熊本の熱量を届ける
これからのキャリアマガジン

小杉周司（こすぎしゅうじ）：株式会社コスギ不動産・代表取締役社長。熊本市出身。東海大学第二高校（現・東海大学星翔高校）卒業後、福岡の不動産会社に勤務。1996年同社に入社。2018年6月、代表取締役社長就任。

売上100億円とホールディングス化を目指し新たなスタート

ココクマ編集部（以下、編集部）　社長就任おめでとうございます。新社長としての抱負をお願いします。

小杉周司社長（以下、小杉社長）ありがとうございます。先日、34年続いているこの会社の中期ビジョン発表会の場で、10年後に売上100億円、経常利益10億円、事業会社10社、従業員数500名を目標として現在の事業を基盤に多角化を目指し、2021年にはホールディングス化すると宣言しました。

編集部　現時点でも多岐にわたる事業展開をされていますが・・・

小杉社長　あくまでも賃貸不動産の総合管理や不動産の売買・賃貸、およびその仲介業務がメイン事業です。現在、リゾート事業（阿蘇ハイランド開発）、中心街の貸店舗管理・仲介業（ジャナス・アセット・コーポレーション）、家賃保証・リフォーム事業（熊本ファシリティ）、介護・グループホーム事業（かいごのみらい）など様々な事業を展開しています。

また、熊本県営住宅の指定管理業務を受託しており、管理戸数は官民合計で約30,000戸。今後は住宅用地〜収益物件に至るまで幅広い物件の売買事業にも力を入れ、順調に契約件数を伸ばして行きたいと考えています。

編集部　年間成約数は県内でもトップクラスの実績ですよね。

小杉社長　そうですね。お蔭様で多くのお客様にご利用頂いております。今後はさらにお客様の期待に応え、新たな基盤となる事業を増やしていくためにも、ホールディングス化に向けた体制構築を検討しています。ホールディングス化により各事業を成長させていくことはもちろんですが、社員がやりがいを持てる会社にしたいとも考えています。

現在は同族経営となっていますが、関連会社を作ることで社員にも代表取締役、執行役員になるチャンスを提供し、夢が持てる組織を作りたいですね。実際にこの話を聞いた社員から「キャリアステップが見えた」「夢が持てた」といった感想が聞こえてきました。

「住生活総合企業」を目指して積極的にITを活用

編集部　ホールディングス化・事業規模の拡大によって、どのようなことが可能になりますか？

小杉社長　今年は保険会社も立ち上げ、オーナー様の資産管理に関するご相談にも対応させて頂いております。住宅のこと、介護のこと、資産相続のこと・・・住まいに関わることはなんでも当社にご相談頂き、さらに熊本の皆様の住まいと暮らしに関する、総合的なご提案ができればと考えています。

当社のビジョンに「地域とお客様に貢献」という言葉がありますが、皆様に「安心・安全で快適な住空間」を提供することを使命とし、熊本の未来をトータルプロデュースする「住生活総合企業」になりたいですね。現在ご契約頂いているお客様に対しても、提供できるサービスの幅が広がり、より深く関わることができると思います。

編集部　積極的にITを活用されていらっしゃいますよね？

小杉社長　昨年の12月からAIを導入し、賃貸物件の問い合わせに関しては24時間365日、自動で対応することができるようになりました。不動産業界は未だにアナログな業界ですが、これからは生産性を向上させ大きく変革しなければ生き残れないと考えています。

これまでは、お客様が店舗に来店されると来店カードの記入、物件の紹介、申込書・個人情報同意書・契約書・口座振替の記入など、13種類にも及ぶ書類を書いて頂く必要がありました。現在はiPadを活用し、最低限の入力で手続きが可能。お客様のお時間や手間が省けるのはもちろん、社員の業務も効率化されます。社員には空いた時間を利用し、オーナー様への挨拶回りやその他のコア業務に注力してもらいたいと思っています。

編集部　実際にAIを導入後、反応はいかがですか？

小杉社長　成果はすでに出てきています。これまで長期で物件を探されているお客様に対しては十分な情報提供ができていませんでしたが、AI導入によりコンスタントな情報提供が可能になり、契約数も上がってきています。

また、これまでは「日当たり良好」というと南向きの物件しかご紹介できていませんでしたが、南向きではない日当たり良好物件（西向き、南西向き等）についてもAIがピックアップしますので、お客様にご紹介できる物件の幅が広がりました。

今後は、店舗にご来店頂かなくてもインターネット上で物件を探すことができますし、現地の案内に関してもネット予約、契約金はクレジットカードでの決済、契約書はメールで送付…といった非来店型の契約も可能になってくると思います。

専門性に長けたプロフェッショナル集団を目指して

編集部　どのような人材を求めていらっしゃいますか？

小杉社長　これからはサービスの幅を広げるためにも不動産の資格だけでなく、資産運用・管理、金融、ITなどに強い専門性の高い人材を採用したいと考えています。不動産業界を取り巻く環境は大きく変化してきています。「不動産テック（不動産＋テクノロジー）」という言葉も業界では浸透していますが、不動産売買の新たな仕組みが生まれ、従来の商習慣を変える取り組みが出てきています。

変化をチャンスと捉え、現状を否定しながら考えられる人材がこれからは大切になると思います。

編集部　会社の雰囲気や風土はいかがですか？

小杉社長　当社では先代の頃から大家族主義を大事にしています。ただ、私は大家族主義の団結力に加え、チャレンジ精神を併せ持ったプロ集団を目指したいと考えています。当社は「離職率が低い」「働きやすい」「社員同士の仲が良く職場環境が良い」といった声もありますが、良い意味で社員同士の競争意識・スキルアップができるような職場、馴れ合いではなく、ある程度の厳しさも兼ね備えた社風に変えていきたいと考えています。

編集部　休みの日の過ごし方について教えてください。

小杉社長　体を動かすことが多いですね。特にゴルフとマラソンが好きです。マラソンは年に1～２回、フルマラソンの大会に出ています。初めての大会は北海道マラソンでした。これを4時間後半で完走、友人からホノルルマラソン出場の誘いも受けています。大会にエントリーすると練習するじゃないですか（笑）。

また、ゴルフは週に1～2回は練習しています。ゴルフは会長をはじめみんな熱心で、5年前にはＡチームが企業対抗の全国大会で優勝したこともあります。去年は準優勝でしたので、今年はＢチームもリベンジしたいと思っています。