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先進技術を積極的に導入し 幅広い分野で地域の基盤づくりに貢献  株式会社有明測量開発社の藤本社長

先進技術を積極的に導入し 幅広い分野で地域の基盤づくりに貢献  株式会社有明測量開発社の藤本社長

藤本 祐二(ふじもとゆうじ):株式会社有明測量開発社代表取締役社長。熊本市出身。熊本商科大学(現熊本学園大学)商学部商学科卒業後、会計事務所での勤務を経て学校法人九州測量専門学校卒業。1990年4月同社に入社、2001年から現職。09年4月(一社)熊本県測量設計コンサルタンツ協会の会長に就任。

数々の実績と幅広い事業分野が強み

ココクマ編集部(以下、編集部) 事業内容と強みを教えて下さい。

藤本祐二社長(以下、藤本社長) 国や熊本県内市町村を中心に、公共事業に伴う測量や建設コンサルタント業が主な事業内容です。事業領域としては、(1)測量部門(2)建設コンサルタント部門(3)用地補償部門(4)文化財調査部門(5)システム開発部門の5部門を設置しています。

売上全体の8割が公共事業です。道路などの公共事業の設計、農業の発展のための全体事業計画、橋梁やダムなどの計画、宅地開発や上下水道の計画など…内容は多岐に渡ります。民間からの発注は、電力会社の高圧送電線鉄塔用地の取得のための測量業務や新幹線・在来線など鉄道関係の測量などの実績があります。

当社の強みは事業領域の幅広さです。間口を広くして顧客の多様なニーズに対応できる体制を強化しています。例えば文化財の調査は、熊本では数社しか対応できない領域です。事業領域の拡がりとともに社員数も増え、従業員数は107名。熊本の測量会社では最大規模の会社だと思います。

また、今年で創業56年を迎える歴史のある会社でもあります。測量や建設業界では、これまでの施工実績で会社のランクが決まりますので、社歴の長さや数々の実績も強みだと自負しています。

編集部 事業の幅は今後も拡大させる予定ですか?

藤本社長 分野を拡大するというよりも、現在取り組んでいる分野の専門性を高めることに注力していきたいと考えています。全国規模の案件に対しても、大手建設コンサル会社に負けずに受注できるように、会社と技術者の実績を積んでいきたいです。

編集部 復興需要は一段落ですか?

藤本社長 災害復旧という面では、発災から2年目までが最盛期でした。現在はほぼ震災関連の仕事は完了しています。特に当社のような測量分野は、災害発生時最初に声をかけられる業界なので災害特需は一段落ですね。ただ、業界的には施工工事の方は今が最盛期です。発注者である官公庁も、工事完了までが担当であるため、災害復旧以外の新たな発注まで手が回らない状況もあるみたいです。

編集部 全国的に大規模災害が多くなっていますよね。

藤本社長 ここ数年、九州近辺で大規模災害が毎年起こっています。2016年に熊本地震、翌年の2017年には九州北部豪雨、2018年には西日本豪雨が発災しました。測量や建設コンサル業は地域の安全・安心を守るため、また豊かな生活基盤づくりのためになくてはならない仕事であると改めて実感しています。

近年、「防災・減災・国土強靭化」が我々の業界でキーワードになっています。災害時の避難態勢などソフト面の対策の提案も行っていきたいと考えています。

ITを活用して業界をリードする存在に

編集部 新しい取り組みがありましたら教えて下さい。

藤本社長 新しいツールの活用を積極的に取り入れています。測量の分野ではドローンと3Dレーザーを7年ほど前から導入しています。ITの活用など、新しい技術の取り組みは同業他社よりも早いと思います。より性能の高い航空レーザーなども導入を検討しているんですよ。

ドローン導入のきっかけとなったのは、2012年の九州北部豪雨です。熊本、福岡、大分の3県が被災して、熊本では阿蘇や菊池周辺で甚大な被害状況でした。被災状況調査の際、道路が遮断されて現地に向かえなかったのです。迂回路では時間がかかりすぎて効率が悪く、何より危険が伴います。そのような時にドローンを紹介してもらい導入しました。熊本地震の被災状況調査にもドローンを活用しました。道路が遮断されている中でも、南阿蘇の砂防ダムの被災状況を確認することができました。文化財の分野では、通潤橋の撮影や調査などで以前から3Dレーザーやドローンを活用して3次元モデルを作成していたので、被災調査にも応用できないかと考えが及びました。

3Dレーザーやドローンの活用により、3次元の地形図を作成することが可能になりました。しかし測量はできても、3Dデータを用いた建設設計までは業界全体でもまだ進んでいない状態なのです。当社ではBIM/CIMなど3次元の設計にも先進的に取り組んでいます。国土交通省ではi-Constructionという名称で測量から設計・施工・検査・維持管理に至るすべての事業プロセスでICTを導入することにより、建設生産システム全体の生産性向上を目指す取り組みが進められています。当社においても積極的に取り組んでいきたいと思っています。

測量は「未来を創るはじまりの仕事」

編集部 会社の制度や仕組みで変えた部分はありますか?

藤本社長 2018年から完全週休2日制に変更しました。県内同業界では完全週休2日制を導入している会社は3~4割程度しかありません。こういった取り組みもあり、2018年度には従業員が働きやすい職場環境づくりに積極的な「ブライト企業」に熊本県から認定されました。

会社の実績以上に評価されるのが技術者や有資格者の有無など。つまり「人」が私たちにとって、何物にも替えられない財産なのです。公共工事は総合評価落札方式で、入札に参加する企業は会社の実績や専門的な技術者や有資格者の有無、技術者の実績をもとに判断されます。優秀な人材の確保のために職場環境や福利厚生の改善は必要不可欠なのです。

編集部 資格取得支援はされていますか?

藤本社長 内部研修もありますし、受験の際の旅費など諸々の費用に関しては融資制度があります。会社が推奨する資格に関しては申請があれば融資します。ハードルの高い、より会社が必要と感じる資格に関しては、取得時にお祝金も出しますし、資格手当として給与にも反映されます。

編集部 測量業界の仕事の意義など、若者たちへのアピールも含めてメッセージをいただけませんか?

藤本社長 全国測量設計業協会で「未来を創るはじまりの仕事」というスローガンでPRをしています。未来をつくる、最初の仕事は測量なのです。ものづくりというのは自分が携わった事業が実現していく過程を目にすることで、やりがいを実感することができます。最終的には地域住民が安全で便利に生活できるようになり、喜んでもらえる。地域社会に貢献できるとてもやりがいのある仕事だと思います。まだ若い人達の中には、なにをやったらいいかわからないという人もいるかもしれませんが、「こういう仕事もあるんだよ」と言いたいですね。

編集部 最後に求める人材像を教えて下さい。

藤本社長 企業理念である「創造的で安全安心な地域社会に貢献する」に共感してもらい、地域の基盤づくりに貢献したいと思ってもらえるだけで十分です。

社内には、災害復旧の調査の過程で何度も被災地に足を運ぶことで現地の住民とコミュニケーションがとれたり、自身が取り組んだ業務が完了し、復旧の現場を目の当たりにした時にとてもやりがいを感じたという社員もいます。私たちの仕事は復興支援という側面でも貢献できる部分が多いと思います。

編集部 趣味を教えて下さい。

藤本社長 ゴルフが趣味です。九州各県の業界のゴルフ好きでよく集まっていますよ。近々、測量協会の同級生たちと集まってゴルフをする計画もあります。

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