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社員を信頼し任せる経営で急成長。福祉業界の発展を牽引する株式会社千広の廣瀬社長

社員を信頼し任せる経営で急成長。福祉業界の発展を牽引する株式会社千広の廣瀬社長

廣瀬修(ひろせおさむ):株式会社千広・代表取締役社長。熊本社会福祉専門学校卒業。福祉用具の販売を手掛ける株式会社ホワシでの勤務を経て、2003年に同社設立。代表取締役就任。

お客さまの幸せ・社員の幸せ・地域の幸せを追求してきた千広は次なるステージへ。

ココクマ編集部(以下、編集部): 事業内容を教えて頂けますか?

廣瀬修社長(以下、廣瀬社長):福祉に関わる3つの事業を展開しています。1つ目はホームヘルスケア事業。福祉用具のレンタル・販売、介護・看護をふまえた住環境の提案・施工・監理を行っています。2つ目はケアメディカル事業。高齢者・要介護者向けのサービスを展開しています。現在は住宅型有料老人ホームを田迎・画図・良町に3拠点展開し、訪問介護も行っています。田迎ではヘルパーステーションを併設、良町は訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所・デイサービスも隣接しています。今後は、一部で導入していた「24時間看護師常駐」を増やしていき、介護度の重い方も安心してご利用いただける体制を整えていきます。3つ目は障がいを持つ児童の方向けのサービスを展開するみらいサポート事業です。現在は放課後等デイサービスの「ふぁみさぽここ」を9拠点、児童発達支援の「ここぷらす」を6拠点、相談支援事業所COCOを2拠点、チヒロ保育園を1拠点運営しています。

おかげさまで、すべての事業において成長を続けているところです。以前ココクマに取材して頂いたのが7年前だったかと思いますが、当時70名ほどだった従業員数は240名になり、売上は倍になりました。ホームヘルスケア事業は売上・利益ともに好調に推移。特に成長しているのが、みらいサポート事業です。熊本市内から鹿児島へと施設を増やしていますが、どの施設もキャンセル待ちが出てしまうほどになっており、子どもたちのために積極的に施設を増やしていこうと考えています。

編集部:新社屋が完成しましたね。

廣瀬社長:2010年から画図に本社を置いていましたが、社員も増え、組織も大きくなったこともあり、2024年2月に熊本市南区近見に新設・移転しました。本社を新たに創るにあたっては、本社機能を確立するとともに、社員のため・利用者様のため・地域のためになるような本社にしたいという思いのもと、どんな要素を盛り込み、どんなレイアウト・デザインにしていくかは社員たちに任せました。幹部社員たちが中心となって各拠点の社員の意見をくみ上げながら、将来を見据えて創りあげたのがこの新社屋です。

編集部: ショールームやホール、社員用のスポーツジムもありますね。

廣瀬社長:本社には、管理部門、商品倉庫​、福祉用具のショールーム、100名収容できるchihiroホールを開設しました。商品倉庫​は全館空調で年中快適に作業ができるようにしました。ショールームでは、福祉用具とバリアフリー住居設備を展示し、利用者様とご家族が実際に試して選んで頂けるようにしています。chihiroホールは自社での活用だけでなく、協力業者さん、福祉関連の事業者さん、ケアマネージャーさんから地域の方々まで、広く活用いただける場としました。業界の先生方をお招きして講演会や研修を開催したり、障がいを持つ児童たちの作品発表会を行っています。このほか、各施設の役職者がミーテイングや事務作業を集中してできるよう、ガラス張りのエグゼクティブルームも設置。社員向けのスポーツジムは、“ジムマニア”の社員が各種マシンをセレクト。本格的なジムになっています。その隣にはカフェスペースや、ひと息つける図書コーナーも設けました。

編集部: みなさんの思いが詰まっていますね。本社を新設して変わったことはありますか。

廣瀬社長:熊本の中心を通る国道3号線沿いに、リースではなく、自社保有の物件を建てるということにこだわりました。それは、地域に開かれた場を提供し、地域に根差したサービスを展開するためです。社内においては、各事業の効率化や連携が強まるのと同時に課題も見えてきたので、意思統一を図りながらシナジーを生み出せるよう、本社機能を確立していこうと動き出しています。

本社社屋は広告・宣伝を担うものでもありますし、社員たちとっても胸を張れる本社があることが大切。最近は、人材採用の場面でも変化がありました。“超”大手からの転職希望者など、応募者のレベルがぐっと上がったんです。本社を見て、取り組みを見て、本人やご家族・保護者の方にも安心して当社を選んで頂ける。介護・福祉の仕事の側面だけじゃなく、成長する企業として可能性も見て頂けるのはうれしいですね。

人を笑顔にするプロ集団。社員の挑戦が千広を成長させる。

編集部: 「社員を信頼し任せる経営」を続けられているようですね。

廣瀬社長:「福祉・介護領域のリーディングカンパニーになる」という目標を掲げ、この会社を立ち上げたのが27歳の時。たった3人のスタートでした。福祉用具の販売・レンタルを手掛ける中で、お客さまの笑顔と「ありがとう」が何より嬉しくて、「人間が一生懸命やって結果が出ないことは無い」と、営業も社長業も手を抜かず真剣に、がむしゃらに取り組みました。人材の確保や組織づくりに悩んだ時期もありますが、設立から7年目に入る頃、営業現場から離れて社長業に専念。人に「任せる」ことに不安はあったものの、任せたことで信頼関係が生まれ、社員が自発的に考えて行動するようになり、結果、会社の業績は向上。そこから一人一人の「やりたい!」を大切にし、「社員に仕事を任せる経営」を続けています。

