプロジェクトに参加したいと手を挙げてくれる社員も増えました。若手時代から、企画を練って、実現までのプロセスを経験することは大変勉強になりますよね。

全国の百貨店から注目の的

-このような取り組みは百貨店の中でも話題になっていると伺いましたが・・・。

倉田部長 特に「鶴屋ラララ大学」は関心が高いです。鶴屋の従業員は日々の業務で、担当している商品や分野について専門知識を深めています。気がつくと、その商品のことが好きになっていて、好きだからこそ、より詳しくなっていくわけです。しかし、こうした知識は残念ながら売場で話すと、セールストークとも受け取られてしまいます。お客さまにとって役に立つ情報であるにも関わらず・・・。「お客様を集めてカルチャースクールを開校してはどうか?」、そんな発想から生まれたのが「鶴屋ラララ大学」なのです。

従業員が先生、お客さまが生徒の大学なのですが、注目すべきは「講師をやりたい」と社員自らが立候補しているところです。実は講師としてデビューするまでに、プレゼンスキルなど半年間から10ヶ月間ほどみっちりトレーニングを行うなどかなりハードなのですが、現在60名の講師がいます。

ちなみに、今月ですと「20代女子の日本酒のすすめ」や「旬のフルーツ大解剖」などの講座がありますね。「日本酒のすすめ」の講師は、仕事で“酒器”を担当した経験のある20代女性社員。日々の業務から得た知識に加え、日本酒好きが高じての立候補です。

-そこまで徹底されているのは何故ですか?

倉田部長 お客様からの評判が良いという事もありますが、社員教育だと考えているからです。社員自らが考え、アイデアを発想し、それを自らの手で形にしていく。その全面的なバックアップを会社が行うことで、社員個人と会社の関係性は更に深まります。社員のアイデアが活かされる夢のある職場環境づくりが、鶴屋が目指すところです。

また、熊本県内は桜町再開発やJR熊本駅ビルなどビジネスの環境は激変していくことが予想されます。そのような中、私たちは商売の基本を「何を買うか」ではなく「誰から買うのか」だと考えています。「あの人から買いたい」と思ってもらえるような魅力的な社員を育てるために、「鶴屋ラララ大学」に力を入れています。

鶴屋という百貨店の価値は「人」にあるということを、「鶴屋ラララ大学」を通して伝えていきたいですね。

自由闊達でアイデアが溢れる企業文化をつくる

-狙い通り、企業文化へと根付き始めているのでは?

倉田部長 少しずつですね。企業文化という点では、日常が大切だと考えています。日頃から取り組んでいるのが、「何か困ったことはないか運動」です。これは、上司が「何か困ったことはないか」と部下に尋ねて回り、意見を吸い上げて、関係部署と連携しながら“現場でどんどん解決”しようというものです。

現場の上司が部下の意見を“聞きっぱなし”にならないように、会社から現場の上司には定期的に報告を求め、優れた事例は全社的にフィードバックしています。他で起きた事例を見て、自らの所属の課題を解決できた例も見られ、現場力の向上に繋がっています。また、新入社員については、入社して1年経過したタイミングで役員との懇親会を実施しています。

その席上でも「鶴屋ってどう?」「1年経ってどうだった?」と、上層部が若い社員の意見をヒアリングします。そこで出された不満や要望は、早速次の日から改善され、個人宛に結果が報告されます。会社としては若手社員の率直な意見に期待するとともに、気づいたことは何でも言っていいという意識を持ってもらいたいからですね。

改革を始めて6年、社員も意見を言いやすい雰囲気が浸透してきたと思いますし、それを解決・実現しようとする風土も根付いてきたように思います。上層部と直接意見を交わすことができ、自分で提案したものが形になっていきますので、やりがいは大きいと思います。

社員が安心して働き、休める体制づくり

-社員さんが働きやすい環境づくりにも力を入れていらっしゃいますよね。

倉田部長 そうですね、当社は女性社員が多いこともあり、子育てしている社員も安心して働けるよう保育園を運営しています。「スマイリア」と「エンジェリア」の2園を運営しており、併せて100名まで子供さんをお預かりできます。鶴屋の社員とお取引先様雇用の従業員、パートさんのほか、「スマイリア」の方は認可保育園ですので、外部のお子様もお預かりできますよ。昼食はもちろん、希望があれば晩御飯まで保育園で食べさせますので社員の心配や負担が減りますよね。

また食事に関しては、熊本県立大学と当社保育園での食育に取り組んでいます。熊本県立大学の特任講師の方々で構成されるチームが作った献立を、当社のレストランで作っていますよ。

-店休日は日本一多いとか・・・。

倉田部長 日本一全館店休日が多い百貨店で、年間16日あります。通常、社員は交替制で休みを取りますが、自分は休みでも店は営業しているため気になる事もあります。ですから、全館店休日だと社員の気も休まりますし、設備保全にも充てることができるわけです。もし店休日が無ければ、設備点検をお願いするお取引先の方やそれに携わる社員も夜間作業となってしまいますので、色々な意味で店休日は効果を発揮しています。社員の年間休日数は108日、さらに有休を必ず最低でも5日は取るように義務付けています。

また福利厚生の部分では、社員寮の整備も行いました。独身寮の新築・女子寮の改築に加え、社宅も1棟新築しました。冷蔵庫やエアコンも付いていて、とても綺麗なんですよ。家賃は1~2万円台で、入居希望者があとを絶ちません。

社員満足度も上がっているせいか、離職率も低くなりました。以前は出産を機に退職する女性社員もおりましたが、現在は必ず育休を取得し、保育園に預けて復帰します。保育園は0歳児から預けることができますし、土日も預けることができるので女性社員にとって働きやすいのではないでしょうか。

-「鶴屋で働きたい」という人も増えそうですね。

倉田部長 新卒もここ数年は多めに採用していますし、中途でも良いご縁があれば年に数名採用しています。以前までは販売職のイメージが強かった会社ですが、ラララ大学等の取り組みをご覧になり事業会社というイメージを持たれたり、若い社員が活躍している風土を感じていただいているようです。特に新卒採用の面接時には、企画職を目指す学生さんが多く、新しいことに一緒に取り組めることを楽しみにしています。

今後、桜町とJR熊本駅前の再開発で人材の争奪戦も激しくなると思います。「職場」という観点でもほかとの差別化を意識して、「鶴屋で働いてよかった」と思われる企業づくりに引き続き注力したいですね。

お客様にも社員にも選ばれ、愛され続ける「鶴屋百貨店」であるために、これからも新しい鶴屋を創造し、進化し続けていきたいと思います。

-貴重なお話をありがとうございました。

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