熊本の熱量を届ける
これからのキャリアマガジン

熊本県の北部に位置する山鹿市。山鹿灯籠や山鹿温泉といった歴史と文化が息づくこの地域で、近年「お酒」が新たな注目を集めています。

実は山鹿市には、ウイスキー・日本酒・ワイン・クラフトビールという4種類の酒造所が揃っており、これは全国的にも非常に珍しい特徴です。そのため、各酒造所をめぐる“はしご酒バスツアー”なども開催され、観光客や地元の人々に親しまれています。

なかでも、山鹿市鹿央町にある「山鹿蒸溜所」は、全国のウイスキー愛好家から熱い視線を集める注目のスポットです。早速、ココクマ編集部スタッフが足を運んできましたのでご紹介します。

山鹿蒸溜所

2021年11月に竣工した、熊本県内初のモルトウイスキー専門蒸溜所。
自然豊かな鹿央町にたたずむこの蒸溜所は、県木であるクスノキを使用したカウンターなど、随所に山鹿らしさが感じられる内装が特徴です。

扉を開けると、ふわりとモルトの香りが広がり、ラウンジにはアンティークの机と椅子が並びます。日常を忘れさせてくれるような、落ち着いた非日常の空間となっています。

2024年にリリースされた「YAMAGA NEW BORN（ヤマガニューボーン）2024」と「Yamaga Distillery New Pot（ヤマガディスティラリーニューポット）#6」の2銘柄が、アジア最大級の蒸留酒品評会「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション（TWSC）2025」にて、そろって金賞を受賞。
自然豊かな山鹿の地で丁寧に仕込まれたウイスキーが、国内外で高く評価されたことは、地域にとっても大きな誇りとなっています。

（画像引用：山鹿蒸溜所公式HP）

蒸溜所では、ジャパニーズウイスキーの原酒造りから熟成までの風景（発酵の工程、蒸留器のしくみなど）を見学することができます。
また、通常の自由見学では立ち入れない樽熟成庫の見学や試飲ができる有料の工場見学も定期的に行われています。

建物内には、ギフト用のボトルや限定アイテムが並ぶショップも併設されており、お土産選びにもぴったり。
ウイスキー好きの方はもちろん、「山鹿の魅力にもっと触れたい」と思っている方にこそ訪れてほしい場所です。

地元に根ざす「個性派」酒造たち

山鹿には、ウイスキーだけでなく、個性豊かな酒造メーカーが点在しており、それぞれのスタイルで“山鹿らしさ”を表現しています。

◼ 千代の園酒造

明治29年創業の老舗酒蔵。伝統的な日本酒づくりを守りながら、”ワイングラスで楽しむ日本酒”など、革新的な日本酒も販売されています。地元の米と水にこだわったお酒は、山鹿の味そのもの。国内外で多数くの賞を受賞している実力派です。敷地には無料の酒造史料館があり、見学や購入も可能となっています。

◼ 菊鹿ワイナリー

菊鹿ワインと高品質の食を提供するワイナリー。山鹿市菊鹿町で育まれた高品質なぶどうを使ったワインは、国内外でも高い評価を得ています。特にシャルドネは、過去に白ワイン部門の最優秀賞を獲得、その後も数々の賞を獲得したことから認知度と需要が急速に高まっています。ワイナリーでは見学や試飲も可能となっています。

◼ キラリブルワリー

山鹿市初のクラフトビール醸造所。ガラス越しに発酵タンクが見える醸造所併設の店舗では、地元の食材（山鹿和栗、岳間茶、シャインマスカットなど）を使った個性的なフレーバービールなどが楽しめます。地元産の素材を取り入れたクラフトビールは、若い世代を中心に支持を集めています。

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熊本市内から山鹿市までは、車で約1時間。公共交通ではJR玉名駅・新玉名駅からバスでのアクセスも可能となっています。地元の風土を活かしながら、新しい挑戦を続ける酒づくりの現場が、山鹿にはあります。山鹿に根ざした企業や人々が、地域の魅力を“味”にして届けてくれる・・・そんな熱意あふれる山鹿の酒文化に今後も注目です。