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「ICT教育」先進の熊本県ーTSMC進出による半導体人材の育成について

「ICT教育」先進の熊本県ーTSMC進出による半導体人材の育成について

TSMCの熊本進出により、県内では半導体業界への人材採用や育成が課題となっています。
今回は、人材育成や教育、注目度の高い熊本の「ICT教育」についてまとめてみました。

株式会社リクルートの「スタディサプリ」の調査によると「熊本で教育環境が充実している街ランキング」は、下記の順位となっています。

▼教育環境が充実している街ランキング
・1位/熊本市中央区
・2位/球磨郡錦町
・3位/上益城郡益城町

その他の順位などの詳細はこちら

熊本のICT教育について

※ICTとは
「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」のことです。「ICT教育」とは情報通信技術を活用した教育方法を指しています。具体的にはデジタル教科書や学習用ソフトウェア、動画コンテンツを活用した授業のことで、近年、ニーズは高まっております。

背景としては、2016年の熊本地震の際に子どもたちの学びが止まった苦い経験があります。当時、熊本市は、ICT教育の導入水準レベルが政令指定都市20のうち19番目という下位レベルでした。2018年より「大規模教育ICTプロジェクト」を始動。その後、国の「GIGAスクール構想」やコロナ禍という背景も後押しし、最高レベルへ押し上げた熊本市の取り組みが評価され、今では「ICT教育のモデル地区的存在」へと変貌を遂げています。

参考:熊本市【熊本市ICT教育】タブレット端末を活用した授業実践動画

また、熊本県教育委員会は2021年に都道府県単位では初となる「先進地域」認定を目指すことを発表。日本教育工学協会(JAET)が独自の基準を設け、教育現場の情報化を進めている自治体を「先進地域」認定しており、認定には県立学校の80%以上が「優良校」と認められる必要があり、ICT活用や情報モラル、校務の情報化などを進め、2023年度末までの達成を目指し、取り組まれています。

国の「GIGAスクール構想」が2020年度より開始され、当時の熊本県は教育用コンピュータの1台当たりの児童生徒数は3.2 人と全国2位(全国平均4.9人/台)、普通教室の無線LAN整備率は30.8%と全国平均(48.9%)に達していない状況でした。その後、小中学校の1人1台端末の整備が整い、熊本県では県立高校においても公費で1人1台の端末整備を進め、2021年9月に導入が完了しており、「ICT教育日本一」に向けての取り組みが着々と進められています。今後はハード面からソフト面となる、活用方法などが期待されています。

参考:熊本県教育情報化推進基本方針

◎熊本市五福小学校
2022年12月にAppleの最高経営責任者(CEO)であるティム・クック氏が来熊した際には、「熊本市立五福小学校」を来校し、授業を視察されています。五福小学校は2018年からiPadを活用した授業を行い、2022年10月Appleから「Apple Distinguished School」の認定を受けた公立小学校では日本唯一の学校として、注目が集まっています。


TSMCの進出に伴い、課題とされている技術者の育成も県内の教育機関等で新たな取り組みが始まっています。
また、台湾から熊本へ赴任する従業員とその家族600名(そのうち子どもは130名ほど)と見込まれていますが、来日する子ども向けにインターナショナルスクールも開校予定で、受け入れ態勢を着々と整えられています。

インターナショナルスクール

◎熊本インターナショナルスクール(KIS):熊本市東区
熊本市東区戸島に新校舎を建設中で、2023年9月から小学部と中等部の授業を開始予定です。将来的には小学部から高等部まであわせて420人の定員を想定されています。 詳細はこちら

◎学校法人九州ルーテル学院:熊本市中央区
2024年春にインターナショナルスクールの小学部を開設。株式会社アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズと連携協定を結んだことが発表されました。詳細はこちら

また、日本語指導拠点校を拡充し、熊本市が駐在員家族への対応策として楠小学校・城南小学校・黒髪小学校・桜山中学校を指定されています。

技術者育成への取り組み

◎八代工業高校
2021年度から国の「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材刷新事業)」が始まり、県内では「八代工業高校」が指定校に。県の産業×自治体×県教育委員会が連携し、DX時代に対応したデジタル技術を取り入れた教育が実施されています。

◎熊本大学
2024年度に学部相当の「情報基盤融合学環(仮称)」を新設し、半導体プロセス制御コースを設ける方針。工学部に半導体教育課程も設け、2031年度には現在の2倍の140人の専門人材を地域企業に輩出する目標を掲げています。

◎熊本大学/熊本県立大学/東海大学
熊本大学と熊本県立大学、東海大学は地域のDX人材の育成を目的に連携し、大学間を越えて関連科目の履修が可能となることを発表しました。
TSMCの進出に伴い、デジタル技術や半導体技術に通じた人材の需要が加速中。運営形態が異なる国公私の大学による科目の連携は全国初となっており、大学の教育資源を連携・有効活用し、グローバルDX人材育成の強化を図ります。

参考:熊本大学ホームページ 文部科学省「地域活性化人材育成事業~SPARC~」

◎熊本県立技術短期大学校
国から構造改革特別区域計画の認定を受け、県立技術短期大学校から熊本大工学部への編入学が今後可能となりました。編入学は2024年4月開始予定で、2年制の県立技短を修了後、熊本大工学部の2年か3年への編入学を想定されています。年2人程度を見込んでおり、半導体人材の育成を加速させる狙いがあります。

◎熊本高等専門学校 熊本キャンパス
独立行政法人国立高等専門学校機構は、デジタル社会を支える半導体産業を強化するため、熊本高専(合志市)と佐世保工業高専(長崎県)を拠点校として「人材育成事業」を始めると発表しています。大手企業や自治体による産学官連携で人材の質を高めるべく、企業の技術者や大学の研究者らが講師を務める科目も開校されます。


高森高校では、全国初のマンガ学科を2023年度新設するというユニークな取り組みも進められていて、今後が楽しみです。
時代のニーズにあわせて教育環境もどんどん進化しています。

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