編集部: 社員に任せて発展につながったなど、事例はありますか。

廣瀬社長:本社の新設もそうですが、社員一人一人の日々のチャレンジにより会社は成長しています。鹿児島進出もそのひとつです。
好調に伸びているみらいサポート事業で、中心となって施設の立ち上げを担ってくれていた女性社員が、出産を機に実家のある鹿児島に帰るため、退社することになりました。千広にとってとても残念なことでしたが、退社にあたって上司との面談で「千広が好きでこの仕事が好きだから、辞めたくない」と。そして「だから鹿児島に拠点を出しませんか」と提案してくれました。上司も私も社員からのそんな想いと言葉が聞けてほんとうにうれしくて…。とはいえ、千広は熊本に根付き、熊本で展開してきたので「鹿児島への出店は無理ですよね…」という上司に、私は「いいんじゃない?やってみようよ」と答えました。そして任せるにあたり会社として2つの条件を出しました。「まずはしっかり子育てに専念し、落ち着いてから仕事を開始すること」「事業所を展開するからには鹿児島エリアの管理者となり、3~5事業所を開設すること。もちろんサポートは全力でするから」と。女性社員は産休・育休を経て、お子さんが保育園にも慣れてもう大丈夫というところで仕事を開始。3事業所を立ち上げて軌道に乗せ、第二子の産休・育休も経て再び活躍してくれています。さらなる展開を楽しみにしています。

上から「こうしなさい」ではなく、一人一人の「やりたい!」という気持ちを私はなにより大切にします。「より良いサービスをお客さまのために・自分たちのために。自分たちで考え、取り組む」これが浸透し、一つ一つ実現していく社員を見るのはうれしいものです。
サービスの質をあげると同時に、自分たちの休みを増やすには?処遇をあげるには?という課題にも、売上・利益を上げながら効率化や体制を整えて…など取り組んでくれています。歯車じゃない、“自分の仕事・自分の会社”。一人一人の挑戦が、千広の成長につながっています。

編集部: 挑戦・モチベーションの原動力とは?

廣瀬社長:当社のサービスを利用してくださる方は、小さなお子さんでも大人でも、すべて「お客さま」です。社員一人一人が、人を笑顔にすることが大好きで「お客さまに寄り添うプロ集団である」という意識と誇りを持ってお客さまと関わらせて頂いている。これは胸を張ってお伝えできることですし、これが千広の強みだと思います。

例えば放課後等デイサービスにおいては、ご利用頂いているその時間だけでなく、お客さま一人一人の未来を考えた取り組みを実践しています。そのひとつが「わくわくプラン」です。年に1回、みんなで鹿児島の水族館に行こう、大分のサファリパークに行こう、佐賀の宇宙センターに行こう、など大きなイベントの計画を立て、1年をかけてバスの乗り方、お金のやり取りなどを練習し、実際に出かけます。これは将来、社会に出て生活をしていくための練習でもあります。けがをしたら…などの心配ももちろんありますが、そこは万全の配慮と体制をつくる。コロナ禍においてもできる限りの活動を続けました。また、大きな体育館を借りて歌やダンスを披露する「ぐんぐん発表会」も開催。1年を通して練習し、「さあいくぞ!おーっ!」と子どもたちと職員がステージにあがり、一生懸命に練習の成果を披露する姿、それを見守り感動されるお父様、お母様、おじい様、おばあ様の姿には、毎回涙が溢れます。人が喜ぶ瞬間が、私の幸せですね。

「福祉業界のさらなる成長」を見据えた取り組みとは。

編集部: 今後の展開を聞かせてください。

廣瀬社長:みらいサポート事業を中心に、さらなる出店・拡大もしていきますし、会社の成長に対して、まだまだ人材が足りていないのが現状です。これまで各拠点で採用を行ってきましたが、現場はしっかりお客さまのために集中してもらい、これからは本部の人事で優秀な人材の採用を行っていこうと考えています。本部機能を確立させ、意思統一を図りながら各部門を連携しシナジーを生み出す組織へと進化させていきたいと考えています。

また福祉業界全体のボトムアップ・レベルアップを図り、牽引していきたいと、横の連携を強化し、福祉事業経営者の意見交換会や研修も開催しています。

さらに2025年4月1日には、ゆめタウンはませんの2階に、介護・看護・障害保育に特化した「求人支援センター」を開設します。既にこの業界で働いている方の転職サポートと企業とのマッチングのほか、即戦力として活躍できるよう、研修ルームを完備し、著名な講師陣による研修も用意しています。場所柄、福祉の仕事や業界を知らない方もたくさん通るでしょうから、この素晴らしい仕事を知ってもらう広報的な場にもしたい。この活動は熊本の人材・経済の活性化・発展にもつながると確信しています。
目の前のお客さまを大切に、そして笑顔にしながら、地域と共に進化・発展していく千広に期待して頂きたいですね。

社員を信頼し任せる経営で急成長。福祉業界の発展を牽引する株式会社千広の廣瀬社長

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