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熊本唯一のデベロッパーとして 持続可能な街づくりに取り組む 株式会社南栄開発の斉藤忠社長

熊本唯一のデベロッパーとして 持続可能な街づくりに取り組む 株式会社南栄開発の斉藤忠社長

斉藤忠(さいとうただし):株式会社南栄開発・代表取締役社長。熊本市出身。1991年株式会社南栄開発入社。2013年代表取締役社長就任。

熊本地場のデベロッパーだからこそできること

ココクマ編集部(以下、編集部)事業内容について教えて頂けますか?

斉藤忠社長(以下、斉藤社長)今年で創業34年目、当社は土木測量設計を行う個人事業からスタートし、昭和59年に法人化しました。当初は住宅メーカーさんから依頼を受け、コンサルティングをしながら条件にあった住宅用地を探して造成し、お引渡ししておりました。実績と経験を重ねた今では、不動産会社さんや銀行さんなどから仕入れた土地情報をもとに自社で調査・企画を行い、造成した分譲地を住宅会社さんへ購入してもらうスタイルに進化。現在でも熊本を中心に、毎年約200区画の戸建住宅分譲用地をプロデュース・販売しております。

また、近年では住宅分譲用地の開発だけではなく、マンションやホテル・商業施設の開発を手がけるなど、時代のニーズに合わせて様々な開発事業にチャレンジしております。

編集部 COCOSAも開業2年目ですね。

斉藤社長 2017年4月にオープンした商業施設「COCOSA(ココサ)」は、18年5月31日に来館者数が553万人を突破し、初年度目標の400万人を上回ることができました。熊本地震後の明るい話題の一つであったことや、熊本初出店のテナントが全体の7割を占めていたことなどが、新しいものが好きな熊本の人の『わさもん』気質をくすぐり来場に繋がったのではないかと考えています。

編集部 宅地造成から中心市街地の活性化まで業容が変化してきていますね・・・。

斉藤社長 最近は、20~30年前に当社で手掛けた住宅団地を視察する中で多くの気づきもありました。相当数の住宅団地を見て回りましたが、子育て世代が建てた団地が役目を終え、寂しい印象の街になっているところが多々見受けられたのです。この現状を目の当たりにして、熊本地場のデベロッパーだからこそ、将来的なことまで考えて開発していかねばならないと想いを新たにしました。

そこで、2年前の秋に九州一円の街づくり関係者(大手不動産、住宅メーカー等20社)で「九州タウンマネジメント会議」を立ち上げました。有志の人間が集まり、「持続可能で災害に強い街」を真剣に造るために、福岡で月に1回会議を行っています。2年後にはこのコンセプトをもとに、九州一円のデベロッパーで150戸くらいの団地を造り、横展開していきたいと考えています。

私たちの仕事は「街づくり」

編集部 具体的に何か取り組まれている事例はありますか?

斉藤社長 この会議の中でひとつの題材となっているのが、現在当社がチャレンジしている合志市での「防災エコタウン構想」です。スーパーなど生活に欠かせない商業施設はもちろん、共働き世帯が安心して生活できるよう、下校後には公民館で一時預かりができる制度を整備したり、保育園や塾を設けたり、学校が遠い生徒には通学用のスクールバスを用意したり・・・。行政と協力して計画を進めているところです。これもいずれはひとつのモデルケースとして展開していきたいと考えています。

また、昨年の10月には「街づくり事業部」を新設し、これを組織の核に定めました。10年程前から50~100戸単位の住宅団地を造るようになり、お披露目の際に「街びらき」という言葉を使うようになりました。元々、大手のハウスメーカーさんが使っていた言葉なのですが、この言葉を使うようになって改めて、自分たちが手掛けているもの(団地)も街なんだと認識できました。私たちの仕事は「街づくり」なんだと・・・。街をつくる責任も非常に強く感じています。

編集部 健軍商店街の活性化にも取り組んでいらっしゃいますよね。

斉藤社長 商店街の賑わいづくりに取り組みたいという想いから、健軍商店街の一部の不動産を取得させて頂いていました。その矢先に熊本地震が発生。商店街の核となる店舗が倒壊し、このままでは空き地ばかりの商店街になってしまうという危機感がありました。我々がこの商店街を復興させなければと・・・。同じタイミングで地元の大学生が取り組むフィールドワークの題材にもなり、商店街・行政・大学・我々の4者でプロジェクトを立ち上げたのです。

現在は、「5年後にはこんな商店街にしたい」と定期的に大学生・商店街の皆さん・行政の方と当社の社員も交え、10~15人で座談会をしています。そのほか、VR技術を使って商店街のみなさん・地権者の方々に、大学生が設計した街を視覚的に疑似体験して頂いたり、大学生が企画したイベントを開催したりしています。商店街が活性化することはもちろんですが、この様な取り組みを通して学生の熊本への愛着を強め、地元の企業に就職するきっかけになれば良いなと思います。

熊本で得たノウハウを県外へ

編集部 いまや熊本のデベロッパーとして唯一無二の存在ですね。

斉藤社長 以前は土地を取得できても、そこにどのような付加価値を付けるのか、考える力や繋ぐ力は今のようにはありませんでした。最近はこちらから様々な提案もできるようになりました。「こういう土地があるのでここにホテルを誘致しよう!」など、経験を重ねるうちにその場所に何があるべきかわかるようになってきたのです。お陰様でこの1~2年は、金融機関や行政、大手の同業者から「熊本で唯一のデベロッパー」と言って頂けるようになりました。そのような評価に見合うよう、これからも街づくりを通して、地域に貢献していきたいと考えています。

また、今後は県外にも積極的に進出していこうと考えています。全国のどこであっても、求められているのは「安心・安全」かつ「持続可能」で「災害に強い」コンパクトシティ。九州一円の各都市で、私たちにできることがあると思います。九州の街づくり会社として、熊本で得たノウハウをもって県外にもチャレンジしていきたいですね。

編集部 どのような人材を求めていらっしゃいますか?

斉藤社長 街が好きで、人も好きな人がいいですね。当社では「何があれば幸せか」ということを追求していきますので、自分で考え目標に向かって進んで行ける人が良いです。もちろん思いだけではなく、研究をすることも大切ですよ。

また、健軍商店街での取り組みなどを面白いと思ってもらえる人に来てもらいたいです。当社が取り組む「街づくり」は時間のかかるものなので、当事者としてしっかり腰を据えて、周りの方とよりよいものを造り込んでいくことを楽しめる人がいいですね。

編集部 趣味を教えてください。

斉藤社長 キャンプが好きで時間があればキャンプに行きます。月に1回は必ず家族と行きますね。マラソンも好きなので、キャンプに行った先でトレイルランをやったりすることもありますよ。阿蘇はキャンプ場が多いので県外の人にも勧めますが、個人的には奥球磨の湯前町にあるキャンプ場が好きです。お風呂もあって快適だし、雰囲気が良いんですよ。ゆくゆくはキャンプ場を買いたいなと、最近考えています(笑)。完全に趣味の延長ではありますが、夢が膨らみます。

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