熊本の熱量を届ける
これからのキャリアマガジン

（画像引用：株式会社Lib Work HP）

インターネットやVR（ヴァーチャルリアリティ）を活用した戸建て・住宅・不動産販売を行う株式会社Lib Work（リブワーク）（本社：熊本県山鹿市/代表取締役社長：瀬口 力 氏）は、2024年1月に建設用3D プリンターを活用し、土を主原料とした住宅『Lib Earth House』の建築に成功しました。これまで日本国内で開発、販売されている3Dプリンター住宅はコンクリート造のみで、土を原材料とした3Dプリンター住宅の完成は国内初となります。

3Dプリンター住宅とは

3Dプリンター住宅とは、強化繊維プラスチックやガラス繊維強化石膏、コンクリートなどの材料を使い、3Dプリンターで印刷して建築する住宅。海外では、スタートアップ企業を中心に開発が進んでおり、分譲住宅として使用する事例もあります。比較的コストも安く、簡単に建築できるため、災害発生時の仮設住宅として使用することも期待されています。

しかし、日本では耐震性や耐火性など建築基準法が定める強度等の理由により普及は進んでいないのが現状です。国内では、2023年7月にセレンディクス株式会社が竣工した二人世帯向け3Dプリンター住宅「serendix50 (フジツボモデル)」（50平米、鉄骨造＋鉄筋コンクリート造、施工時間44時間30分、販売価格550万円）があります。

『Lib Earth House “modelA”』

今回完成した『Lib Earth House “modelA”』
外観は、地面から生えているような、ひと続きとなる流線形の有機的なフォルム。内部は、床と壁を滑らかに繋ぎ、どこでも寄りかかったり寝そべることができる造りになっています。天井や壁に大きな窓を設け自然に包まれる空間を演出。主要構造部分は、木造設計。3Dプリンター住宅と聞くと無機質なイメージが連想されますが、同社の住宅は居心地の良さやサスティナビリティを意識した温かみのあるものとなっています。

（画像引用：株式会社Lib Work HP）

建設用３Dプリンターを活用することで、住宅建築に係る大幅なコストの削減、工期の短縮、職人の高齢化や人材不足といった建設業界全体が抱える主要な課題を解決することに繋がると期待されています。

今回、同社が開発する3Dプリンター住宅は、自然由来の素材である土を主な建築材料としているため、SDGsの観点からも注目されています。日本では土を古来より壁材として利用しており、高温多湿な日本の気候風土に最適な素材でもあります。
※原材料の70%が土、残りは藁、籾殻、セメント。

（画像引用：株式会社Lib Work HP）

土壁は約2週間（延べ72時間）で完成。3Dプリンターでの住宅施工は従来の建築手法と比較し、迅速かつ効率的。工程が大幅に短縮され、短期間での住宅建築が可能となっています。

（画像引用：株式会社Lib Work HP）

今後の販売計画などについて

今回完成した『Lib Earth House “modelA”』は、グランピング施設やサウナ施設などの利用を想定した一般発売が計画されています。今後は、LDK・トイレ・バス・居室などを設けた、広さ100平米の“住める”3Dプリンターモデルハウス（平屋）を完成させ、2025年の一般販売を目指されています。（価格未定）

また、同社は今後のビジョンとして「3Dプリンターによる火星住宅建築プロジェクト」を掲げ、火星での住宅建築プロジェクトを目指し、宇宙規模の挑戦へ。地球から主材料を運搬せず、火星の土を主材料として活用、3Dプリンターによる住宅建築に新たに挑むようです。未来の住環境は私たちの想像を超えたものになりそうです。

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■毎月第四木曜日に「3Dプリンターモデルハウス」見学会も行われています。(要予約)

※今回の3Dプリンター住宅の開発プロジェクトは、ロンドンに本社を構え、設計者、アドバイザー、専門家を有し、世界140カ国で持続可能な開発プロジェクトに携わっているエンジニアリング・コンサルティング会社Arup（アラップ）と協力して行われています。

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「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」というスローガンのもと、「サステナブル＆テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションの実現に向けて、戸建て事業に留まらず多角的に事業展開されています。引き続き、ココクマ編集部としても同社に注目していきます。

「熊本の未来をつくる経営者」では、株式会社Lib Workの瀬口社長のインタビュー記事を掲載中です！そちらもぜひご覧ください。